格別のブラジリアン・インスト 〜 パウロ・グスマン
(2 min read)
Paulo Gusmão / O Tempo Que Foi
https://open.spotify.com/album/260MNbuDH27Y0yKngPQJSh?si=GWgtOr4jShi_-z_PGrFYmA
パウロ・グスマンっていうこのブラジルの音楽家が何者なのか、ぼくはちっとも知らないんですけど、その2020年作『O Tempo Que Foi』は、たしかエル・スールのホーム・ページで最初に見かけたんですよね。それでジャケットがいいなあと思って、ちょっと聴いてみたわけです。コンポーザーのようですね。
アルバム『O Tempo Que Foi』は全編インストルメンタル・ミュージックで、まるでエンニオ・モリコーネの書いた映画音楽のサウンドトラックのよう。風景や情景が目に浮かぶおだやかなチェインバー・ミュージックで、なんというか、軽〜いBGMふうで、正対してじっくり聴き込むものじゃない感はありますが、上質な音楽には違いありません。
作編曲をパウロがやっているということなんでしょうけど、曲によってはトニーニョ・フェラグッチ(アコーディオン)やネイマール・ジアス(カイピーラ・ギター)も演奏に参加している模様。二名とも好みのミュージシャンですからね、どこで演奏しているのか耳を凝らしたんですけど、ちょっと判別できませんでした。
アントニオ・カルロス・ジョビン・マナーなボサ・ノーヴァ・ナンバーがあったかと思うと、アストール・ピアソーラふうのタンゴ曲もあり。全編にわたり優雅で抒情性にあふれた音楽で、聴き終わって特にどうという印象も残しませんが、聴いているあいだは心地いい時間をすごすことのできる物語性があります。
弦楽と木管のからむやわらかいアンサンブル・サウンドには独特の味があって、ちょっとクセになる個性を持った音楽です。
(written 2021.6.4)
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