ジョアン・ゲラ(ドラマー)ってだれ?〜 アルバ・カレタ・クインテット
(4 min read)
Alba Careta / Alades
https://open.spotify.com/album/3UF7AH9JPo73c9PmqEuw1R?si=lPXdAfv2SoKtf24xTTJHPA
カタルーニャのレーベル、ミクロスコピ(Microscopi)のカタログをディスクユニオンが扱うようになったということで、五月十日すぎだったかに一挙13作品が同時入荷していました。
https://diskunion.net/latin/ct/news/article/1/106076
ぼくみたいな情弱人間も知ることとなり、さがしたら13作ぜんぶサブスクにあったので、こちらも一挙にぜんぶ網でさらうように漁り聴き。特に印象に残ったものだけちょこっとメモしておきます。
きょうの話題は1995年バルセロナ生まれのジャズ・トランペッター、アルバ・カレタの2020年作『Alades』。リズム・セクション+2ホーンズという典型的なジャズ・クインテット編成で、パーソネルは以下のとおり。
tenor sax / Egor Doubay
piano / Adrián Moncada
bass / Jort Terrwjin
drums / João Guerra
こういうの、なぜディスクユニオンのサイトは掲載しないんでしょうか(CD買えってことか)。なぜなら聴いているとサックスやピアノ、そしてなによりドラマーのあざやかな演奏ぶりに耳を持っていかれるからです。これだれ?ってなりますから。
ジョアン・ゲラというこのジャズ・ドラマーについては、調べてもあまりくわしい情報が出てこず。どうもアムステルダムのミュージシャンらしく、本人のInstagramで顔だけ見れば20代っぽい感じ。2017年からアルバのレギュラー・メンバーで、完璧なる新世代スタイルの持ち主。とにかく圧倒的なドラミング・チャームに惚れちゃいました。
速めのビートが効いたアップ〜ミドル・ナンバーではジョアンの細かな手数の多さと複雑なポリリズム表現力がきわだっていて、1曲目、2曲目とジョアンのドラミングばかり聴いてしまいます。ピアニストもすばらしい。ベーシストはまずまず堅実でリズム・キープに徹しているでしょう。
3曲目「Oceans」なんか、もう超絶的といいたいくらいなリズム・セクションのコンテンポラリーで迫力満点な躍動感によだれ。こ〜りゃカッコいい。中盤、無伴奏でアルバがテンポ・ルバートなトランペット・ソロを披露する場面では、それもみごとと思えます。ビートの効いたアンサンブルが再度入ってくるとやはり悶絶するようなビート感。ジョアン、すごいぞ。ピアノ(アドリアン・モンカーダ)もいい。
このへんまでのリズム・セクションの動きを聴いて、もうこのアルバムは傑作だと信じてしまいますが、収録曲はいずれもアルバの自作です。コンポジション&アレンジメント/ソロの時間比がバランスよく練り込まれていて、そこも現代ジャズならではですね。
トランペットだけでなくヴォーカルを披露する曲もあったりして、器楽演奏にかんしてはすべてがパッショネイトだけど乾いていて硬質な肌ざわりなのに、歌のほうは情感豊か。そっちは余技っぽいですが、ギャップ萌え。あくまでも中心はインストルメンタル部分で、二年前の作品にもかかわらず今年のベスト・テンに選びたいほど、好き。特にジョアン・ゲラ(ドラマー)。
ブラジル〜アルゼンチン方面の現代ジャズ好きにも推薦できそうですよ。
(written 2022.5.23)
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