サンボーンそのまんまなアルト・サウンドもいい 〜 リッキー・ピータースン&ピータースン・ブラザーズ
(3 min read)
Ricky Peterson and the Peterson Brothers / Under Tha Radar
https://open.spotify.com/album/1ZL5SoYCOIhqtaNtb1MGUK?si=iI1M5S_jSKCow-_dEwrGRg&dl_branch=1
Astralさんのブログで知りました。
https://astral-clave.blog.ss-blog.jp/2021-03-09
プリンスの裏方(リッキー・P)としても活動してきたミネアポリス生まれの鍵盤奏者リッキー・ピータースン。デイヴィッド・サンボーン、ロベン・フォード、ジョージ・ベンスン、チャカ・カーン、ジョン・メイヤーなどのアルバムをも支えてきた敏腕ですね。
今年の新作『アンダー・ザ・レイダー』(2021)は音楽一家だという兄弟たちバンドと演奏をくりひろげたもの。リッキーの鍵盤&ウィラード(ベース)、ポール(ドラムス、ギター)、ジェイスン(サックス)という四兄弟が軸で、+ホーン・セクションという顔ぶれです。
リッキーのキーボード、特にオルガンはもちろんいいんですけど、今回いちばん驚いたのはジェイスンのアルト・サックス。完璧なるデイヴィッド・サンボーンそのまんまじゃないですか。ここまでソックリというのはねえ、いままで聴いたことないですよ、こんなひといましたっけ?
と思って調べてみたら、どうやらジェイスンはやはりサンボーンがアイドルらしく、そのイディオムを丸コピしてすっかり身につけているんだそう。道理でねえ、このアルバム『アンダー・ザ・レイダー』全編でサンボーンふうなフュージョン・サウンドが炸裂しているわけです。
特に4曲目「シット・ディス・ワン・アウト」はすごい、というかひどい。こりゃサンボーン本人が吹いているんじゃないか?と思うほど。このすすり上げるような泣きのフレーズといったらもう。
アルト・サックスだけでなくバンドのサウンド構築も1970年代後半〜80年代のフュージョン路線ど真ん中のそれで、ジャジーでありながらインストルメンタル・ソウルというか、演奏だけでやる歌なしリズム&ブルーズふうな雰囲気。
曲によって、ソウルフルなブラック・フィールが強くなったり、はたまた都会的に洗練されたジャジーなムードが濃くなったり。サンボーン・サウンドそのまんまな4曲目以外でのぼくのお気に入りは、9曲目「ラヴ・イズ・ジ・オンリー・ウェイ」。ブラック・フィール横溢な都会的ジャズのムードで、いいねえこれ。リッキーの弾くハモンド・オルガンも好印象です。
(written 2021.7.27)
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