12 Essential Contemporary Blues Artists(1)〜 シュメキア・コープランド
(3 min read)
Shemekia Copeland / Deluxe Edition
https://open.spotify.com/album/747l6AGzZzDh8yBQLJgLgT?si=yVzrhPkBTN2_lP9YoPSGRg
今年四月ごろだっけな、PopMattersが「12 Essential Contemporary Blues Artists」という記事を載せていました。ざっと読んで、聴けるだけ聴き、印象に残ったものは書いておきたいと思います。
https://www.popmatters.com/12-essential-contemporary-blues-artists
きょうは一番手ということでシュメキア・コープランド。日本では一般に「シェメキア」というカナ書きをされているみたいです。1990年代末にデビューしているので「新世代」と言いにくいかもしれませんが、コンテンポラリー・ブルーズ・シーンの注目株として活躍するようになったのは今世紀に入ってから。
もっともぼくは上掲PopMattersの記事ではじめて知った歌手です。サブスクで聴けるものをすべて聴いてみたら、2011年の『デラックス・エディション』がいちばんの充実作と思えました。最新は20年の『アンシヴル・ウォー』(2022年8月8日時点)。アメリカーナを意識したそれもよかったですけど。
シュメキアのブルーズ・ヴォーカルは朗々とした声を強く張ってリキを込めるシャウト型ですね。ガナる瞬間もあったりするので、そんなにリキまずもっと軽くすっと声を出したらどうか?と思わないでもないですが、でも粘りつくようにグルーヴィで、ファンキーでかなりカッコいいので。
『デラックス・エディション』というアルバムは、このタイトルどおりさまざまなミュージシャンを迎え多様な曲を多くのプロデューサーと組んでやってみたという力作。ストレートなグルーヴ・ブルーズが多いには多いですが、なかにはドクター・ジョンがプロデュースしたニュー・オーリンズ・スタイルというかカリビアンな3・2クラーベ・ブルーズもあったり。
メロウなスローもあるし、あるいはなぜかのおだやかなジャズ・ナンバーもあって(13)それもおもしろいと思います。そこではシュメキアも強さのなかにまるでジャズ・シンガーみたいなやわらかなたたずまいをみせて、バンドの演奏も2/4拍子の平穏でトラディショナルなもの。
それでもやはりシュメキアの本領はあくまでストロング・フィールなファンク・ブルーズでしょう。1、7、12などで聴かせる押し出す感じのノリいい「強い女」イメージは、女性ブルーズ歌手シーンにあってはむかしから定番ではありますが、現代にはいっそうの訴求力、同時代性をたたえたものだといえるかもしれません。
(written 2022.8.8)
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