コスモポリタンなアフロ・ラテン・ポップ新世代 〜 フアニータ・エウカ
(2 min read)
Juanita Euka / Mabanzo
https://open.spotify.com/album/27YMkY29ejf68IpDywP91w?si=sAehw273QJ-o0K9h6mXZeA
Astralさんに教えてもらいました。
https://astral-clave.blog.ss-blog.jp/2022-04-03
フアニータ・エウカはコンゴの新人歌手。育ちはブエノス・アイレスで、14歳からロンドンに住んでいるというコスモポリタン。デビュー・アルバム『Mabanzo』(2022)はそんなキャリアが存分に発揮された新世代アフロ・ラテン・ポップといえます。
これまでロンドンのアフロビート・バンドで歌っていたそうで、このアルバムでも基調になっているのはアフロビートですが、暑苦しさみたいなものがなく、ある種すずやかで軽やかなジャジーさや洗練を感じさせるあたりは完璧にぼく好みの音楽家。と同時にそれは2020年代性でもありますね。
さらにセリア・クルースがアイドルで、しかもブラジル育ちだけあるというラテン・ミュージック要素も随所に色濃くて、なかには都会的でおしゃれなボサ・ノーヴァを鮮明に感じさせる曲もあったりするのがおもしろいところ。
アルバムでいちばんのぼく的お気に入りは5曲目「Nalingi Mobali Te」。キューバン・ミュージック・ルーツなルンバ・コンゴレーズを現代にアップデートしたような感じとAstralさんは言っていますし、くわえてアンゴラのセンバのようでもありますね。ややアーシーに泥くさく、このトラックに乗せてパウロ・フローレスが歌っても違和感ないかもっていうくらい。
フアニータはこういったコスモポリタンな音楽混淆を意識的にがんばってやっているというんじゃなく、きわめて自然体に自分のなかにあるものからナチュラル&スムースに表出できているよなあとよくわかるのが、新世代到来を体現しているところです。
(written 2022.5.22)
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