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2021/10/15

いままでのところ今年のブルーズ新作ではいちばん 〜 セルウィン・バーチウッド

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(4 min read)

 

Selwyn Birchwood / Living In A Burning House

https://open.spotify.com/album/1eBYbklgOrUS8hYho7rPXj?si=cJcaspEQTwimO7YR0l--5A&dl_branch=1

 

萩原健太さんのブログで知りました。
https://kenta45rpm.com/2021/02/02/living-in-a-burning-house-selwyn-birchwood/

 

アメリカのブルーズ・ミュージシャン、セルウィン・バーチウッド(ヴォーカル、ギター)。地道に活動を続けながら自主制作で二枚のCDをリリース。そしてメンフィスで毎年行われている「インターナショナル・ブルーズ・チャレンジ」のバンド部門で2013年に優勝し、それをきっかけに名門アリゲイター・レコーズからデビューを飾ったという人物です。

 

その新作『リヴィング・イン・ア・バーニング・ハウス』(2021)もアリゲイターからのリリースで、バディ・ガイやクリストーン・キングフィッシュ・イングラムらのアルバムも手がけるトム・ハムブリッジのプロデュース。バンドはセルウィン自身のカルテット(ドラムス、ベース、バリトン・サックス)が軸になっているみたいです。

 

こういった音楽は、2021年ともなればもはや時代遅れっていうか、現代性へのレレヴァンスなんかはないわけですけれども、楽しいものは楽しい、好きなものは好きっていう自分の音楽趣味を前面に押し出してふだんから聴き書いているんで、それでいいじゃないですか。グッド・オールド・ブルーズ、ぼくにはいまでも魅力的です。

 

セルウィン独自の持ち味は、バンドにバリトン・サックス奏者がいることでしょう。ブルーズ・バンドではあまりないと思うんですけれど、ずっと前からレギュラーで使い続けているそうです。自身はラップ・スティール・ギターを弾くこともありますから、それ+バリサク+ベース+ドラムス、ってなかなか聴かないサウンドですよね。

 

今回は通常の六弦エレキ・ギター+ラップ・スティールのオーヴァー・ダビングでダブル・リフをかましてみせていたり、そこにキレッキレ、ばっきばきのバリサクをからませたり、バリサクはソロを吹く曲もあるし、さらに曲によってはキーボード奏者も参加しているみたいで、ぐっとスリリングにグレード・アップ。あの手この手でソリッドかつファットにキメていて、なかなか痛快です。

 

ソニー・ローズの伝統を受け継ぎつつグッとラウドに、ハードにブギするラップ・スティール・ブルーズあり、六弦エレキ・ギターでちゃきちゃきファンキーにぶちかますブルーズ・ロックあり、泣きのルイジアナ・ソウルふうスロー・ブルーズあり、ダーティなスワンプ・ブギありで、今年のブルーズ新作では出色の出来です。

 

ハードでファンキーな曲もいいんですけれども、個人的にこのアルバムでいちばん胸に迫ってきたのは8曲目のバラード「ワン・モア・タイム」。上で泣きのルイジアナ・ソウルふうスロー・ブルーズと書いたやつです。曲もよくできているし、歌詞は切な系だけど、ハチロクのソウルフルなスロー・グルーヴがぼくには心地よく、セルウィンの声質と曲調がピッタリ合っているような気がします。間奏でバリサク・ソロが出てきた刹那、涙ちょちょ切れます。

 

(written 2021.6.16)

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