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2020/12/06

配信、とひとまとめに言うけれど、ストリーミングとダウンロードをいっしょくたにしないでほしい

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(6 min read)

 

そうなんです、配信とカンタンに言いますけれども、実態はひとつじゃありません。このへん、いまだ世間では誤解されているのか、されていないけれどもたんに雑にまとめられているだけなのか、わかりませんが、ぼくらの音楽生活のありようとはあまりにも大きく食い違っているので、もう一回書いておきたいと思います。

 

音楽配信、と日本語でひとことで言ったばあい、ダウンロードとストリーミングの二形式をふくんでいると思うんですけど、この二つは「ぜんぜん」違うんですよ。まったく別種の世界です、さまざまな意味で。

 

ぼくに言わせりゃ、ダウンロードしてそのファイルで音楽を聴くのは、CDやレコード買うのとさほど違いません。だって定額制じゃないでしょ。一曲いくら、一つのアルバムでいくら、と従量的に値段が変化して、たくさん買えば買うほどお金がかかるじゃないですか。

 

パソコンなりスマホなりのローカル・ストレージにダウンロードしたファイルがたまっていくという点でも、レコードやCDを部屋にコレクトする習癖となんら違いはなしですね。「自分のてもとに音楽を持っておきたい」「所有したい」「自分のものにしたい」という願望の反映でしょう。

 

はたして音楽のようなかたちのないものが「自分のもの」となるのか、音楽を「所有」できるのか、という根源的な疑問はきょう、さておきます。

 

またダウンロードだと音源だけでなくデジタル・ブックレットも付属することが多いので、たんに「聴けりゃいいという、テキスト不要の消費者向け商品」ってことはありませんよね。データやライナーノーツ、写真などがくっついてきます。

 

CDやレコードで買うよりもダウンロードのほうが価格が低めだったりするかもしれませんが、それでもたくさん買えば買うほど総額が上がるという意味では、フィジカルとダウンロードは同質のものですよね。富裕層、とは言いませんが、経済的にそれが可能なみなさん向けの購買形式です。

 

いっぽうストリーミングは音楽を一個づつ「買う」わけじゃありません。定額制で、毎月些少な一定額(たいてい980円程度)さえ払えば、あとは無制限に聴き放題というサービスです。980円ほど払えば、ひと月に何百枚アルバム聴こうがタダなんです。日本でも貧困層が拡大したいまの時代にはありがたいですよね。

 

たとえばレコードでもCDでもダウンロードでも一枚1500円のアルバムを月に10枚買えば1万5000円になりますけど、ストリーミングなら同じ10枚を聴いたって980円なんです。この差はあまりにも大きい。お金のないぼく、いまはひと月八万円程度で暮らさないといけませんから、月に万円単位のお金を音楽に費やすことなど不可能です。

 

てもとに物やファイルをためこまないのもストリーミングの大きな特色で、フィジカルやダウンロードとの違いですね。ぼくはSpotifyユーザーですけれど、アプリを使って音楽を流すだけ、もちろんインターネット接続環境は必要ですけどね、それだって安価だし、場所もとりません。レコードやCDが部屋を占拠する、(ダウンロードした)ファイルがストレージを圧迫するということもありません。

 

物理的占拠や圧迫がない、音質的にCDとさほど変わらない高音質である、些少な定額さえ払えば無制限に音楽を楽しむことができるのでお財布に優しい 〜 これらの点においてストリーミング・サービスはいまのぼくにはもってこいの音楽の聴きかたで、これらの点においてダウンロードとは根本的に異なるものです。

 

ストリーミング・サービスだと、たしかにデータやライナーなどのテキスト類などはまったく付いてきませんから、その点でも付属することが多いダウンロードとは違いますね。それらはネットで調べるしかなくて、そこはちょっとアレですけどね。

 

でも、お金がないんです、貧乏なんですよ、ぼくは。だから月980円のストリーミング・サービス以外に選択肢がないんです。そこをごちゃごちゃ言わないでほしいです。

 

たんに選択肢が増えればみんながハッピーになれるというだけの話で、だから同じ音楽作品をレコード、CD、ダウンロード、ストリーミングの四形式ぜんぶで可能なようにしてもらえれば(ブルー・ノートみたいに)、それでリスナー側は自分の都合に合わせて好きなものを選べばいいんで、それでいいじゃないですか。

 

(written 2020.12.5)

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