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2020/10/14

岩佐美咲 at「3人の歌仲間」コンサート 2020.10.12

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(8 min read)

 

きのう10月12日、東京は王子の北とぴあで「3人の歌仲間」コンサートが開催されました。出演者は岩佐美咲、はやぶさ、辰巳ゆうとの三組。これがわさみんこと岩佐美咲ほか全員(が長良グループ所属)にとって、ほんとうに久々の客入れした会場でのコンサートになりました。

 

現場ではソーシャル・ディスタンスに配慮して観客数が制限されましたが、その分、ネット配信が行われました。アーカイヴで13日深夜まで楽しめます。そういうハイブリッド・コンサートになっていましたので、田舎の貧乏人であるぼくもくりかえしこのコンサートを味わうことができました。ちょこっとその感想を、わさみん中心に、書いておきたいなと思います。

 

昨2019年の、同じ三組による「3人の歌仲間」コンサートは現地で生体験したんですが、今年の最大のヴァージョン・アップは、生演奏によるバック・バンドにキーボード・シンセサイザー奏者が加わったことですね。昨年はギター、ピアノ、ベース、ドラムスの四人でしたから、演歌・歌謡曲の伴奏としてはやや物足りないというかスカスカだなという印象もあったのです。

 

そこにキーボード・シンセが加わったということで、たった一人それが参加するだけで、こうもサウンドが分厚く充実したものになるのかと、ちょっとビックリするくらいでしたよねえ。アレンジを担当した義野裕明の仕事ぶりもすばらしく、オーケストラルなサウンドになっていましたので、三組とも歌いやすそうでしたね。

 

さて、わさみんが歌ったのは以下:

 

・大阪ラプソディー(全員)
・鯖街道
・恋の終わり三軒茶屋
・紅蓮華
・右手と左手のブルース
・津軽の花(全員)
・お祭りマンボ(全員)
・上を向いて歩こう(全員)

 

わさみんの歌の調子は、はっきり書いちゃいますがイマイチな部分もあったのではないでしょうか。客前で歌うのが約八ヶ月ぶりということで、そのあいだのブランクが響いているのかなといった印象を持ちました。

 

自身の過去の持ち歌(「鯖街道」「恋の終わり三軒茶屋」)ではソツなくこなしていましたが、新曲「右手と左手のブルース」ではそれでも音程が若干あいまいになったり声のハリが足りなかったりする箇所も散見し、う〜ん…と感じてしまいました。この歌は客前で披露するのがはじめてでしたからねえ。

 

「大阪ラプソディー」もCD収録しているし、各地で昨年までどんどん歌ってきているものだということで、わさみんは慣れている様子。無難に歌いこなしていましたね。問題はきのう初めて歌ったカヴァー・ソングでした。今回のコンサートはネットのアーカイヴでなんども聴けますから、きのうのわさみんの歌の調子がクッキリわかってしまいます。

 

特に同じ事務所の後輩である辰巳ゆうとの歌唱が充実していましたので、比較してしまいますよねえ。ゆうとのことは長良グループも力を入れてバック・アップしていて、コロナ禍で各種リアル・イベントが実施できないなりにがんばって活動してきていました。ゆうとの歌の調子はかなりよかったですよね。カヴァーである「私鉄沿線」(野口五郎)なんかでもほんとうに伸びやかでした。

 

それに比べて、同じ事務所でわさみんは飼い殺し?というわけじゃないでしょうが、どんどん歌うという機会を与えられないまま約八ヶ月が経過してしまいましたので、そのブランクのせいでしょう、いざ、きのうああやって会場でのコンサートで歌うとなって、緊張もしただろうし、喉の調子、体調も万全ではなかったように聴こえました。

 

また、コンサート中盤でDAMチャンネル演歌の四代目MCである中澤卓也が登場し(毎年その年のMCが登場する仕様)最新曲を披露したんですけど、これが!ほんとうにすんばらしかった!さすが複数回のハイブリッド・コンサートをこなすなどコロナ禍でも活動を怠っていない卓也だけのことはありました。「北のたずね人」、聴き惚れましたね。声につやつやした色気がありましたよねえ。

 

それなのに、わさみんのほうはといえば…、とどうしても比較してしまいますので、ちょっとこれは…、となってしまうのはだれしも否定できなかったのではないかと思います。後輩の辰巳ゆうとにもすっかり追い抜かれてしまい(というかゆうとも昨年生で聴きましたが、一年での急成長ぶりに驚きました)、わさみんもこのままではイカン!との思いを強くしましたね。

 

きのうのわさみんイマイチ感をもっとも感じたのは、全員で歌った「お祭りマンボ」(美空ひばり)でした。歌いこなすのがむずかしい歌で、短い小節間にかなりたくさんのことばをぎゅうぎゅうに詰め込んであって、それを速射砲のように細かく正確にくりだす技術の高さが求められます。

 

きのうの「お祭りマンボ」でわさみんが歌ったパートは、どうも舌足らずというか口がまわっていないというか、もちろんひばりのうまさと比較することは不可能ですけど、調子がよければもっとやれたはずではないか?との思いが強いです。わさみんだけでなく、辰巳ゆうともはやぶさも歌えていませんでしたけどね。

 

きのうの「3人の歌仲間」は、客入れしてのコンサートとしては実にひさびさであったわけで、だから楽しめるものではありました。生演奏バンドによる臨場感のある伴奏もあいまって大きな喜びであっただけに、わさみんもこのままではいけないぞとの思いもいっそう強くしましたね。

 

きのう訃報を聞いた作曲家、筒美京平のことば:

 

「最高で月に45曲くらい書きました。レストランははやっていないとダメ。材料が落ちる。職業作曲家も同じ。注文が来れば来るほど、いい仕事ができる」

 

歌手もそうじゃないでしょうか。現在ふだんどおりの活動ができないのはみんな同じ。ですけれど、それなりにできることをやっていくしかないと思います。きのうの「3人の歌仲間」コンサートでのわさみんの歌はそんなに悪かったわけじゃありません。十分立派だったんですけど、好調時からはちょっとだけ遠かったかなという印象を抱きました。辰巳ゆうとと(ゲストの)中澤卓也がすばらしかったので比較すれば…、という話です。

 

今後ちょっとづつ客入れしてのリアル・コンサートやイベント、テレビ収録なども増えていくとは思いますが、まだまだ昨年並みの水準に戻りません。引き続きオンラインでの歌唱イベント系、配信ライヴ系、またSHOWROOMでのカラオケ配信など、どんどん続けていってほしいと思います。そうやってわさみんの喉や体調を維持していく必要があるなあと、そう感じた10月12日の「3人の歌仲間」コンサートでした。

 

(written 2020.10.13)

 

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