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2021/04/30

美人すぎる演歌歌手?

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(6 min read)

 

数日前、ぼくも好きな演歌歌手の丘みどりが結婚・妊娠したというニュースが話題になっていました。年末のNHK『紅白歌合戦』(の是非はともかく)にだってなんども出場している歌手ですし、ファンの一部からは悲鳴があがったかもしれませんが、喜ばしいことです。

 

しかし、そのニュースを伝えた際の記事題がこうなっていたんですね↓

・紅白出場 美人すぎる演歌歌手・丘みどりが結婚「第一子出産」へ
https://news.yahoo.co.jp/articles/bf29183a3fa85e361cc358972d60e021260d599f

 

「紅白出場」は実績だから言えばいいと思います。問題はやっぱり「美人すぎる」という見出しのフレーズですよ。たんに美人演歌歌手でいいのに、「美人すぎる」という表現をしてしまうあたりにこの記者のルッキズム(外見至上主義)が全開になっているのを読みとることができて、かなりイヤな気分になりました。

 

ジェンダー問題に関連しルッキズムやセクシズムがこれだけ問題視されている昨今、芸能やスポーツ関係のマスコミはいまだにこんなていたらくなのかとあきれて声も出なかったといったのが正直なところ。

 

歌手としての歌の力量と容貌の美醜とはなんの関係もないでしょうに。

 

実を言うと、世のマスコミ界隈では「美人すぎる」があふれかえっています。「美人すぎる市議」「美人すぎるリポーター」「美人すぎる海女」「美人すぎる広報」「美人すぎるバス車掌」「美人すぎる獣医」「美人すぎる小説家」「美人すぎる首相」「美人すぎるバイオリニスト」、、、いや、もうキリがありません。「美人すぎる」でちょっとネット検索してみてください。

 

それら、すべて本業の仕事の成果でニュース・ヴァリューを判断されているんじゃないんですよ。たんに女性の、その見た目の、美しさだけで、うんぬんされているわけです。

 

モデルとか俳優とかであれば、ルックスが意味を持ってくることを理解できます(もちろんきれいで痩せているということだけが価値じゃない)。でもアスリート、政治家、歌手などのばあいにもそれを強調されるというのはどういうわけなんですか?仕事の能力と関係ないじゃないですか。

 

アスリートなら競技能力、政治家なら行政手腕や政策、歌手なら声やヴォーカルの力量で判断されるべきじゃないんですか?

 

しかもこうしたことは女性のばあいにのみ起こることがらなんですよね。

 

こういうのって完璧なる女性蔑視、差別主義です。男性は仕事ができるかできないかで、その職務内容や人柄で評価されるのに、女性のばあいだけなぜかそうじゃなくてルックスの美醜で判断されるっていう理不尽。あえてルックスも仕事の一部であるとまでいわんばかりの勢いじゃないですか。

 

アナウンサー業界だって、女性は20代のころがいちばん忙しく、加齢とともに仕事が減っていくそうですが、おかしいでしょう。仕事であるアナウンスの技術はむしろ上がっているはずなのにねえ。テレビ画面などに映る顔だけが重視されている証拠です。そもそも美人でないと新人採用すらされないとか。おかしいでしょう、しゃべりの技量で決めればいいのに。

 

結婚した丘みどりのばあいも、それをニュースにするならその歌手としての実力や業績で人物やキャリアを紹介すればよかったんじゃないんですか。それがみどりの本来の仕事なんですから。やっぱりなにをやっているか、やってきたか、どれほどの仕事の実力の持ち主かに言及されるべきでしょう。

 

それなのに、女性のばあいだけ外見や愛嬌などが取り沙汰されるのには、とてもとても強い違和感をおぼえます。女性差別以外のなにものでもないなと。美人すぎるという紹介では、歌手としてみどりがどうすぐれている、どんな魅力の持ち主か、なにも伝わってこないです。

 

「美人」だとか「ママさん」などと言う前に、まずひとりの職業人としてその仕事内容やその力量をちゃんと認め評価してほしいなと強く強く思います。もちろん歌手などはテレビ番組やライヴ・ステージやCDジャケットなどでその容貌がひとまえに出る機会がとても多いし、そこがいいと感じるファンも一部にはいるだろうことは知っています(歌を聴けよ、とは思うけど)。

 

でもそこには、みどりがそれまで歌手として成功するためにどれだけの努力を重ねてきたのかというキャリアや事実は無視されたままなんですよね。みどりがどれだけすばらしい歌を歌えるかということもまったく伝わりません。それこそがいちばん大切なことのはずなのに。

 

もうそろそろ「美人すぎる」との表現で女性を紹介するのは終わりにしてほしい。たとえとてもすばらしい美人であったとしてもです。あくまでなにをやっているか、仕事がどれだけできるのかといった実力や業績を伝えてほしい。歌手なら(外見ではなく)歌唱のすばらしさを言うべきです。

 

若手演歌歌手なら杜このみでも丘みどりでも岩佐美咲でも中澤卓也でも、歌がすばらしいと思うからこそぼくはCD買ったり有料配信聴いたりして応援しているのであって、ルックスがきれい、かわいい(からステキ?)みたいな部分には重きを置いていないです。

 

顔の美醜より、喉、声、歌!これに尽きます。

 

(written 2021.4.29)

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