くつろぎのデュオ・ショーロ 〜 ロジェリオ・カエターノ、エドゥアルド・ネヴィス
(3 min read)
Rogério Caetano, Eduardo Neves / Cosmopolita
https://open.spotify.com/album/3mikQP8Exhf7iuwy7UJMZn?si=gzf9Kr3eQaW5VjOENChQpw
bunboniさんのブログで知りました。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2022-03-20
ブラジルの七弦ギターリスト、ロジェリオ・カエターノ2015年の『Cosmopolita』は、とにかくジャケット・デザインが好みなので、それだけでちょっと聴いてみようとSpotify検索したっていうこのルッキズム人間なんとかならんのか。
ともあれ本作はロジェリオのギターで管楽器奏者エドゥアルド・ネヴィスとデュオをくりひろげたショーロ・アルバム。このジャンルではよくある規模です。ひとによってはソロだってときどきやる分野ですから。
本作でエドゥアルドはテナー・サックスとフルートを吹いています。七弦ギターとのこじんまりしたサロン・ミュージックふうな落ち着いたデュオ・ショーロとして、前半にはややコケティッシュでユーモラスな乾いたフィールもちょっとあるっていう、そこらへんも味わいですね。
4曲目くらいからはしっとり濡れたような感覚のサウダージに満ちていて、たいへんすばらしい。管楽器が大きくゆったりとしたメロディ・ラインを吹くあいだギターは細かく刻んでいたりして、そうしたカウンター・パートというかせめぎあいがイキイキとしたグルーヴを生んでいるなとわかる部分も多いです。ショーロでは通常的な手法ですけどね。
ところでその4曲目「Rosa e Cora」がきれいなバラードで、とっても美しく、ぼくは大好き。ギター中心の演奏で、だれの曲だろうと思いクレジット欄を開けても空白。ちょっと残念です。ピシンギーニャあたりがときどき書いた名バラードのおもむきがあります。
美しいバラードといえば後半8曲目「Amigos」もそう。ここではテナー・サックスがしっとりとつづり、ギターはそれに伴するコントラポントを弾いています。4曲目もそうだけど、暖かな人間的情感のこもった音楽で、こういうの、マジ、いいんです。10曲目もそうか。
高速で明るく軽快に疾走するものだってあるし、バラエティも豊富。全体的には落ち着いた雰囲気のアダルトな楽しみに満ちた音楽といえ、部屋でいつもひとりたたずんで音楽を聴いている身にはすばらしいくつろぎタイムとなってくれます。
(written 2022.7.28)
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