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2021/10/13

ノーブルなアルト・ヴォイスにすっかり骨抜き 〜 ルーマー

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(4 min read)

 

Rumer / B Sides & Rarities

https://open.spotify.com/album/6a6Wd5EK9LsIznvikHvluV?si=yerdfbf-Trum9ec391_U1g&dl_branch=1

 

前からくりかえしていますが、もうすっかりトリコになってしまった歌手、ルーマー(イギリス/アメリカ)。なにを聴いてもすばらしいと思え、よくないもの、欠点なんかどこにもないように感じてしまうっていうのは、惚れちゃったんでしょうか。いままでに四作、このブログでも書いてきました。

 

きょうもまた一つ、『B-サイズ&レアリティーズ』(2015)の話をしたいと思います。こんなタイトルですから、それまでのルーマーのシングルB面曲とかレア・トラックなどを集めて聴きやすくしたっていうコンピレイションなんでしょう。アルバム未収録曲集ということかな。

 

しかしこれが!もうほんとうに美しい!ということば以外出てこないっていうできばえ。惚れ惚れしちゃいますねえ。ルーマーは、なんたってこの声がいいんです。しっとりと落ち着いたアダルトなノーブル・ヴォイス。それを聴いているだけでうっとりしちゃいます。

 

『B-サイズ&レアリティーズ』はこれもオリジナル曲のないカヴァー集。ルーマーにはカヴァーでいいからすぐれた楽曲をしっかり歌わせることのほうが似合っているのかもなというのがぼくの本音ですし、実際いままでそういったアルバムが多いと思いますし、成功に直結しやすいと思いますね。

 

ルーマーにはおなじみのバート・バカラックをはじめ、ポール・サイモン、ビーチ・ボーイズ、ビートルズなどがとりあげられていて、まさに「あの時代の」ポップスを歌わせたら現在右に出る現役歌手がいないのでは?と思うほどのデリケートでソフトな声で歌えるルーマーの本領発揮を聴けます。

 

1曲目の「アーサーズ・シーム」からそんなチャーム全開。おだやかでたおやかなオーケストラ伴奏に乗せて、ルーマーがやさしく歌います。声の質といい、軽くそっとささやくかのように、しかししっかりとしたノビのあるヴォーカルで世界をつづっていく様子を聴いていると、これ以上のポップ歌手はいないんじゃないかとすら思え、ため息が出ます。

 

2、3、4曲目、そしてその後とまったく同じ路線の音楽が続きますが、こういった美しい世界はどれだけ続けて聴いても飽きません。いつまでも、もうこのまま死ぬまで、ルーマーの声を聴いていたいと、ルーマーの歌を聴きながらいっそ死にたいと、そう信じることができるほど、ぼくはルーマーが好き。4「ハズブルック・ハイツ」なんか、オーケストレイションもヴォーカルも、もうたまらないじゃないですか。

 

ルーマーの世界には、決して激しさや感情の爆発などはありません。どこまでもおだやかにおだやかに、落ち着いたソフトな音楽が展開されているんですが、それを表現するために最高の声を持って生まれてきた、まれな天才歌手だなとの感を強くします。カヴァー曲だっていつもそんな彼女の資質に沿って選ばれていて、唯一無二のマイルドな世界をじっくりくつろぎながら味わうのは至福の時間です。

 

(written 2021.6.13)

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