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2020/08/09

夏の成分 〜 ジャズ・セレブレイション・オヴ・スティーヴィ

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(3 min read)

 

v.a. / Tales of Wonder - A Jazz Celebration of Stevie

https://open.spotify.com/album/3ooyAWAJArRdEYb1UGO2lS?si=XTiKOxUnTLGE5urzS2XA7Q

 

ポジ・トーンっていうアメリカ西海岸のジャズ・レーベルがありまして、そこが、スティーヴィ・ワンダー生誕70周年にあたる今年、それを記念して同レーベルのジャズ・ミュージシャンたちによるスティーヴィ・カヴァー集をリリースしました。アルバムのための新録じゃなくて、基本、既発音源からの寄せ集めコンピレイション(レーベル・サンプラー?)なんですけど、その『テイルズ・オヴ・ワンダー:ア・ジャズ・セレブレイション・オヴ・スティーヴィ』(2020)、中身はけっこういいです。

 

なにがいいって、梅雨明けして猛烈な暑さが到来したいまの真夏時期にピッタリくるような清涼感があるところですね。ジャズ・ミュージシャンたちがジャズふうに解釈したスティーヴィ集ということで、多くがややフュージョン(融合)に寄ったような演奏になっていますけど、なかにはストレート・アヘッドなジャズに展開したものもあり、さらにどの演奏もスティーヴィの原曲の持つメロディの美しさをそのまま活かしたようなフィーリングなのに好感が持てますね。

 

とりあげられている曲は、だいたい多くが1970年代のスティーヴィ・ナンバーということになっていますけど、そりゃあいちばんスティーヴィが充実していたのがその時期だったんだから当然ですよね。アルバム収録曲のなかで特に印象に残ったものをあげていくと、まず2曲目「マイ・シェリ・アモール」。ジョン・デイヴィス率いるピアノ・トリオもので、ストレートにジャジーな展開が気持ちいいですね。

 

テオ・ヒルのやわらかいフェンダー・ローズが印象的な3「スーパーウーマン」を経ての4曲目「ユー・アンド・アイ」。これ、かなり好きです。軽めのボッサ・フュージョンみたいな仕上がりで、演奏はアイドル・ハンズ。ウィル・バーナード(g)、ベーン・ギリース(vib)、アート・ヒラハラ(p)らによるコンボですね。これぞ西海岸フュージョンといった出来で、ぼくはこういうの、かなり好きなんですよね。

 

ファンキー&ブルージーなオルガン・ジャズになった5「ユー・ハヴント・ダン・ナシン」もゴキゲンでカッコいいですね。デイヴ・ストライカー(g)をふくむジャレッド・ゴールドのオルガン・トリオの演奏です。デイヴのギター・カッティングもぐちゅぐちゅ言ってソウルフルで快感ですよ。同じようにソウルフルなオルガン・ジャズになったのが7「オール・イン・ラヴ・イズ・フェア」。トランペットはファーネル・ニュートンで、オルガンがブライアン・シャレット。ゴスペル風味だってありますね。

 

そしてなんといってもラスト8曲目の「ヴィジョンズ」。これがこのアルバムで最大の好物なんですけど、ベーン・ギリースのヴァイブラフォンをフィーチャーしたアクースティック・ジャズなんですね。バンドはアウト・トゥ・ディナーというクインテット名義になっていますが、ここでの伴奏はボリス・コズロフのコントラバスのみ。こ〜れが、もう美しいのなんのって!もちろんスティーヴィが書いたメロディがあまりにもすぐれているからということなんで、やはりとんでもないソングライターだったなと、こういうふうにジャズに再解釈された演奏を聴いても再確認できますね。

 

(written 2020.7.31)

 

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