最近は写真撮りまくっているけど
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カメラというものを買ったり持ったりしたことのない人生でした。撮るのにも撮られるのにもいっさい興味がなく、学校卒業の際に写真アルバムとかもらいましたけど一度も開けずにそのままどこかへ置きっぱなしにしてわからなくなるというタイプ。
1995年33歳でネットをはじめてもそうで、いまでいうソーシャル・メディアに相当するような会員制の交流サービスみたいなのが当時からありましたけど、なにせみんなまだダイアルアップ接続でしたから、テキストしかやりとりできないシステム。画像なんてファイル・サイズでかすぎて。
ぼくにはそれでじゅうぶんだったんです。文字だけ人間で、そう、吃音症であるがゆえ独りで部屋で読書しながらで幼少期からきましたから、とにかく情報を獲得したりやりとりしたり発信したりっていうのはすべて「文字の読み書きで」というのがぼくのやりかた。
これでありますから、2022年のいまでも、実を言うと筋道立てた論説文のほうがとっつきやすくイージー。ダイアログ形式や音声や写真・画像で示されるとウゲッと身構えてしまい、理解するのに時間がかかります。たいていみんな逆ですよねえ。ぼくってヘン。
ともあれ写真について、もちろん音楽愛好者になって以後雑誌なんかにたくさん載るようなものは楽しいなと思ってながめるんですが、写真を作品としてとらえたことがなく、写真展なども行ったことがないし写真集のたぐいも買わず、そもそも写真ってどう読みとったらいいのか?わからないまま最近まで来ました。
自分で一度もカメラを持ったこともなく、なにも写さず。というと正確には間違いです。パートナーと外国旅行をしていたころは、空港への行き道で寄ったコンビニでインスタント・カメラを何台か買っていっていました。それで現地で撮影し、帰国したらカメラ機ごとヨドバシカメラとかに出してプリントしてもらうっていう。
でもホントそれだけでしたよ。それ以外はマジで生涯一度もカメラを持ったことがなかったんですから。そんなぼくが2017年6月1日に突然 iPhoneを買い、いきなりカメラを一日中どこにでも携帯する人間へと豹変したわけです。理由は端的にInstagramがやりたかった、投稿したかったんですよね。
そうなってみたら、こんなに楽しい人生もなかなかないもんだと心底実感していますから、なにがきっかけで人は変わるかわからない。Instagramに投稿するにはモバイル機器が必要だけど、みんなの写真を見るだけならパソコンでもやれるんで、以前からいろいろながめてはいいなぁ〜と思っていて、これだったら自分もやりたいぞと感じはじめていたんです。
生来のナルシシストゆえか、インカメラで自分を写してはアップすることも多く、ちょっとでもいい感じに写りたいから修正美肌機能を持つ自撮り専用アプリもダウンロードして頻用しています(ぼくはB612)。いまのところいちばん興味ある被写体が自分だっていう(笑)。あとはコーヒーとか食事とか猫など。
もうそりゃめちゃめちゃ iPhoneのカメラで撮りまくる日々になって、そうなってみてはじめて写真というものの持つ意味というか、記録として残しておく重要性、メンタルに及ぼす好影響みたいなものを理解するようになりました。プリントはめったにしないんですが、いまはもう iPhoneのカメラなしでは生きていけないくらいになったように思います。
大きかったことは、やはりInstagramみたいな写真共有系ソーシャル・メディアが普及したことでしたね。Twitterなんか最初の数年は文字しか投稿できず、写真を載せるにはサード・パーティ製のサービスを使ってURL字列としてハメこむしかなかったですし。スマホで撮った写真をそのままどんどん載せられて余計なことも言われないInstagramがなかったらぼくは iPhone買わなかったので、いまみたいな人間になっていません。
それでもやっぱり映像情報の把握と理解に(文字より)時間がかかる人間であるのはいまでも同じなんですけども。
(written 2022.7.13)
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