日常にす〜ぅっと溶け込む歌 〜 ルシベラ
(2 min read)
Lucibela / Amdjer
https://open.spotify.com/album/09x0zF6SJX3yPep6npnZum?si=copTFgZ_RtmbWagNwFS7qw
これもbunboniさんに教わりました。感謝ですね〜。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2022-07-12
カーボ・ヴェルデの歌手、ルシベラ。今年出た最新作『Amdjer』(2022)がたいへんすばらしくぼく好み。気をてらうとか大向こうをねらうといったところの微塵もない、日常的な淡々とした音楽で満たされていて、これこれまさにこういうのですよ、いまのぼくが音楽に求めているものって。
こういった音楽は、ひとが生涯で積み重ねてきた悩みや苦難やつらさが裏ごしされたみたいにまろやかなスープ状となって溶け込んでいるのであって、その表面的にはなめらかで平坦な変化のないサウンドに真の深みと味わいをいまのぼくだったら聴きとりますね。
なかでもアルバムにいくつもあるコラデイラの数々は、その強くもやわらかなさざなみのビートが人生の年輪とひだを感じさせ、なんともいえず胸にぐっと沁み入ります。4、6、9曲目あたりはほんとうにたまりませんね。しっとりモルナだって聴けます。
伴奏のサウンド・プロデュースもいいですね。本作で多くの曲を共作しているトイ・ヴィエイラがつくっているんですが、アクースティック・ギター、カヴァキーニョ、ウクレレ、ヴァイオリンなど弦楽器を中心に、ピアノも配したり、ビートはおだやかでオーガニックな生演奏ドラムス+パーカッションで、こうしたマイルドさこそルシベラみたいな歌手の本領を活かすもの。
きのうケオラ・ビーマー(ハワイ)の記事で「ひたすらフラットで淡々と続くおだやかで静かな音楽」がいまのぼくの好みなんであると書きましたが、完璧に同じことがルシベラの本作にもいえます。そして、そうしたトレンドが最近の世界の音楽における主流であるというのも間違いのないこと。
(written 2022.7.24)
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