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2020/12/31

21世紀のベスト20

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(12 min read)

 

https://open.spotify.com/playlist/1xolB6fHdllwTyjLqfwyAx?si=vmLjnijeQt-nty7dGKzNpA

 

21世紀に入り今年で20年が経過したということで、今世紀のベスト20アルバムというのを選んでみよう、自分のための記録として残しておこう、と思い立ちました。

 

基準は時代を代表しているかということよりも、自分のフィーリングにピッタリ合っているか、聴いていて楽しいか、なんども再生したかということです。

 

したがって、あくまで “ぼく好みの” 21世紀ベスト20。リリース年順に並べました。

 

1)坂田明 / Fisherman’s.com(2001、日本)

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日本民謡をヒップ・ホップ以後の先鋭的なジャズ・ビート感覚でヘヴィなダーク・ファンクに変貌させたという、突出した異形。ほんとうにカッコいいのに、話題にならないのはなぜなのか。Spotifyでグレー・アウトしている曲はYouTubeで探してみてください。
https://open.spotify.com/album/54xWKhuZjQdqGf3N2Awmik?si=zsQHYlg9SPiJEvoEUzOxvQ

 

2)Tinariwen / Amassakoul(2004、トゥアレグ)

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いわゆる砂漠のブルーズ。21世紀の最初の10年(ゼロ年代)はティナリウェンのデケイドだったと言えるんじゃないですか。そんな時代を代表する音楽とぼくの嗜好とがピッタリ合致したのは幸せなことでした。
https://open.spotify.com/album/5FPDGVaIIfWVH79NJoslSe?si=pYbBxC6ITkWma0V6bMtwoQ

 

3)Sona Jobarteh / Fasiya(2011、ガンビア/イギリス)

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ガンビア系ロンドナーのグリオ、ソナ・ジョバーテを知ったのは2018年のこと。曲を書き、コラやギターなど各種弦楽器を弾きながら歌い、バンドのグルーヴィな演奏(特にドラマーがいい)もあいまって、これ以上ないほどの快感をもたらしてくれますね。ほんとうに爽快な音楽で、くりかえし聴きたくなるヤミツキの味です。
https://open.spotify.com/album/7h7MgG54nO4RvaPj01CEX6?si=HaKWa_9GTJ27BBaOgzoP8w

 

4)SakakiMango and Limba Train Sound System / oi!limba(2011、日本)

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これもアフリカン・ルーツの音楽ですが、やっているのは日本人。しかも鹿児島の一地方というローカル・ベースに根差してみごとに発信したという充実作。これぞまさしく “グローカル・ビーツ”。発売当時はすごいすごい!と毎日聴いていました。
https://open.spotify.com/album/1dDbzYEtnQmW5DLEjbitQv?si=whV8U35HRJCKW52u8uFYXQ

 

5)Nina Wirtti / Joana de Tal(2012、ブラジル)

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知ったのは2018年になってから。こんなにもチャーミングでかわいいサンバ・ショーロがあるんだなあって、マジで惚れちゃいました。アルバムも短いので、なんども続けてくりかえし聴ける楽しい音楽。
https://open.spotify.com/album/0Oivkm8f3O3YIIvPEJJr05?si=l-hQvjH_QYSKH-KokD8POw

 

6)Paulo Flores / O País Que Nasceu Meu Pai(2013、アンゴラ)

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2017年に知った(その年になって日本で買えるようになったんだったはず)アンゴラのモダン・センバ。こんなにものすごい音楽があったんだという、21世紀の汎ブラック・ミュージック最高傑作かも。センバを知ったことは、ここ10年ほどの個人的音楽生活クライマックスの一つです。現在Spotifyからなぜか消えています。
https://open.spotify.com/album/6aS5aVX3EKAPieBrDFzLCz?si=g2b0BXrPTpKfLVPSEQZHiw

 

7)HK Présente Les Déserteurs(2014、アルジェリア/フランス)

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アルジェリア・ルーツの在仏音楽家HK(アッシュカー)が、シャンソンの数々をアラブ・アンダルースなシャアビ・スタイルで料理した充実作。つまらないと思うことの多いシャンソンも、こんなふうにやれば本当に楽しくグルーヴィ。
https://open.spotify.com/album/6OlZXEsBuOaKnbCrScwiWt?si=dKr7FiFqT8mPSlRsccca2A

 

8)Dorsaf Hamdani / Barbara Fairouz(2014、チュニジア/フランス)

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2014年暮れの発売でしたので、買ったのは2015年。もういやというほど聴き狂いました。シャンソン(バルバラ)とアラブ歌謡(フェイルーズ)を、斬新なアレンジと歌手の力量で融合させた意欲作。
https://open.spotify.com/album/1GDQ89kQyz1755fry29kVm?si=89sZJlJgRWK-oY3uhumaoA

 

9)Faada Freddy / Gospel Journey(2015、セネガル)

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セネガルの、アフリカの、という枕詞も必要ない、世界に通用する普遍的なポップネスを持つ傑作です。スピリチュアルでダウナーなサウンド・スケープはまさにいまの時代の音楽でしょう。
https://open.spotify.com/album/5yEEGo0p4rgsHsenkDEt0t?si=0qDXw_CsQzidn__3i-vl4w

 

10)Rumer / This Girl’s in Love: A Bacharach & David Songbook(2016、イギリス/アメリカ)

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今年知ったばかりの歌手、ルーマー。このバカラック集は、曲の資質と歌手の資質とぼくの嗜好が完璧に三位一体で一分の隙なく合致した文句なしの一作です。あまりにも美しく、そして音楽的。ルーマーは近年のアメリカーナ・シーンと共振する部分もあるんじゃないでしょうか。
https://open.spotify.com/album/6GCJb3dvt1ioLYCIZNYNYR?si=vPA4XJ5TSg-RuQdRLs6dIg

 

11)Irineu de Almeida e o Oficleide 100 Anos Depois(2016、ブラジル)

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オフィクレイドという失われた低音管楽器の再発見がきっかけで誕生したこのイリニウ・ジ・アルメイダ曲集、21世紀の20年で五作にしぼれ、いや、ベスト1はどれ?と問われても、これを推したいと思うほど。クラシカルなスタイルそのままのショーロでありかつノスタルジーじゃないっていう、30年に一枚レベルの大傑作です。
https://open.spotify.com/album/66VYD6RWN2iY6zrLPyFBSg?si=dbLfOzF3R2CE_Lwn2ct1xQ

 

12)Lệ Quyên / Khúc Tình Xưa - Lam Phương(2016、ヴェトナム)

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(一部で?)熱烈なファンを持つ抒情派ロマンティック・バラード歌手。良作が多いですが、いつもは濃厚かつ重く劇的に歌うレーが、抑制を効かせおだやかに軽くさっぱりした感じで歌った、いまのところの最高傑作と思う2016年のラム・フォン集をあげておきます。
https://open.spotify.com/album/6tU12rqkM74LsmPAm5scy0?si=VXjex_3KRT6NXoVK0RSxFg

 

13)Hiba Tawaji 30(2017、レバノン)

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マライア・キャリーの影響を消化するところから出発し、いまやアラブ世界を代表する実力歌手の一人にまで成長したヒバ・タワジ。技巧先行みたいな側面も薄れ、高度に洗練されたポップスを歌の内容で聴かせる立派な充実作でした。
https://open.spotify.com/album/2bWSCz86y72WFTDN1L18V4?si=bNtYAF7ISUyXafe6EDk7uw

 

14)Iona Fyfe / Away From My Window(2018、スコットランド)

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真摯なフォーク歌手でありながらポップに聴かせる力量もあわせ持ち、時代とも響き合うアイオナ・ファイフのこのデビュー・フル・アルバムは、まるで無垢な宝石みたいな透徹した輝きを放っていました。その後の伸び悩みも今後解消されていくものと期待しています。
https://open.spotify.com/album/324FKjzNz20DnQw2HNzAx8?si=SM2rQFXhQP6prOeWkVu-pw

 

15)坂本冬美 / ENKA III 〜 偲歌(2018、日本)

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2016年から三年連続でリリースされた坂本冬美の『ENKA』シリーズ三作。有名演歌スタンダードの数々を、フィーリンみたいなふわっと軽くクールなアレンジと、エモーションを殺し抑制を効かせたおだやかなヴォーカル表現で料理してみせ、新しい領域を切り拓きました。演歌が廃れた「演歌以後」の時代である2010年代に登場した新感覚演歌、いわばポスト演歌です。
https://open.spotify.com/album/4N1LO6cSf23N1eiYRWcBOY?si=uzaUR2FPTr2MbCmkH0FyEA

 

16)Martinho Da Villa / Bandeira Da Fé(2018、ブラジル)

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ベテラン・サンビスタのマルチーニョにして、この2018年作は新進の気概に満ちたニュー・サンバでした。1曲目からもうぐんぐん引き込まれる斬新な曲構成で、その後もファドふう歌謡サンバがあったかと思うとパーカッシヴなアフロ・ダンス・サンバもあり。背筋が凍りそうな不穏でダークで落ち着かないムードも表現していて、サンバでここまで2010年代的な時代の空気を的確に表現したものってないのでは。
https://open.spotify.com/album/4GpCmApC3QXUoeBguSqrHT?si=KcRAaoYGSq-8CAY9OcDqjg

 

17)Pinhas and Sons / About an Album(2018、イスラエル)

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真のワールド・フュージョン。日本では2020年に知られるようになったばかりですが、この先10年はないだろうという絶大なる衝撃でした。世界中のさまざまな音楽を混淆して意匠を凝らした緻密な難曲を超絶技巧で苦もなくこなしながら、楽しく聴きやすい愉快なポップ・ミュージックに仕立てあげる手腕は圧倒的で、稀有。20年のベスト3に入りますよね。
https://open.spotify.com/album/32yMMRYayASOhFb606XuAl?si=KpMKdZAtT6uril6VuTpZYQ

 

18)Angham / Hala Khasa Gedan(2019、エジプト)

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2018年、19年と立て続けに傑作をリリース、ただいま歌手人生で最も充実した時期を送っているであろう絶頂期アンガーム以上の存在は、いまアラブ圏にいないはず。こんなにも美しくとろける耽美の世界がどこにあるというのでしょう。
https://open.spotify.com/album/05enmrBRGHjSeAzjSvh64M?si=wL_KG9yxSg2h5D8TGNi1VQ

 

19)岩佐美咲 / 美咲めぐり〜第2章〜(2019、日本)

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2017年に出会って以来現在最も愛好する歌手が、2010年代的新感覚派、ポスト演歌の若手旗手、岩佐美咲。なにか琴線に触れる部分があるんです。演歌歌手の常道としてシングル盤中心の活動なので、すぐれた歌唱もシングル表題曲とそのカップリングにありますが、昨年リリースの最新アルバムをあげておきました。Spotifyにあるのはシングル表題曲だけなので、いちおうそれを。
https://open.spotify.com/playlist/3OxWmOFVeufNKmqHV3BTdV?si=F7ij6-edRpCbb5u7iO1BEA

 

20)Immanuel Wilkins / Omega(2020、アメリカ)

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21世紀、特に2010年代以後は、ジャズが再活性化したということが音楽シーンの大きな特徴としてあげられるでしょう。アップ・トゥ・デイトなビート・センス、ソロとインプロヴァイズド・アンサンブルのバランス感などなど、新しい表現が聴かれるようになっています。若手アルト・サックス奏者イマニュエル・ウィルキンスのデビュー作は、そんな新時代の表現法で黒人ならではのパッションをぶつけてみせた傑作でした。
https://open.spotify.com/album/2MxcrtQBHD4YbrPdCJaAY0?si=xx4BLIJyQImgy8n_ZWOLbg

 

〜〜〜

ほかにもシェバ・ジャミラ(アルジェリア)のライヴ、ベイルート(アメリカ)、マレウレウ(日本)、ソーサーダトン(ミャンマー)、ニーナ・ベケール(ブラジル)、ジョアナ・アメンドエイラ(ポルトガル)、ハッサン・ハクムーン(モロッコ)、ゴチャグ・アスカロフ(アゼルバイジャン)、アラトゥルカ・レコーズ(トルコ)など、選びたかった作品がいくつもあり、ずいぶん悩みました。

 

21世紀最初の10年の作品が少ないのは、ログが残っていないからです。1995年からずっと年間ベストテンを選びネットで発表し続けていますが、それを記したもとのテクスト・ファイルは2012年分からしか持っておらず、2005年にmixiをはじめる前のものは、もはや検索もできません。

 

だから、2004年までに愛聴した作品でなにか大切なものを忘れているんじゃないかという気がとてもしますが、思い出すよすががないんですからやむをえないです。

 

さあ、次の20年後まで元気でいられるでしょうか。

 

(written 2020.11.6)

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