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2020/05/06

これがストーンズのベスト・ライヴかも 〜『ザ・ブリュッセル・アフェア』

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(4 min read)

 

The Rolling Stones / The Brussels Affair

 

昨日書いた『ライト・ザ・フューズ』きっかけで思い出し(どうして?)聴きかえしてみた、ローリング・ストーンズ1973年10月17日、ブリュッセルでの二回のショウから編纂・収録した『ザ・ブリュッセル・アフェア』。ダウンロードでのリリースは2011年だったみたいです。いまではフィジカルもあるんですって。当時バンド公式からダウンロードしたもので聴き、CD-R にも焼いていますから気分が向けばそちらでも聴きますが、このアルバムは80分弱で一枚におさまる長さであるにもかかわらず、商品 CD は二枚組だそうで、どうして?

 

ともかく『ザ・ブリュッセル・アフェア』はミック・テイラー在籍時のライヴ記録で、たぶんいままでにリリースされているストーンズの全公式ライヴ・アルバム中の最高傑作じゃないんでしょうか。それは出だし1曲目の「ブラウン・シュガー」を聴くだけで納得できると思うんですね。ひとことにしてミック・テイラー(左チャンネル)の極上のうまあじ。ほかの曲でもそうだし、それこそがこのライヴ・アルバムでいちばんの聴きものです。

 

「ブラウン・シュガー」だとミック・テイラーはずっとスライドで弾いていて、その音色もまろやかでコクがあり、とてもおいしい感じに聴こえます。スライドですからあまり速いフレーズはムリですが、テイラーは大きなフレーズでゆったりと乗って、バンド全体の急速調とのグルーヴの対比で絶妙なニュアンスを出していますよね。ほかの曲ではバンドのノリがゆったりめになると細かく速く弾いたりして、テイラーはいつでも全体のコントラストやバランスに気を配っているのがわかります。

 

「ブラウン・シュガー」では間奏ソロ(前半サックス、後半テイラー)のあと、演唱後半部でテイラーは指での押弦に切り替えて細かいフレーズをよどみなくオブリガートで入れているのもうまあじですね。そう、この『ザ・ブリュッセル・アフェア』でのテイラーはオブリでおいしいというのが大きな特長。ソロもたくさん弾いてそれもいいんですけど、オブリガートが実にいい感じで入っているんですよね。コード・カッティング役のキース・リチャーズとみごとなコンビネイションで、バンド全体での絶妙なグルーヴを生み出しています。

 

こういったことが2曲目以後についても言えます。「タンブリング・ダイス」までやって、その後5曲目からは1973年当時の最新作『ゴーツ・ヘッド・スープ』からの新曲コーナーに突入し、「アンジー」まで。このパートは個人的にそうでもない感じがします。アルバム『ゴーツ・ヘッド・スープ』があまり好きじゃないせいもあると思いますが、それ以上にまだライヴでこなれていないかもなあって感じるんですね。あ、そうそう、聴こえるキーボードはツアーにゲスト参加のビリー・プレストン。

 

そしてそれに続く「ユー・キャント・オールウィズ・ゲット・ワット・ユー・ウォント」「ミッドナイト・ランブラー」の二曲が、このライヴ・アルバムのハイライトに違いないでしょう。前者ではキースの弾くコード・ワークもさわやか。キースはミック・ジャガーのヴォーカルに(より高音で)ハモリもつけているんですね。この曲でのこのさわやかフィーリング、これがぼくは大好きなんです。そして、出ました、ミック・テイラーの必殺長尺ソロ!こ〜れが、このアルバムでの最大の聴きものでしょう!

 

「ミッドナイト・ランブラー」でも変幻自在なキースのカッティングとなまめかしくなめらかなテイラーのシングル・トーン弾きがからみあって、バンド全体のサウンドが生きているしセクシーだし、いやあ、聴きごたえありますよねえ。その後は黄金のヒット・パレードに入ってラストまで行きますが、現在のストーンズでは考えられない、っていうかほかのどの時期のストーンズでも聴けないのが、最終盤「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」「ストリート・ファイティング・マン」のメドレー。こんなにもタイトでシャープな演奏をしていたんですね。後者での、ミックが歌い終わってからのフリー・インプロ・パートでのモーダルな展開なども壮絶で妖艶、生唾ものです。

 

(written 2020.3.21)

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