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2020/02/04

ネオ・ソウル・ミュージック(2)〜 アンジー・ストーン篇

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https://open.spotify.com/album/06H2UUZRxzOuD7gyB5MjLu?si=feMM2uPwS4Wk0zGhZIfoaA

 

以前アンジー・ストーンの記事を三個書きました。それとは別にネオ・ソウルのことも書いたんですけど、なんだか最近知ったところによればアンジー・ストーンはネオ・ソウル・シンガーの代表格の一人みたいですね。知りませんでした。ネオ・ソウルは継続的に聴き継続的に調べ続けていて、そうするとネオ・ソウル名盤選みたいなネット記事のいくつかに、アンジーのアルバムが掲載されているんです。

 

でもよくわからないのは、アンジーのアルバムのなかにはプログラミングでトラックをつくってあるものがすこしあるように思えることなんです。ネオ・ソウルっていうのは打ち込みよりも演奏行為重視のスタンスが特色の一つなんでしょ。う〜ん、たとえばアンジーの『カヴァード・イン・ソウル』(2016)。これ、だいたいぜんぶコンピューターでサウンド・メイクしてあるんじゃないですか。以前記事にもしました。

 

ほかにもちょっと演奏っぽくないなと聴こえるアルバムがあって、どうなんでしょうね、クレジットがわからないっていうか、ぼくはいままで Spotify で聴いているだけだからわかるわけないけれど…、と思って実は最近アンジーの CD を何枚か買ってみたんですよ。そうしたらなにも書いてないじゃないですか。こりゃどうなんでしょう、演奏者がいるのか打ち込みなのか知りたくて CD 買ったのに、なにも書いてないなんて…。残念のひとこと。CD 買った意味ないじゃん。

 

ぼくがいちばん好きなアンジーは、いまのところ最新作の『フル・サークル』(2019)とソロ・デビュー作の『ブラック・ダイアモンド』(1999)で、たとえば『フル・サークル』の CD 付属ブックレットにも、演奏者名、プログラマー名どっちも記載がほぼなし。曲の作者、プロデューサーとか、あとはレコーディングとかミックスとか、そういうのしか記載がありません。

 

曲によってはミュージシャン名が載っていたりもするんで、その曲はそれらの演奏者がいて、それ以外は打ち込みってことなんでしょうか?ちょっとわかりません。でも一曲だけ演奏者名が明記されてあるということは、それ以外は打ち込みなのだと考えていいのかもですね。生演奏の質感があるなと思う『フル・サークル』ですけれどもね。わりと好きな『カヴァード・イン・ソウル』CD ではいっさいなんの記載もありません(やっぱりぜんぶ打ち込み?)。ソロ・デビュー期のアンジーはどうだったんでしょう?

 

いまではひょっとしたらいちばん好きなアンジーかもしれないと思う『ブラック・ダイアモンド』は CD 買ってないんでなんとも言えませんが、これとかその次の『マホガニー・ソウル』(2001)とかがよくネオ・ソウル名盤選にあがっています。この時期は演奏行為重視だったということかなあ。『マホガニー・ソウル』のほうが頻繁に推薦されているみたいですけど、個人的には『ブラック・ダイアモンド』もかなり好きです。

 

それであんまり演奏行為云々にこだわりすぎてもネオ・ソウル・シンガーとしてのアンジーをとらえたことにならないかもしれないんでこの話題はここまでにして『ブラック・ダイアモンド』。ここのところこればっかり聴いているんですね。これ、いい一枚ですよね。1999年の作品で、世紀転換点あたりにおけるまさにネオ・ソウルの代表作といえるんじゃないでしょうか。

 

とくに好きなのは2曲目「ノー・モア・レイン」と4「エヴリデイ」。11「マン・ラヴズ・ヒズ・マニー」、14「ヘヴン・ヘルプ」もいい曲ですね。曲はアンジーがだいたい書いていますけど、ネオ・ソウル・ソング・ライターとしてもこのソロ・デビュー期にすでに完成されていたことがわかります。書く歌詞もいい。アンジーの歌いかたは個人的に1970年代のカーティス・メイフィールドを連想させるものがあって、そこも好き。ふわりとやわらかいけどしっかりした芯があるっていうそんなヴォーカルですよね。

 

ビートはやっぱりかなりヒップ・ホップ系から来ているなとわかります。それで以前『フル・サークル』の記事のときに書いたんですけど、ぼくは「セイム・ナンバー」が大好きだからと思ってもアルバムでそういった快活なリズムを持つ曲はこれだけ、ほかはミドル・テンポの落ち着いた感じが多いんだなあって。デビュー作『ブラック・ダイアモンド』までさかのぼり、またネオ・ソウルをたくさん聴いていると、これはこの種の音楽の特色の一つなんじゃないかと思えます。

 

快活にズンズン来るビート・ナンバーはあまりないんですよね。ディアンジェロなんかでもぜんぜんないんじゃないですか。落ち着いたミドルなビート感、これがネオ・ソウルやアンジーたちのカラーかもなと思えるんです。ビートはマシンというかコンピューターでそういったフィーリングのものをつくってあるかもしれませんが、その上にヴォーカルとコーラス、電気鍵盤楽器、ベース、エレキ・ギターあたりを(演奏で)重ねるっていう、そういったサウンド・メイクじゃないですか。アンジーの『ブラック・ダイアモンド』でも快速テンポはまったくなし。

 

でもいまはそんな、かっ飛ばすのはなしの(ぼくはどんな音楽でも速いテンポの曲が大好きなんだけど)中庸なのがネオ・ソウル、アンジー・ストーンのよさ、特長だなと理解できるようになったし、心地よく感じます。アンジーにしても、特に「ヘヴン・ヘルプ」みたいなバラード系っていうかこういったメロウなスロウ・ナンバーで実にいいフィーリングがします。この曲、本当にいいですよね。歌いかたも好きだし、曲もアレンジもサウンドも好き。

 

『マホガニー・ソウル』のことはまた別な機会に書きます。

 

(written 2020.1.17)

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