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2021/01/28

新幹線っていうこのブラジルのグループ、けっこうおもしろい

1008182941

(4 min read)

 

Shinkansen / Shinkansen

https://open.spotify.com/album/1kMca48ag4R1R7Qf8CGVlh?si=ly2Td74dRG-myVV97T48cw

 

シンカンセンっていう、これはブラジルの音楽グループですけど、トニーニョ・オルタ、ジャキス・モレレンバウム、マルコス・スザーノ、リミーニャの四名で編成されているというまさしくスーパー・グループ。

 

常時活動するというよりもこのアルバム『シンカンセン』(2020)を制作・録音するだけの臨時編成だったのでしょうけど、それにしてもジャケットに漢字で「新幹線」って書いてあるし、そのわりには写っているのがSL機関車っていう、なんかヘンなの。

 

新幹線っていうくらいだから、この四人がそれぞれ日本を訪れたときの印象を土台にアルバムを一つ製作しようとなったのは間違いないんでしょう。なかには2曲目「マコト」、8曲目「サヨナラ・エン・ナリタ」などはっきりした日本への言及だろうと推測できる曲名もあります。

 

がしかし、音楽的にどうか?というと、もちろん日本色などはなく、ブラジルのコンテンポラリーなインストルメンタルMPBであるっていう内容ですね。サンバやボサ・ノーヴァが基調になっていたりしますけど、なかにはアメリカ合衆国の西海岸フュージョンを思わせる曲があったり(ブランフォード・マルサリス参加の2曲目)、ジャジーなテイストだって強く香っています。

 

1曲目の「シンカンセン」はトニーニョの曲。爽快なミナスふうメロディで、ビートが入ってきてからはノリのいいMPBになりますね。聴きやすくてとてもいいです。ちょっとサンバっぽいフィーリングがありますかね。LAフュージョンな2曲目(でもちょっぴりサンバっぽいリズム)を経て、3曲目以後、ピアノで坂本龍一が参加したり、トランペットとフリューゲル・ホーンでジェシ・サドッキが参加したりなどしながら、いかにも現代的なブラジリアン・サウンドをつくりあげていますよね。

 

音楽の地域差も大きいブラジルですけれども、このアルバムではそれを感じさせない普遍性を表現しているように思います。5曲目「Mr. デズモンド・サンバ」のこの曲題はひょっとしてポール・デズモンドを意識したものなんでしょうか。音楽的にはあまり関係ないみたいですけど。マルコスのパンデイロが心地いいですね。

 

と思って聴いていると、6曲目でちょっと驚きます。「マラカトゥーズデイ」という、この Maracatu と英語の Tuesday をかけあわせた曲名で暗示されていますように、マラカトゥのリズムを土台にしたちょっと神秘的なナンバーなんですね。マラカトゥはペルナンブーコ州の伝統音楽。アルバム中この曲だけローカル色があるかも。

 

その後はまた汎ブラジル的なMPB路線に戻っているなと聴いていたら、10曲目「クレイジー・ラガ・コンビネイション」でふたたびオッ!となります。ロー・ファイな音像処理も施されたこれは、まったくかのラテン・プレイボーイズ(アメリカ合衆国、ロス・ロボスの別働隊)そのまんまな一曲。

 

ちょっとポップかつファンキーで野太いノリを持つ11曲目を経て、ラスト12曲目「アフリカン・パーティ」は曲名どおり鮮明なアフロ・ブラジリアン・ミュージックで、パーカッションのマルコスが八面六臂の大活躍。やや北東部っぽいかもと思います。

 

(written 2020.12.7)

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