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2022/06/06

『デューク・エレガント』こそNo.1デューク・エリントン・ソングブックにしてドクター・ジョンの最高傑作

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(4 min read)

 

Dr. John / Duke Elegant
https://open.spotify.com/album/32944vJtxt5vMbR8dAMViB?si=SPCSJFvBR5-WEHzJskj5zA

 

1999年の発売当時から熱烈に支持してきたドクター・ジョンのアルバム『デューク・エレガント』。ここ数ヶ月また頻繁に聴きかえすんですが、いまとなってはこのデューク・エリントン・リイマジンドこそドクター・ジョン生涯のベスト1、最高傑作だったと信じるようになっています。

 

これでしかデュークの曲を聴いていない、はじめて聴いたっていうみなさんなら、ずいぶんとブルージーでファンキーな曲を書くコンポーザーだったんだなと感じるはず。でもってその印象でOKなんですね。そういった部分にこそこのデューク再解釈集の意義があるんです。

 

1920〜40年代のアメリカ大衆音楽としては可能なかぎり最大限のファンキーさをふりまいていたのがデューク。そもそもあの当時から「ジャズと呼ばないで、”ブラック・ミュージック” にしてほしい」とおおやけに発言するくらいでした。

 

そんなデューク・ミュージックの本質をドクター・ジョンはつかまえて、1990年代的なファンク・ミュージックに仕立てあげているわけで、アメリカン・ブラック・ミュージックとしての歴史的連続性、現代的意義深さを証明しているわけです。

 

『デューク・エレガント』ではバックもまたいい。Lower 9-11と呼ばれるバンドで、個人的には特にデイヴィッド・バラード(ベース)とハーマン・アーネスト III(ドラムス)で支えるリズムの土台部が超絶カッコいいと感じます。タイトに引き締まっていてシャープで痩身、でありながらふくよかにグルーヴするさまにはシビレます。

 

3曲目「スウィングしないと意味ないぞ」なんかでもリズムのカッコよさに降参しちゃいますが、1930年代のスウィングとは現代的にはファンクのことだったというドクター・ジョンのこの再解釈、定義づけがみごとにはまっていて、曲も甦っています。こ〜んなカッコいい「It Don’t Mean A Thing」、聴いたことないですよ。

 

インストでやっている(アルバムにけっこうあり)10曲目「生々流転」も、原曲はなんでもない12小節定型のジャズ・ブルーズだったんですけど、ここでのドクター・ジョンらによるファンク・レンディションはどうですか、最高にグルーヴィじゃないですか。ファンクとはかくあるべしというお手本みたいな演奏で、その土台にはブルーズがあったことをきっちり証明しています。

 

ブルーで印象派ふうだったプリティなバラードの6「孤独」と8「藍の雰囲気」も、おとなしくたたずんでいるみたいだったオリジナルから一転、スウィートでメロウなコンテンポラリーR&Bチューンへと変貌しています。デュークのはシリアスなオーラすらあったのが、ドクター・ジョンのはソファでゆったりくつろいでいるような日常的でおだやかな演奏で、静かになごめます。

 

そして、ドクター・ジョンらの再解釈力、演奏提示能力に驚き感心すると同時に、デュークのコンポジションがもとからこうした柔軟性、コンテンポラリー・ファンクにもなりうるだけの可能性、ふところの深さをはじめから秘めていたんだということにも気づかされ、あらためてその偉大さにためいきがでます。

 

このようなリイマジンドでこそデューク・エリントンという音楽家がどんだけすばらしかったのかよくわかるので、だから『デューク・エレガント』こそ最高のデューク・ソングブックであり、ドクター・ジョンの最高傑作だと言っているんです。

 

(written 2022.4.16)

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