フレンチ・カリブの古層から 〜 デデ・サン・プリ
(2 min read)
DéDé Saint Prix / Koktel Chouval Bwa
https://open.spotify.com/album/4tAOeohypZiXLFjKei4HYE?si=fOw0lb43SLeJnz-Vhrt30Q
bunboniさんに教えてもらいました。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2020-11-27
マルチニークのデデ・サン・プリ(DéDé Saint Prix)、2020年の新作『Koktel Chouval Bwa』も傑作ですよね。トゥバドゥもシュヴァル・ブワもなにひとつとして知りませんが、聴いて楽しいカリビアン・ミュージックだなというのは、そんなぼくでも感じることができます。
特にリズムがいいですよね。9曲目に「カレンダ」と題された曲がありますが、まさにフレンチ・カリブ音楽の古層から掘り起こされたビート感が、現代にイキイキと息づいているのを聴きとることができます。
デデの目論見としてはカリビアン・ルーツ・ミュージックへの旅とその再発見ということがあったと思うんですが、たんなる伝統音楽に終わらず、21世紀の現代的感覚をもそこに感じとれるニュー・ミュージックに仕立て上げているのはさすがです。生音中心のパーカッシヴなアンサンブルには、ヒップ・ホップ感覚すら宿っているかのようですよ。
決してノスタルジーに終始することなく、フレンチ・カリビアン・ミュージックの原点希求に根ざした上での現代感覚を表現しているあたりが個人的にはこのアルバムのキモで、そうでなくちゃ2020年に新作をリリースする意味はありませんからね。カリブのクレオール・ルーツをめぐる音楽の旅は、いろんな可能性をふりまきながら、未来へと続くのでした。
(written 2021.2.13)
« 曲はみんなの共有財産 〜 他人の歌・自分の歌 | トップページ | そんなに演歌やJ-POPを聴いているんだっけ »
「音楽(その他)」カテゴリの記事
- ちょっとラテン・ジャジーなシルビア・ペレス・クルース〜『En La Imaginación』(2022.08.14)
- おだやかあっさり薄味の 〜 オマーラ・ポルトゥオンド(2022.07.12)
- 不思議とクセになる官能 〜 ラスミー(2022.06.27)
- カァ〜ッコいい!〜 ヨアン・ル・フェラン(2022.06.23)
- ンゴニ・アンサンブルがカッコよすぎ 〜 バセク・クヤテ(2022.06.05)
« 曲はみんなの共有財産 〜 他人の歌・自分の歌 | トップページ | そんなに演歌やJ-POPを聴いているんだっけ »
コメント