あまりにもスティーヴィ 〜 PJ・モートン
(3 min read)
PJ Morton / Gumbo
https://open.spotify.com/album/0vSjCEvf6IxMJkZ9PUFsgh?si=_pAr22I-QcGdHdSH8YZezg
bunboniさんのブログで知りました。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2021-05-12
PJ・モートン2017年のアルバム『ガンボ』。全曲をアクースティックな?生演奏バンドで再現した翌18年の『ガンボ・アンプラグド』(けっこう電気が鳴っているけど)も聴いてみましたが、個人的には『ガンボ』のほうが断然好きですね。
ニュー・オーリンズ出身だしこういうアルバム題だしと思っても、『ガンボ』にニュー・オーリンズらしさはまったくといっていいほどなし。それよりもネオ・ソウルっぽい音楽ですよね。
もっといえばネオ・ソウルのルーツたる1970年代ニュー・ソウルっぽさ全開。不要とは思うけどいちおう説明しておくと、ネオ・ソウルというタームはニュー・ソウルを意識してモータウンのキダー・マッセンバーグが考案したものです、そもそも(NeoはNewの意)。
そしてモートンの『ガンボ』を聴いてわかるのは、1970年代のスティーヴィ・ワンダーにそっくりすぎるほどそっくりだということですね。ぼくはスティーヴィ大好きなんで。ときどきいますけど、そういうスティーヴィそっくりさん歌手、でもここでのモートンのばあいは声質や歌いまわしのスタイルだけでなく、ソングライティングからして似せています。
プロデューサーとしても活躍しているモートンなので、『ガンボ』をこういったふうに仕上げよう、スティーヴィをフォローしようというのは当初からあった目標だったのかもしれません。曲づくり、シンセサイザーの音色やフレイジングの隅々、ビートの細かなパーツにいたるまで、なにからなにまで70年代スティーヴィそのままを再現しています。
そんななか個人的に一番グッときたのはアルバム・ラストの「ハウ・ディープ・イズ・ユア・ラヴ」(愛はきらめきの中に)。言わずと知れた1977年のビージーズ・ナンバー。高校生のころに聴かされすぎて食傷していたディスコ・チューンではない、このへんのビージーズのことは、いまさらではありますが最近ようやくしみじみいいなぁと感じるようになっています。
それをモートンがスティーヴィ的トラック・メイクとそっくりヴォーカルで聴かせてくれるんだから、文句なしに最高です。モートンのこれを聴いていると、ビージーズのギブ兄弟の書いたこうした一群の曲には(調理次第ではありますが)もとからソウル・フィールがあったかもなあとも気づきます。
(written 2021.12.11)
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