スカンジナビアン・UK・アメリカーナ 〜 ハナ・ワイト
(3 min read)
Hannah White / Hannah White and The Nordic Connections
https://open.spotify.com/album/6U1jTfjhtQdpZi3dEHHezr?si=y5UZr5VpQQKTbikXFdbIug
萩原健太さんにご紹介いただきました。
https://kenta45rpm.com/2020/06/10/hannah-white-the-nordic-connections/
イギリスのシンガー・ソングライターらしいハナ・ワイト(Hannah White)。ノルウェイ在住の四人といっしょに組んだバンドのデビュー・アルバム『ハナ・ワイト・アンド・ザ・ノーディック・コネクションズ』(2020)を聴きました。昨年バンドとしての初シングルはリリースしていたようなんですが、アルバムとしては初作品です。これがちょっぴり気になる内容なんですよね。
音楽としては米カントリー・ミュージックというかアメリカーナというか、そういったものだと言っていいと思いますが、UKと北欧目線で再構築されたような、そんな清新さがあって、聴いていて気持ちがいいんですね。純真というか無垢というか素直。ナイーヴでストレートなフィーリングが聴きとれます。端的にいえばアメリカ南部臭から来るエグ味がまったくしないカントリーっていう感じですかね。
だからそのへん、アーシーな感じがまったくせず、さっぱりときれいにアク抜きされたカントリー・ミュージックに聴こえ、聴くひとによってはかなり物足りない浄水の味わいに思えるんじゃないでしょうか。バンドもギター、オルガン、ペダル・スティール、ベース、ドラムスという標準的な編成で、実にさっぱりあっさりとした演奏をくりひろげ、ハナの清心ヴォーカルの脇役にまわっています。
こういったのがスカンジナビアン・UK・アメリカーナっていうんでしょうか、でもそうなるともはやどこの国のどんな音楽だかわからなくなりますよね。録音は、聴いた感じ、これ、ハナの歌もふくめバンド全員の一発合同演奏だったんじゃないですか。そういう意味でのグルーヴはそこかしこに感じられます。アッパーなビート・チューンも、4「シティ・ビーツ」(ボ・ディドリー・ビート )、5「ガタ・ワーク・ハーダー」(ロカビリーふう)と二曲あり。なかなか聴かせます。
歌われているテーマは米カントリー・ミュージックの常套に沿ったものが多いですけど、もちろん感触はやはりアク抜き系で。土臭さをまるで感じさせないスライド・ギターやハモンド・オルガンもうまい具合にフィットしていているし、まさにこういう個性ということなんでしょうね。なかなかめずらしい、得がたいタイプじゃないでしょうか。ちょっと気になりますよね。
(written 2020.7.30)
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