くりかえし聴きたくなるさわやかサルサ 〜 リトル・ジョニー・リベーロ
(2 min read)
Little Johnny Rivero / Golpe Duro
https://open.spotify.com/album/1fVsuOBEkifWiTDhSbxhor?si=9yCKxoHuR46bRiwk4_Qy0g
プエルト・リカン・サルサの名門ソノーラ・ポンセ―ニャで活躍し、近年はエディ・パルミエリ楽団に在籍する打楽器奏者、コンゲーロ、リトル・ジョニー・リベーロ。その新作リーダー・アルバム『Golpe Duro』(2020)は、アンソニー・アルモンテのヴォーカルをフィーチャーしたもの。評判いいみたいですよね。
アンソニー・アルモンテはこれが初レコーディングだそうで、まだ新人なのかな、よく知りませんが、でもなかなかの実力者だとわかります。ちょっと調べてみたら、若手ながらジョニー・パチェーコ、デイブ・バレンティンといったひとたちを支える目下売り出し中といった存在だそう。本作でも勢いのある喉を聴かせています。
そんで、サルサってだいたい重心が低い音楽じゃないかとぼくは常々感じるんですけれども、リトル・ジョニーの今作は軽やかな南洋カリブ風味が一種の持ち味とも言えます。とか言うと総スカンをくらうか、カリビアン・ミュージックなんだからあたりまえだろうと鼻で笑われるか、どっちかだろうとは思います。
でも一般的なサルサ・ミュージックで特徴的な、跳ねるというよりひきずるようなリズムの粘り、重さ、などよりも、今作ではやや軽快な味が目立っているなという印象があるんですよね。特に、だれが弾いているのかトレスのこのサウンドに、重さ・粘り気よりも軽やかさを感じます。リトル・ジョニーのコンガもそれに一役買っているかな。
リズムのノリだけでなく、ホーン・アレンジなんかでもそんな軽妙さがまさっているようにぼくには聴こえ、サルサ・ミュージックとしてはなかなか得がたいさわやか風味をかもしだしているなと、ぼくには感じられますね。
サルサってそんな続けてどんどん聴く気になれないっていうか、一つ聴いたら次は軽い音楽を、となることが多いにもかかわらず、リトル・ジョニーの今作はもう一回とリピートしたくなるっていう、そんないい音楽です。
(written 2021.3.20)
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