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2020/11/21

音楽のいいも悪いも気分次第(字余り)

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(6 min read)

 

音楽って、一回、二回聴いてピンとこなくても、寝かせておいて、しばらく経ってからもう一回聴いてみたらとてもいいと感じることがよくありますよね。そのときそのときのこっちの気分次第でどうにでも変わるっていうことだってあります。

 

気分次第という面と、それからリスナーである自分の耳の成長といった面もあると思いますね。いろんな音楽を聴いて知らなかった世界を知り、その結果、それまでイマイチだな〜と思っていた音楽が、実はこうこうこういうことだったんだと気がついて、おもしろさがわかるようになったりします。

 

ぼくのばあい、音楽も知らないことだらけですから、毎日どんどん聴いて新たな発見があったりして、それでカッコよくいえば知見を深めるっていうようなことがありますからね、だから聴いて最初つまんないなぁと思っても即断しないように心がけています。しばらく時間が経ってからもう一回聴くとこりゃいいねと感じるっていうことのくりかえしばかりで人生をやってきていますから。

 

どんどん次から次へと聴いているひとのばあいですと、そのへん余裕がないかもといいますか、長時間寝かせておいてしばらく経ってからもう一回聴くとかいうようなチャンスがあまりないのかもしれないですよね。ちょっとわかりませんが、そういったひともいるんじゃないかと推測します。ぼくはただのヒマ人アマチュア趣味音楽リスナーですから、そのへんはまったく自由にふるまえます。

 

時間が経過してからもう一回聴いてみると印象が変わるっていうのは、だから知見が深まって、という面と、そのときそのときの気分とか心理状態でそれぞれ聴こえかたが違ってくるから、だから感想も変わるという面と、両方が作用しているんだなというのがぼくの実感で、気分にムラのないリスナーなら後者の作用はないのかもしれませんが、ぼくはわりと気分屋ですからね。

 

たとえば以前書いたサンバ〜ボサ・ノーヴァ系のアルバム『Eduardo Gudin e Léla Simōes』。これ、ジャケットが最高なんで、それきっかけで聴いてみようと思って最初に接したときはピンとこなかったですからね。二回くらい聴いてフ〜ンと思っただけで、そのまま放ったらかしだったんです。でも、すぐに見捨ててはならないっていう経験則がありますので、ずっと「次聴くもの」というメモには残しておいたんです。あ、ぼくはCD買わないんで、売るとか処分するとかじゃなくて、メモから消すかどうかということだけなんです。メモからデリートすると、もう忘れちゃいますからね。

 

そんなわけで、一、二ヶ月くらい経った八月初頭の真夏の猛暑さなかに『Eduardo Gudin e Léla Simōes』をもう一回聴いてみたんです。そうしたら、季節のせいだったのか、真夏にピッタリ合う音楽だからなのかどうか、こ〜りゃすんばらしい!と感動しちゃいましたから、人間って、いや、ぼくって、わからないですよねえ。

 

この『Eduardo Gudin e Léla Simōes』のばあいは、いろんな音楽を聴いて知見が深まった結果わからなかったものがわかるようになったということではなく、たんに季節とか気分とか、そんな雰囲気だけの変化で違って聴こえるようになったということでしょう。楽しい、美しいと思える音楽がちょっとでも増えたほうが人生楽しいんで、だから「時間をおいて聴きなおす」、これ大切です。即断は禁物ですね。

 

もちろん逆のケースもあって、一聴惚れっていうか、一回パッと聴いてこりゃすごい!と感動してくりかえし聴いていても、ちょっと離れていて時間が経ってからもう一回聴いてみたら、アレッ?こんな音楽だっけ?イマイチだなぁ〜って感じることもあります。ぼくはそんなケースが少ない人間なんですけど、たまにあり。たとえば、うん、ちょっと告白するのは勇気がいりますが、去年夏ごろに熱狂したブダペストのアフロ・グルーヴ・ユニット、アバセ(Àbáse)はいまではちょっぴり物足りないかも。

 

マイルズ・デイヴィスのことだって、『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』『カインド・オヴ・ブルー』『アガルタ』などは一回聴いての一発感動で、いまでもそれが続いていますが、『マイルズ・デイヴィス・アンド・ミルト・ジャクスン』『マイルズ・アヘッド』『キリマンジャロの娘』『イン・ア・サイレント・ウェイ』などがこんなにもすばらしいアルバムだっていうことは、わりと最近になってようやくわかってきたことですからね。

 

特に『キリマンジャロの娘』、いまではこれがマイルズの音楽史上最高傑作だと言いたいほど大好きで、実際頻繁に聴きますが、そうなったのはここ四、五年ほどのことです。はじめて聴いたのが40年近く前ですから、ずいぶん時間がかかりました。1曲目の「フルロン・ブルン」とかラストの「マドモワゼル・メイブリー」なんか、いまでは身震いするほど聴けば感動しますが、数年前までなんだこれ?!っていう感じだったんですからねえ。

 

(written 2020.9.4)

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