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2022/04/20

声の美しさとリリカルさがいい 〜 カロル・ナイーニ 2013 & 21

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(3 min read)

 

Carol Naine / Carole Naine
https://open.spotify.com/album/1EPbUU9zUrqykndhogcywF?si=r5iTyuU3T4CCNRt26a7rnw

 

Carol Naine / Ao Vivo
https://open.spotify.com/album/4G5iZbYygHbTXxC5OppOsR?si=zwCi9-f6Rl-I3w2EfwUSLA

 

bunboniさんのブログで知った歌手です。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2021-09-11

 

カロル・ナイーニ(ブラジル)のデビュー作『カロル・ナイーニ』(2013)は、たしかにとにかくアレンジが先鋭的。プロデュース、アレンジ、音楽監督を務める鍵盤奏者のイヴォ・センナがとんでもないサウンドをつくりあげています。

 

曲はソングライターでもあるカロルが書いていて、サンバを基調にした通常的なものですが、こんなすさまじく鋭角的なアレンジと音響がついて、それでいてヴォーカルはそれに引っぱられることなく平常心で美しいっていう。

 

アレンジ・サウンドが先鋭的すぎるせいでそっちばかり聴いてしまいますが、ぼくとしてはそれと曲と歌(声)との三位一体のバランスっていうか、かみあっていないかのように同時並行する感じ、ぶつかりあいがなかなか楽しくて。

 

メタリックに硬質で乾いたイヴォ・センナのペンとは対照的に、カロルの持ち味はしっとり湿っていてリリカルだというのが実際のところ。体温を感じる人間味にあふれていると聴こえます。サンバ・クラシコの持つ深い情緒とメランコリアをそのまま継承しているようで、このデビュー作はそれも聴きどころの一つかもしれません。

 

特にアルバム・ラスト10曲目「Nasso Lar」で聴かせるバラード表現なんか、マジですばらしい。クイーカを効果的に使ったイヴォのアレンジも曲と声のリリカルさをきわだたせることになっていて絶妙ですが、ここではなんといっても歌の情緒感がいい。

 

このデビュー作がかっとびすぎているおかげで、パートナーをチェンジしてしっとり路線になった二、三作目がかすんでしまいますね。昨2021年に出た三作目『Ao Vivo』も、フィジカル・リリースなきゆえか話題にすらなっていませんが、内容はいいと思います。

 

ライヴ・アルバムという題名ですが観客の気配すらありませんから、無観客スタジオ配信ライヴみたいなものなんでしょうね。いや、配信すらせず、ただライヴな生演奏をそのまま収録したというだけの意味かも。

 

さわやかな清涼感すらただよう音楽で、それはピアノを弾くアレシャンドリ・ヴィアーナのスタイルゆえでしょうか。基本ピアノだけの伴奏で歌っていますが、曲によってはチープなビート・ボックスの音も聴こえます。カロルは二作目以後アレシャンドリと組んでこんな路線。サンバ・ベースのMPBというより、かなりジャジーな雰囲気に傾いていて、個人的には好きです。

 

カロルの声の美しさ、高音部でひときわ目立つ繊細な歌いまわし、曲のメロディのよさなどは、こういった路線のほうがわかりやすいかもしれず、上品さと端正さが前に出ていてけっこういいという面だってあるのでは。

 

(written 2022.2.20)

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