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2020/10/16

奄美島唄の輪廻転生 〜 里アンナ×佐々木俊之

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(4 min read)

 

里アンナ×佐々木俊之 / Message II - Reincarnation -

https://open.spotify.com/album/4gPjfmbVGV36bOql9vBMjP?si=ZBe0O9MLSvm1c77pzW2YSA

 

里アンナは奄美大島の島唄を歌う歌手。三味線や竪琴もやります。そんな里がドラマー、佐々木俊之と組んでリリースしたコラボ二作目『Message II - Reincarnation - 』(2020)にたまたまたどりつく機会がありました。いやあ、これはなかなかすごい音楽ですよ。

 

奄美島唄の里アンナは2005年の「愛・地球博」で山本寛斎プロデュースのイベント出演後にデビュー。スペインのフラメンコ集団と共演したりもしていて、多彩な活動を世界で続けてきているみたいです。ドラマーの佐々木俊之のほうは2014年結成した自身のバンド Nautilus でドイツの音楽レーベルからも作品を発表するなど、やはり海外でも活躍。

 

この両者、それまでたがいに接点はなかったと思うんですが、共演で2016年、フランスのコルシカ島で開催された歌のフェスティバル、パリ公演を成功させたあたりがコラボの出発点だったみたいです。デュオ一作目の『Message』が2018年のリリース。ぼくは今年の二作目が初邂逅だったわけですけど、一作目からしてすでにぶっとんでいます。

 

さて、もうすっかり愛聴作になっている里+佐々木の『Message II - Reincarnation - 』ですが、聴いていてなにが楽しいって、ぼくにとっては佐々木のドラミングなんですね。ジャズ、R&B、ヒップ・ホップを自在に横断するスタイルで、里の島唄&三味線 or 竪琴に、基本的には寄り添いながら、ときに挑発したりもして、自由にビートを刻んでいますよね。佐々木のおかげで奄美島唄が新しい衣をまとって新鮮に聴こえてくるっていう、そういったアルバムじゃないですか。

 

里のヴォーカル+三味線(or 竪琴)にくわわるのが佐々木のドラムスだけっていう、そんなシンプルな編成ながら、織りなすサウンド・テクスチャーは多彩でカラフル。ぼくにはそれが佐々木のドラミングのおかげであると聴こえるんですね。奄美の島唄には地元の太鼓が加わることが通常らしいんですが、そこに西洋ふうのドラム・セットをあえて用いたことで、ポリ・レイヤーな音楽ができあがっているなと感じます。

 

アルバムのなかで特にお気に入りは、たとえば2曲目「綾蝶」とか7「ワイド節」とか。佐々木がとても細かいビートを刻んでグルーヴを生み出していますが、そこに里の三味線&ヴォーカルが大きくうねるように乗って、そのポリリズミックな多層性ゆえに奄美島唄に現代性を持たせ蘇らせることに成功していますよね。

 

ポリリズムというかポリ・グルーヴとでも言ったらいいのか、この里+佐々木のコンビによる音楽、とにかく理屈は抜きにしても、とにかく聴いて快感で、ずっといつまでも聴いていたい、このサウンドのうねりに身を任せていればひたすら気持ちいいっていう、そんな音楽で、だからくりかえしなんども聴いちゃうんですよね。

 

一作目『Message』もすごいので、そっちもぜひ聴いてみてください。
https://open.spotify.com/album/62vP417C42qzMMYzyYXClC?si=dUCICPFYRPmK4kcfPZtzHg

 

(written 2020.10.7)

 

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