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2020/11/30

岩佐美咲 at どこでも演歌まつり 2020

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(7 min read)

 

https://www.youtube.com/watch?v=kBV7RWpOq80&t=0s
(PR映像です、上の写真もそこから)

 

山野楽器銀座本店で毎年開催されている「元祖ぎんざ演歌まつり」。今年はコロナ情勢下ということでオンラインでの開催(計27組)とあいなりました。2016年以来岩佐美咲も毎年参加して出演しているライヴ・イベントですが、今年はあらかじめ収録されたものをネット配信で楽しむということになったわけです。

 

本来だったら山野楽器のぎんざ演歌まつりは銀座本店で開催されるわけですから、東京とか首都圏在住のみなさんじゃないとなかなか参加しにくいという面があったかもと思います。

 

もちろん現場で生で対面して歌を聴くというのはたいへんスペシャルな体験ではあるんですけれど、銀座開催は地方民にとってキビシイのも事実。それが今年はオンラインで、どこにいても、いつでも、なんどでもくりかえし、観聴きすることができるわけですから、コロナ禍も悪いことばかりじゃないですね。

 

2020年の、題して山野楽器「元祖どこでも演歌まつり」、11月25日から配信されていますが、岩佐美咲分をぼくもすでになんども楽しみましたので、ちょこっと感想を書いておきたいなと思います。この「どこ演」は12月25日まで楽しむことができて、これからでもオンライン・ショップふくめ山野楽器でCD買えばその歌手の動画配信ログイン・コードがもらえますので、まだ間に合いますよ。

 

さて、山野楽器の元祖どこでも演歌まつり2020、美咲のものはおしゃべりパートを入れ約35分で六曲。曲目は以下のとおりです。

 

1)鯖街道
2)リンゴの唄
3)虹をわたって
4)ふたりの海物語
5)糸
6)右手と左手のブルース

 

第一印象は「あれっ、わさみん、歌がヘタになった?」というものでした。特に出だしの「鯖街道」でズッコケましたが、なんかい聴いてもたしかにちょっと音程がふらついているし、声のハリ、ツヤも足りないですよねえ。う〜ん。

 

客前で歌う機会はほぼ絶滅しているし、配信でも歌うチャンスが滅多にありませんから、これはそこそこ理解できることではあります。それじゃあイカンわけですけど、美咲本人というより、歌唱機会をつくらない長良プロダクションと徳間ジャパンの責任でしょうね。歌っていなかったら力は落ちます。

 

もうひとつ、歌唱が不安定だった要因として、美咲が歌いかたをすこし変えつつあるかもだから、試行中だからなんじゃないかという印象も持ちました。

 

音程移動の際にタタタッと連続的につなげるようにフレーズをフェイクさせながら、(CDヴァージョンなど)いままでにない音程をとりつつ歌う手法をとりはじめていて、たとえば「糸」だと “ふたつの物語” パート、「右手と左手のブルース」だと “私だけのものじゃないと知る” パートなど、そのほか随所に顕著です。

 

むずかしいテクニックなので、いかな美咲といえどまだ完全にはマスターしきっておらず、そのためにやや不安定な歌唱に聴こえてしまうということがあったかと思います。成長過程、産みの苦しみかもしれませんね。

 

ふりかえってみれば、2019年リリースのCDアルバム『美咲めぐり〜第2章』でも、ライヴ収録の「初酒」「もしも私が空に住んでいたら」両曲のそれぞれ最終盤で、やはり従来にない音程の移行音をなめらかに歌うテクニックが聴けました。CD化ということで、これらは成功例を収録してあった(or ライヴ後にスタジオでコンピューター補正した)というわけです。

 

また、今回の「どこでも演歌まつり」での美咲は、いままでにない強めのヴィブラートを効かせているのも大きな特色です。いままで美咲はコブシなしヴィブラートもなしのスムース&ナチュラル歌唱法でやってきて、それがトレードマークだったわけですけどね。

 

特に演歌系楽曲、なかでも「リンゴの唄」と「右手と左手のブルース」では、コーラス終わりで音を伸ばす際、やや強めに大きくゆっくりヴィブラートを効かせるという、美咲にしてはかなりめずらしい歌いかたをしていましたね。

 

ともあれ、若干の不安定感もあった今回の美咲の歌ですが、3曲目「虹をわたって」4「ふたりの海物語」あたりからはグッと安定しまして、聴ける内容になりました。美咲は、ふだんのイベントでも午前中はエンジンが暖まらないし、歌唱イベントでも第二部のほうがいつもできがいいし、ややスロー・スターターなところがあるかもしれないですね。

 

また今回もファルセットの美しさは特筆すべきものでした。美咲のファルセット技巧はかなりすばらしいもので、というかいまの日本の歌手でここまで地声とファルセット声が変わらない、スムースに移行できるという存在は見当たらないですよね。

 

「ふたりの海物語」なんかでもコーラス終わりはすーっと高音部のフレーズに上がりますが、そこでのファルセットが本当に美しく、しかもそれまでのパートを歌っている地声との差がないわけです。これはかなりすごいことですよ。ここまでスムースに、変わらない声で、地声からファルセットに移行できるテクニックを持つ歌手は美咲以外にいないと思います。訓練で身につけたという部分と、生まれついての才能なのかと思える部分もありますね。

 

山野楽器の「どこでも演歌まつり」配信、オンライン・ショップをふくむ山野楽器各店で一枚CDを買えば一枚カードが付属してきて、それに書かれてあるアクセス・キーでのログイン可能回数は三回。でも、一回のログインでもそのままブラウザを閉じなければなんどでもくりかえし楽しめます。

 

「どこでも演歌まつり」の配信は12月25日まで。まだまだ間に合いますよ。

 

(written 2020.11.29)

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