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2020/05/05

大音量で鳴らそうストーンズの『ライト・ザ・フューズ』

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(5 min read)

 

The Rolling Stones / Light The Fuse: A Bigger Bang In Toronto 2005

 

近年のローリング・ストーンズのライヴ・アルバムではいちばん好きな『ライト・ザ・フューズ:ア・ビガー・バン・イン・トロント 2005』。2012年にデジタル・ダウンロード販売されたもので、あのころストーンズはバンド公式でどんどん未発表ライヴ音源をダウンロード販売していましたよね。廉価だったし、ぼくはぜんぶ買ったんじゃなかったかと思います。公式化した1973年ライヴの『ザ・ブリュッセル・アフェア』もあのころだったはず。

 

『ライト・ザ・フューズ」は2005年8月10日のトロント・ライヴ。久々のスタジオ・アルバム『ア・ビガー・バン』(2005)の発売にともなうツアーからの一幕ですね。あのスタジオ作のことをぼくは当時イマイチに感じていて、実はいまでもそうなんですけど、ダウンロードして聴いてみた『ライト・ザ・フューズ』はとってもよくて、はっきり言って感動しちゃったというほどだったので驚きました。

 

だって、『ア・ビガー・バン』の1曲目が「ラフ・ジャスティス」なんですけれども、ライヴ・アルバム『ライト・ザ・フューズ』の幕開けも「ラフ・ジャスティス」なんですよ。それがもうぜんぜん様子が違うわけです。だんぜんライヴのほうがいいんです。そもそも『ライト・ザ・フューズ』の特長は、若々しくナマナマしい、勢いがあるっていうことなんですけど、この「ラフ・ジャスティス」はいったいどうしちゃったんですか、すごいじゃないですか。

 

それにギターの音がとても raw なんですよね。キースにしろロニーのスライドにしろ。「ラフ・ジャスティス」でもスタジオ録音の『ア・ビガー・バン』で聴けるギターの音とぜんぜん違っていて、ここまでライヴの音のほうがいい、ナマナマしく迫力があるというふうに録れているのは奇跡的とも思えます。それはこの曲だけでなく2曲目以後も全曲について言えることなんです。現場の音響もよかったんでしょうね。

 

そう、『ライト・ザ・フューズ』の舞台となったトロントのフェニックス・コンサート・シアターはキャパ約1000人ぽっちだそうで、ストーンズほどのビッグ・スターが21世紀にそんな小さな会場でライヴできることにもビックリですが、でもストーンズはライヴ・ツアーの最初はいつも、特にカナダで、そういった小規模会場でやりますよね。現場の空気感とともに会場の音響のことも念頭にあったかもしれないです。つまり録音することがあらかじめ決まっていたかも。

 

ナマナマしくサウンドが肉感的、セクシーで、あまりの迫力(特にギターのそれ)にのけぞりそうになる1曲目の「ラフ・ジャスティス」に続き、2曲目「リヴ・ウィズ・ミー」もセクシー。そのまま5曲目の「デッド・フラワーズ」まで行き、続くオリジナルのスロー・ブルーズ6曲目「バック・オヴ・マイ・ヘッド」でいったん休憩みたいな感じでしょうか。

 

そこまでのバンド・サウンドのあまりの迫力にはマジ降参です。ラフなんだけど、だからこその勢いも感じる演奏で、これぞロック・バンドの理想型みたいなサウンドですよね。ボビー・キーズのサックスだって、演奏開始の合図の「ワン、トゥー、スリー、フォー!」の掛け声だって(たぶんチャック?)、あまりに肉感的。こりゃいったいどうなってんの?

 

1974年のアルバム『イッツ・オンリー・ロックンロール』でやっていたテンプテイションズ・ナンバーの「エイント・トゥー・プラウド・トゥ・ベッグ」をはさんで、バンド・メンバー紹介へ。それがストーンズのライヴではいつもキース・ヴォーカル・パートへのきっかけですね。

 

キースは当時の最新作から「インファミー」を歌いますが、これはスタジオ・ヴァージョンのほうがいいかも。ところでミックのメンバー紹介の声を聞くと、キーボードの Chuck Leavell はチャック・レヴェルですよね、リーヴェルじゃなくて。

 

後半はボブ・マーリーやオーティス・レディングのカヴァーを織り交ぜてやっていますが、おもしろいのはオーティスの「ミスター・ピティフル」では管楽器隊がまるでメンフィス・ホーンズみたいに響くというところ。だれがアレンジしているのかわかりませんが、考えてみたらストーンズのアメリカ南部テイストはむかしからの伝統芸能で間違いないところですよねえ。そのままの米南部色を保ったまま、続く「タンブリング・ダイス」に突入。ホーンズの響きもやはりいいですね。

 

そして怒涛のラスト二連発「ブラウン・シュガー」「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」でエクスタシー。ド迫力のライヴが終わります。いやあ、なんど聴いてもこの『ライト・ザ・フューズ』の肉感サウンドの前には全面降参です。こんなにナマナマしい、特にエレキ・ギターの音がこんなに色っぽいストーンズって、近年ほかで聴けないんじゃないですか。このアルバム、CD になっていないはずですけど、いまでもダウンロードできるんでしたっけ?

 

(written 2020.3.20)

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