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2021/04/23

非西洋圏のモスト・フェイヴァリット 9

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(8 min read)

 

・Carmen Miranda / Imperatriz do Samba(ブラジル、1930s)
・Fairuz / Immortal Songs(レバノン、1950s)
・Saloma / Dendang Saloma(シンガポール、1950s〜60s)
・Elvy Sukaesih / The Dangdut Queen(インドネシア、1970s〜80s)
・鄧麗君 / 淡淡幽情(香港、1983)
・Nusrat Fateh Ali Khan / Live at WOMAD 1985(パキスタン、1985)
・Orchestre National de Barbès / En Concert(マグレブ / フランス、1996)
・Paulo Flores / O País Que Nasceu Meu Pai(アンゴラ、2013)
・Irineu de Almeida e o Oficleide 100 Anos Depois(ブラジル、2016)

 

(カッコ内に記した録音年代順に並べました)

 

なんだか、非英語圏オール・タイム・ベストだとか非西欧フェイヴァリットだとか、そんな音楽リストを書くのがここ数日ちょっとだけTwitterで流行っているような気がします。真似してぼくもやってみました。

 

「非西洋」としたのは、要するにアメリカ、イギリス、ヨーロッパなど世界のメイジャーな音楽産業の外にある音楽というくくりです。日本語母語話者なので日本の音楽も外しました。

 

ベストテンじゃなく9にしたのは、ひとえに上掲画像のように正方形にタイルしたかったから。それだけ。

 

しかしこのセレクションは悩みました。選べなかったもののなかに後ろ髪引かれる音楽家やアルバムがたくさんあり。ほんとうに大好きでよく聴くものだけに限定したわけですが、それでもねえ。同じ国・地域があまり重ならないようにとは配慮しましたけれども、ブラジルが二つになりました。

 

それでもいちおうぼくの非西洋圏音楽についての嗜好というか趣味みたいなものはだいたい漏れなく入れることができたんじゃないかという気がします。だからぼくのワールド・ミュージックの聴きかたはほぼこんなもんです。もっともそれ以上にアメリカン・ブラック・ミュージック好きなんですけれどもね。

 

きょうはそれぞれの紹介項にSpotifyリンクを貼りませんでした。聴けないものが多いからです。それら、CDだっていまや入手がややむずかしいのかもしれませんが、う〜ん、ちょっとなんとかならないのかなあ。テレサ、ヌスラット、ONB、イリニウ・ジ・アルメイダはサブスクにあります。

 

以下、カッコ内の数字はCDリリース年。カルメン、サローマ、エルフィのは日本独自編集盤。それら以外は本国盤を買いました。

 

・カルメン・ミランダ『サンバの女王』(ブラジル、2002)

 アメリカ合衆国に渡ってからも活躍したカルメンですけど、その前、1930年代のこの歌手の飛翔ぶりに匹敵できる歌手が、はたして古今東西どれだけいるでしょうか。技巧も超絶的に最高だけど、それをそうと感じさせない自然なチャーミングさを発揮しているのが驚異。ラテン好きというぼくの資質をこれで。

 

・フェイルーズ『イモータル・ソングズ』(レバノン、1993)

 大好きなアラブ歌謡をフェイルーズで代表させておきます。といってもフェイルーズのばあいウム・クルスームなどのいかにもなアラブ古典系ではなく、ラハバーニ兄弟のプロデュースのもと、モダンなポップスを展開したわけですけどね。炎の情熱をシルクのなめらかさで表現できた稀有な才能でした。

 

・サローマ『ポリネシア・マンボ~南海の国際都市歌謡』(シンガポール、2013)

 マレイシアの歌手ですけれど、このアルバムに収録された音楽を録音した時期のサローマはシンガポールで活躍していて、まだマレイシア樹立前のことです。国際的に洗練されたコスモポリタン・ミュージックで、ジャジーなラテンふうポップスが多いのも好きですね。

 

・エルフィ・スカエシ『ザ・ダンドゥット・クイーン』(インドネシア、2005)

 ダンドゥットは下層庶民歌謡の代表格。だからエルフィも濃厚に妖艶でお色気ムンムン。このアルバムに収録されているプルナマ・レーベル時代は彼女の全盛期でした。同国のクロンチョン歌手ヘティ・クース・エンダンに通じるようなサッパリしたナチュラル風味をも発揮することがあり。魅力をふりまくエルフィにはヤミツキになるパワーがあります。

 

・鄧麗君『淡淡幽情』(香港、1983)

 日本でもテレサ・テン名でおなじみ。台湾生まれ、東アジア全域で大活躍しました。中国語で歌ったこの最高傑作(香港盤がオリジナル)は、近年ぼくがいだきつつある<歌手とはどういうものなのか>の理想型にあるともいえ、自然体で、おだやかな菩薩のように聴き手を優しく抱擁するそのヴォーカルは、実はとんでもないスゴミに満ちています。

 

・ヌスラット・ファテ・アリ・ハーン『ライヴ・アット・ウォマド 1985』(パキスタン、2019)

 いっぽうで、強く声を張りぐりぐりコブシをまわすハガネのように強靭な咆哮系ヴォーカルも大好きなぼく。そんな趣味を、ヌスラットの、このひょっとしたら最高傑作ライヴと言えるかもしれないもので代表させます。サリフ・ケイタとかユッスー・ンドゥールとか、あるいはアマリア・ロドリゲスなんかもこれで。

 

・オルケストル・ナシオナル・ドゥ・バルベス『アン・コンセール』(マグレブ/フランス、1997)

 ライ、シャアビ、グナーワなどひっくるめた汎マグレブなミクスチャー音楽ですね。マグレブとはモロッコ、アルジェリア、チュニジアなど北アフリカ地域のこと。ライヴでもりあがるこの熱の高さは異様。ONBのこのアルバムとの出会いは、ぼくのアラブ系音楽好きの素地をつくったもの。バンドの演奏はジャズ・フュージョン系の熟練テクニックでもありますね。

 

・パウロ・フローレス『オ・パイス・ケ・ナスシウ・メウ・パイ』(アンゴラ、2013)

 ブラック・ミュージックをやっぱり一つは入れておかないと。これがきっかけでアンゴラのセンバにすっかりハマってしまいましたが、ある意味21世紀の汎世界的ブラック・ミュージック集大成みたいなアルバムかもしれません。グルーヴィで、哀しく、美しい音楽。

 

・『イリニウ・ジ・アルメイダ・エ・オ・オフィクレイド・100・アノス・ジポイス』(ブラジル、2016)

 ジャズがきょうのくくりからは外れるため、インストルメンタル・ミュージック好きという嗜好をこれで。でもショーロはジャズより長い歴史がある音楽なんですよ。かけっぱなしにして部屋のなかでずっと流していて快適、BGMにしてよし聴き込んでよし。30年に一作レベルの傑作です。

 

(written 2021.4.21)

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