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2021/12/11

ネットでしか音楽聴けなくなったら終わり?

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(5 min read)

 

写真のデュークというのは愛媛県松山市内にただ一軒だけ2021年現在でも存在する音楽CDショップ。いまやここだけなんですよね。県庁所在地の松山でもこうなんですから、いわんや県内のほかの町は言わずと知れた砂漠状態。大洲で九年暮らしましたが、もちろんCDショップなんてゼロでした。

 

デュークも街に出たときに毎回ちらっと覗いてみるんですが、どうやって商売を続けられているのか不思議に思うような閑古鳥が鳴いていて、いまや音楽聴きが完全にネットでのダウンロードやストリーミング、特に後者に移行したことを、地方都市に住んでいるほうが強く実感します。

 

このへんの現実というか事情は、やや規模が縮小傾向?とはいえタワーレコードやディスクユニオンみたいな大型チェーン店や、小規模でも特異な品揃えの充実で魅せるセレクトショップ的専門店などがまだまだ残っている大都会の住人には、なかなか皮膚感覚で理解してもらえないことだろうなあと日々痛感しておりますね。

 

ですので、この種のことがらではちょっと前に大阪府民の音楽ファンと口論になりました。そのかたのおっしゃるには、CDショップとかは音楽情報の発信基地であって、それはいつまでもなくなってほしくないと。その考えは正しいとぼくも思うものの、こちら地方都市にはそんな基地なんぞもはや一個もありませんぜ〜っていう実情をどうしてくれるの?

 

だから事情を知らずに発言しているんでしょうねえ。そのかたは一連の投稿の最初のほうで「ネットでしか音楽聴けなくなったら終わりだろう」という暴言も吐いていて、終わりってなんだ?!終わりって!と、ぼくは激しい憤りを感じたわけです。それで口論になったんですけどね。

 

なぜかって、いまやぼくは100%ネットでしか音楽聴かなくなっていますから。ってことは、そのかたの御説が正しいとするならば、音楽リスナーとしてのぼくは「終わって」いることになります。CD買うのは岩佐美咲などよほどの例外だけ。ここ約二年間では美咲関係でたった二枚買っただけです。あ、こないだ一枚、マラヴォワ買ったけど。

 

こちらではCDを売る路面店が絶滅していますから、どうしても買いたいときはもちろんアマゾンやディスクユニオンやエル・スールなどのネット通販でっていうことになるんですけれども、書店もどんどん消えているから本も通販だし、映画館も郊外型シネコンがちょっとだけっていう現状だからサブスクで、っていうのが地方民の直面している切実な現状です。お芝居や落語会なんかはまったくのゼロ。

 

どうか、このあたり、想像力の乏しい大都会民のみなさんにもわかっていただきたいなと心から願う次第。本や映画その他はいったんおくとしても、音楽。SpotifyやApple Musicが、ネット端末と環境さえあれば(これはどんなド田舎でもさすがにつながる)だれでも使えるので、それに頼るようになるのは必然的な流れだと思います。

 

それらはひと月¥980で不自由なく無限に聴けるんですから、いわゆるロスジェネ以降の経済的な困窮にあえいでいる一般現代人にとっても(これは都会民/地方民関係なく)優しいでしょう。CD一枚、買えたとして¥2000くらいします。約二日分の食事代じゃないですか。背に腹は変えられないんですから。

 

もはやサブスクでしか、すなわちネットでしか音楽聴かなくなったぼくは「終わって」いるのかどうか、ちょっと自分ではわかりませんが、でも毎日こんだけ大量の音楽を聴き、感想文を書き毎日ネットに上げ、反応を得たり得なかったりしている自身の感覚で言えば、CD買って聴いていた時期よりも充実度・満足度が大幅にアップしているという強い実感もあります。

 

CDショップなど路面店が情報発信基地だとその大阪府民のかたはおっしゃるけれども、足でかせげ、実地をまわってさがせ、情報をゲットせよっていうのは、25年くらい前までの感覚じゃないですか。いまやどんな音楽情報もネットで、特にソーシャル・メディアで、流れる時代なんですから。

 

そのアンテナを常に張っていればOKなんで、1970年付近に青春時代を過ごし、そのころレコードを買って楽しんでいたあの時代の感覚から一歩もアップデートできていないひとたちとは、要件以外でお付き合いする気がなくなりつつあるかもしれません。

 

(written 2021.10.27)

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コメント

CD店は……残念ながら徐々に姿を消すでしょうね。CDそのものの消滅はまだ先だと思いますが。(思いたい、かな?)

サブスクについてはたくさんの・様々な音楽を聴きたいというマニアには間違いなくこれ以上ない最高のツール。逆に言うとそれほど音楽に対する探求心のない普通の人にはトゥーマッチな気がしています。また、音楽ファンと言っても既に嗜好が固定した人にとってもそこまで魅力的とは言えないわけです。そういう人はもう或る程度フィジカルで聴きたい音源を揃えてるでしょうし。

僕個人は、と言えば微妙です。かなりの嗜好固定派(マイルス・デイヴィスほぼ一択)で、サブスクのメリットは少ないのです。さすがにSpotifyもブート音源は扱ってないですから(笑)いや、ネットを探せば転がってるんでしょうが、それとこれとはまた話が別です。

でも最近ストリーミングに対応したアンプを購入したのでAmazon Music HDとか入ろうかなあ、と思いつつも未だに横目で見ている状態。ジャズなら大体の流れは見えるんだけどクラシックは全く分からない。有名な作曲家を点で知ってるだけ。けど興味があるので、これはCD購入なんかの方法だとあまりに効率が悪すぎなので、サブスク良さそうなんだよなあ。

対応しているアンプを買ったなら、サブスク使わない手はないですよ。なんたって毎月1000円しないんですから、そのままあまり聴かずにほうっておいても平気な程度です。

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