« 快感度数の高いジャズ・ボッサ 〜 ジョアン・ドナート | トップページ | むかしのコンパイラーたちはどうやっていたんだろう? »

2021/03/31

カセットでどんどんコンピをつくっていたあのころ

Defa808ef9a04f4181a8ae03ade48b7a

(9 min read)

 

プライヴェイト・コンピレイションをフィジカルでいちばんどんどんつくっていたのは、部屋のなかの風景を憶えているから間違いありませんが、1988〜94年あたりです。もちろん当時はカセットテープでつくるんですけど、95年に新築のマンションを買って引っ越すとき、たぶん50本以上ありました。引っ越してなぜかやめちゃいましたけど。

 

記憶ではコンピ・カセットをつくったいちばん最初は、高校二年生のときにとなりの高知県に住む同級の女性ペンパル(死語)に贈るため、レッド・ツェッペリンのベストをつくったことでした。あのとき、ラジカセをステレオ・スピーカーの前に置いて、空中で音を拾ったんですよ。笑い話ですが、それしかやりかたがわかりませんでした。

 

高三からジャズにハマりだしどんどんレコードを買ってはカセットにダビングする(のはステレオ・セットのない自室で聴きたいがため、今度はもちろんケーブルでつないで)という毎日が到来しましたが、言うまでもなくカセットの片面収録可能時間のほうがレコードの片面よりも長いものを使わないといけないわけです。

 

するとですね、ばあいによってはテープがすこし or かなり余ってしまうことになって、そのテープの残り空き時間がもったいないかもと感じたはじめたぼくは、レコード片面をダビングし終わったおしりにちょこっとほかのレコードからの一曲、二曲を入れて埋め合わせをするようになりました。

 

思えばこれがアルバム志向ではない曲単位志向であるぼくの音楽趣味のはじまりだったかもしれません。1980年前後。だんだんと、こっちのアルバムのこの曲の次に続けてあっちのアルバムのこの曲が流れてきたらおもしろいかもしれないなとか、そんな流れを考えはじめるようになったんでしょう、いつのまにかそんなことを行動に移すようになりました。

 

ラジオ番組の影響もあります。アルバム片面か 一枚ぜんぶを通してかけるFM番組もあるにはありましたがかなり例外的なことで、ほとんどの音楽番組は曲単位でとりまぜていろんなのがどんどん流れるわけです。個人的にはDJのおしゃべりはジャマだと思っていて、音楽だけどんどん流せ!と思っていましたが、そういう番組は少なかったです。

 

でも少しだけあるにはあって、特に大学院に進学してから聴きはじめたFM東京毎週土曜深夜27時からの一時間番組『FMトランスミッション・バリケード』がほんとうにおもしろくって。あの番組はしゃべりがまったくなかったんですね。

 

最初に番組名だけ言うといきなり音楽が鳴りはじめそのまま30分。そこでスポンサー名だけひとこと言ってCMなしでまた30分ノン・ストップ。最後にその日の選曲者と曲名・音楽家名を言うだけ。

 

ファンク、ロック、ニュー・ウェイヴ、ジャズ、レゲエ、ヒップ・ホップ、ブラジル、サルサ、アフリカ、ラテンなど、縦横無尽で斬新な選曲で流れていました。ノン・ストップ・ミックスで。

 

キング・サニー・アデを知った(衝撃だった、背筋に電流が走った)番組だったのでいまだに忘れられないんですが、その『FMトランスミッション・バリケード』を片面60分カセットに録音して、楽しかった回は翌日以後もくりかえし聴くようになりました。そのテープがたまっていったんですけど、これがぼくのマイ・コンピ・カセット、つまりミックス・カセットですね、作成習慣の直接のきっかけだったかもしれません。

 

あのころはまだ持っているレコードやCDの数もさほど多くなくて、だからだいたい把握していましたよねえ、そんなことでこっちのこの曲に続けてあっちのあの曲を、とか、コンピレイション作成的な、DJっぽい発想が浮かびやすかったんじゃないかと思いますが、どんどんやりはじめたその最初のころのことはもう忘れてしまいました。

 

外観をきれいに仕上げることにこだわるタイプなので、コンビニとかで買ったカセット付属の紙は使わずに、別売りの、色のついたきれいな、そう、当時はカセットで音楽を聴く習慣の全盛期でしたから、アルバム名や曲名を書くカラフルな紙がたくさん売ってあったんですよ、それを買って使っていました。文字は最初タイプライター、その後ワープロ機で印刷していました。手書きは(ヘタなので)イヤでした。

 

問題は選曲ですよねえ。思いつくまま並べても、カセット片面の時間の長さ、はいろいろでしたけど最長でも60分ですからその範囲内におさまるように計算しないといけません。メモ用紙みたいなのに曲名と一曲ごとの時間を書き出して、それで手動で計算するんですよね。長すぎてはみ出しちゃダメだけど、短すぎてもおもしろくないっていう。

 

いちおう流れというか、ジャズの次にロックが来てその次にアフリカが来てファンクになっても違和感ないように、聴いて楽しいように、曲とその流れを考慮しなくちゃいけません。それをああでもないこうでもないとあれこれ選んだり並び替えたりしている時間が、そりゃあもう楽しかったんです。いまならさしづめ、SpotifyやApple Musicでプレイリストをつくる楽しみに相当しますよね。それをぼくは1988年ごろからやっていたんです。

 

どんどんつくってどんどんカセットがたまり、毎日のようにそれを自分で聴いては楽しんでいました。ほんとうに至福の時間だったんですけど、1995年に引っ越す際にレコード・プレイヤーを処分しちゃったんですよね。もうこれからはCDの時代だ、なんでもぜんぶCDになるんだと思って。

 

それもあってか、引っ越してからマイ・コンピ・カセットを作成しなくなりました。再開するのはパソコンのiTunesアプリが登場して、CDからどんどんインポートするようになってから。iTunesだとプレイリスト作成が実にカンタンなんですよねえ、あまりにもカンタンすぎて、アホみたいにあっけないほどで、CD-Rに焼くことができるようになってからは、ふたたびコンピレイションを、今度はCD-Rで作成するようになりました。

 

CDだと約79分。カセット(やレコード)みたいにA面B面っていうのがなくなったから、その分構成を考える必要がなくなってラクにはなったんですけど、同時に楽しみもちょっと減ってしまったかもしれません。中村とうようさんもそんなふうに言っていたことがあったかと思います。

 

個人的にはもはやCD-Rに焼くこともしなくなりました。パソコンからそのまま(無線で)アンプに接続するようになってからは、ストレージ内のファイルをちゃんとしたオーディオ装置で聴くことができるようになりましたので、CDに焼かなくてよくなったからです。

 

さらに2021年現在ではもっぱらSpotifyしか使ってなくて、100%近くSpotifyでしか音楽を聴かなくなりましたけど、Spotifyもプレイリストをつくるのはやっぱり実にイージー&カジュアルなんですよね。

 

だからどんどん、ほぼ毎日のようにSpotifyでプレイリストを作成するようになって、現在ぼくの自作Spotifyプレイリストはたぶん300個以上あるんじゃないですか。コンピレイションというかミックス、プレイリストをつくる、それを聴く、というのはほんとうに楽しいんですよね。そんなことをぼくは1988年ごろからずっとやっています。

 

(written 2021.1.19)

« 快感度数の高いジャズ・ボッサ 〜 ジョアン・ドナート | トップページ | むかしのコンパイラーたちはどうやっていたんだろう? »

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 快感度数の高いジャズ・ボッサ 〜 ジョアン・ドナート | トップページ | むかしのコンパイラーたちはどうやっていたんだろう? »

フォト
2021年12月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ