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2020/06/30

コロナ時代のコンサートはハイブリッドで

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(写真は日経新聞デジタルの記事より、岸田鉄平撮影)

 

(5 min read)

 

6月25日にサザンオールスターズの有料配信ライヴがありました。パフォーマンスの場所は横浜アリーナでしたが、コロナ対策のため観客はいっさい入れず、その代わり複数のネット配信サーヴィスでライヴの模様が中継されたんですね。約18万人もが3600円のチケットを買い、さらに主催者発表によれば総視聴者数は推定約50万人にもなったそうです。もちろんサザンほどの国民的人気を誇る音楽家だからこの数字になるわけですけど、ウィズ・コロナ、ポスト・コロナ時代のコンサートのありようを考える際には示唆深い内容だったんじゃないかなと思います。

 

横浜アリーナは、もし客を入れればそのキャパは18000人です。ところが3600円の有料配信で18万人もがチケットを買ったわけですよ。実客の10倍じゃないですか。ってことは実客を横浜アリーナにフルに入れたと仮定すれば、その全員が3万6千円のチケットを買ったという計算になるんです。興業としては大成功ですよね。

 

以前も岩佐美咲関連で言いましたが、ネットのよさはだれでもどこにいても体験できるということです。リアルなコンサートなどであればその現場に行かないと観られません。しばしば東京とか首都圏とかでしか大きなライヴ・コンサートは実施されないがため、地方在住民はいつも悔しい思いをしてきています。涙を飲んできているんですよね。しかしこれがネット配信コンサートとなれば、パソコンやスマホがあれば日本中どこででも視聴できます。

 

コロナのせいで実際の会場にお客さんを入れられないという状況が続いているのは、もちろん音楽界にとって好ましいことではないでしょう。しかしそんなありようをある意味逆手にとって、ネット配信で充実したコンサートを届けてくれて、たぶん視聴者の大半を満足させたであろうサザンオールスターズの例は、今後、コロナ時代にコンサートはどうあるべきかのひとつのかたちを示してくれたといえるかもしれないですよね。

 

もちろん観客を実際に会場に入れるという試みも徐々にではありますが戻ってきはじめています。ここで大切なことは、実客を会場に入れる/ネット配信をする、というのを、どっちかじゃないといけないっていう二項対立のように考える必要はないはずだいうことです。実客を入れてなおかつネット配信もやればいいじゃないですか。いわばハイブリッド・コンサートですよ。

 

ハイブリッド・コンサートということばは、演歌・歌謡曲歌手の中澤卓也のホームページから拝借したものなんですね(情報をくださったわいるどさんに感謝)。来る7月23日に中澤は王子の北とぴあ、さくらホールでそういったものを実施するんだそうです。コンサート会場に実客を入れますが、それはソーシャル・ディスタンスに配慮して前後左右を開け、キャパの1/4程度。そして実演と同時にそのコンサートを有料ネット配信するんだそうですよ。
https://www.nakazawatakuya.com/news/6605/

 

この実客+配信のハイブリッド・コンサートというのはなかなか秀逸なアイデアだと思うんですね。もちろん第一義的には現場の会場で密を避け1/4しかお客さんを入れられないから、その分の穴埋めを有料ネット配信でやろうということです。ですけれども、今後、以前みたいにフルに客席を埋めることができるようになっても、やっぱりネット配信もやればいいじゃないですか。

 

日本中にファンを持つ歌手やバンドはたくさんあります。いや世界中にファンを持つ音楽家だって多いです。実客フル入場の状況が戻ってくれば、もちろんそれはすばらしい。でもそのいっぽうで、どうあってもコンサート現場へ出かけることなど容易にはかなわない地方在住民だってたくさんいるんですよね。いままでは指をくわえて我慢するか、お金を貯めて一大決心で都会へ遠征していくしかなかったんです。

 

それが、ネット配信で、当日のそのコンサートがそのまま観られるようになるなんて、すばらしいことじゃないですか。興業主にとってだって、会場に実客が入ればそれで儲けになる上に、同時に有料ネット配信もやれば実客キャパの何倍、十倍ものチケット販売が見込めるんですからね。有料ネット配信は、上でも書きましたが、会場のキャパをはるかに上回る大量のチケットがさばけることが多いんですよね。サザンが証明してくれました。

 

これからのウィズ・コロナ、あるいはポスト・コロナの時代には、音楽コンサートはハイブリッド形式でやりましょうよ。実客/配信のダブル体制でやれば、興行的にもはじける可能性があるし、だから歌手や音楽家にとっても成功といえるようになるし、コンサート現場に足を運べないファンだって大喜びですよ。

 

(written 2020.6.29)

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