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2021/09/30

「会いに行ける」から「時間を共有する」へ 〜 転換点に立つアイドル・ビジネス

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(7 min read)

 

コロナ禍はあらゆる舞台芸能・芸術やイベント、コンサートなどの様相を一変させました。

 

いまは開催そのものがむずかしいだけでなく、出演者とファンとの交流も以前のようにはできなくなりましたし、「会いに行ける」を掲げるアイドルたちにとって、その制約はいっそう大きなものとなったと言えます。

 

わさみんこと岩佐美咲関係もそうなんですけど、元アイドル業界だって、2020年初春以来のコロナ時代になって、すっかり様変わりしてしまったような印象がありますね。特にAKB系とか坂道系とかの秋元康プロデュース界隈はそう。

 

それらは2005年のAKB48発足以来「会いに行ける」ということを最大の看板コンセプトにしていて、もともと歌手とか音楽家とかの芸のひとは、ぼくら一般人は近寄ることもできない、会っておしゃべりすることなんかもってのほかという、異能・異界の人間であるという、そんな常識をくつがえして一世を風靡したわけです。

 

卑近な日常性がモットーというか、有り体にいえば握手券つきCDさえ買えば、握手会とか各種イベント、コンサートの後とかに、一対一で近寄って手を握り目を見つめながらちょっとのあいだおしゃべりできるという、オタク界隈でいうところの<接触>でもってファンを惹きつけてきた商法があったわけです。それでもってCDも売ってきました。

 

そんなこんなが、コロナ禍でいっさい消し飛んでしまいました。オンライン・イベントに移行したわけです。実際にリアルで間近に顔を見て握手しながらおしゃべりする代わりに、ネット画面越しにそれをやるようになりました。いまはどんな(元)アイドルもそうやって営業しているんじゃないでしょうか。

 

これがですね、「さびしい」「むなしい」「会いたい」といったたぐいの声をかなり多く生むようになっているんですが、そうはいってもこの状況ですからね、なかなかリアル対面イベントなどはあと二年程度実施できないんじゃないでしょうか。すべてがオンラインで、画面越しで、ということに現状なっています。

 

そして、地方在住者であるとか、あるいは経済的弱者であるとか、そのダブル・バインドだとかで、現場イベントになかなか参加できなかったファン(オタク界隈でいうところの「在宅」系)にとっては、オンラインなら容易に参加できやすいという状況をつくりだすことになっているので、これは一概につらいとだけとは言えないのですよ。

 

わさみん関係だって、ネットでどんどんおしゃべり会だの歌唱イベント系だのサイン会だの、開催するようになっていますが、それら、もともとコロナ時代以前はその現場に駆けつけないと見ることすらかなわなかったものです。

 

わさみん関係のそういったイベントはだいたい東京とか首都圏でしか開催されませんから、そのエリアに住んでいるファンにはよかったでしょうが、ぼくら地方民はいつもいつも悔しい思いをしていたんです。

 

それでもぼくも金銭的に余裕のあった2019年には首都圏開催のわさみん歌唱イベントなどに、わざわざ飛行機に乗ってホテルもとって、なんども参加していたわけですけれども、貧困にあえぐいまとなってはそんなことも不可能になってしまいました。

 

潤沢な資金がないと、ファンはわさみんの現場開催イベント、コンサートなどに参加できない 〜〜 これは厳然たる事実でした(首都圏民を除く)。地方民にとってはお金がすべてだったんです。あるいは家族がいるとか子どもがまだ小さいとかで、地方から駆けつけられないファンだっているんじゃないでしょうか。

 

そんな地理的 or / and 経済的束縛にがんじがらめになっているファンにとっては、些少額のチケット購入で、あるいは無料で、参加できるオンライン・イベントの開催は、実はとってもうれしいことなんですよね。インターネットを利用したものであれば、全国どこに住んでいてもパソコンやスマホさえあれば参加できて、わさみんに(画面越しにとはいえ)会っておしゃべりすることができます。歌も聴けます。

 

元アイドル界にいたタレントのなかではわさみんのことしかぼくは知りませんが、秋元康系アイドルの世界では、たぶん全員が似たような事情を、コロナ時代以後、かかえているだろうと容易に推測できますね。

 

そう、コロナ禍はキツいことなんですけど、現場リアル参加型からオンライン参加型への移行をうながしたことで、かえって(それまであきらめていた)地方在住のファンにとっては、実際に楽しめる、顔を見られる、おしゃべりもできる、生歌が聴ける、というチャンスが生まれたということで、実はコロナ禍が僥倖だったという面だってあるのです。

 

上で書きましたように、現行の日本の(元)アイドル産業は秋元康が2005年にはじめてすっかりそのビジネス・スタイルを定着させたものですけれど、コロナ時代以後は「会いに行ける」から「時間を共有する」という手法へ変化したと思います。いま、この業界は大きな転換点に立っているのです。

 

というわけですから、今後とも、コロナ禍が収束してのちも、100%従来モデルに戻ってしまわずに、引き続きオンラインでのお話し会やライヴ配信の充実もお願いしたいと思います。ぼくみたいに地方在住&貧乏というダブル・バインドな人間にとっては、それしかないんですから。それで応援していきますから。

 

(written 2021.9.25)

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