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2022/10/09

ニュー・オーリンズ音楽現在地点の見本市 〜 映画『テイク・ミー・トゥ・ザ・リヴァー:ニュー・オーリンズ』サントラ

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(4 min read)

 

v.a. / Take Me To The River: New Orleans
https://open.spotify.com/album/5dzjHPSOfAto7WFilL9Siw?si=1rdJUPU0RJGSLgUoS65kGg

 

Astralさんのご紹介で知りました。
https://astral-clave.blog.ss-blog.jp/2022-09-04

 

『Take Me To The River: New Orleans』(2022)はニュー・オーリンズ音楽のドキュメンタリー映画(マーティン・ショア監督)サウンドトラック・アルバムのようです。映画は日本で劇場公開されていませんけど、おそらくどれかのサブスクで観られるんじゃないかと(そういう時代)。

 

ともあれぼくは音楽のほう。全曲この映画のための新録音だそうで、音楽都市ニュー・オーリンズは過去から現在まで多彩な音楽家を大量に産んできたので、現役でやっているベテランから若手まで、さまざまに組み合わせたりなどフィーチャーして、バラエティに富む内容になっているのはうれしいところ。

 

といってもアート・ネヴィルがいたりドクター・ジョンもやっているので(いずれもいまは故人)、映画本編もこのサントラもそれなりに長い年月をかけて制作されたものなんでしょうね。

 

強力に跳ねながら楽しくファンキーにグルーヴするものが多いのはさすがのニュー・オーリンズ・ビート。その手の曲ではラテン性というか3・2クラーベの感覚が内在的に活かされていて、そんなところ、いかにもニュー・オーリンズ・ファンクだと確信します。アメリカ合衆国のほかのどの都市の音楽とも違うグルーヴがあります。

 

たとえば1「イン・ラヴ・ウィズ・NOLA」、6「504(エンジョイ・ユアセルフ」あたりでもそれは強く感じますよね。ひたすらな快感。後者では終盤打楽器オンリーの乱れ打ちパートがあってそのまま曲が終了しますが、このカッコいいコンガはだれが叩いているんでしょう。

 

11「イエス・ウィ・キャン・キャン」は、アラン・トゥーサンが書いてリー・ドーシーが1970年に初演したかのファンク・チューン&ニュー・オーリンズ・スタンダードを、スヌープ・ドッグのラップなどくわえてヒップ・ホップ調にリメイクしたもの。オリジナルの面影はしっかりとあり。

 

ディスク2-1「インプロヴァイズ」もニュー・オーリンズ・スタイルのティピカルな強いノリですし、やはりシリル・ネヴィルがやる2-2「レイト・イン・ジ・イヴニング」でフィーチャーされているブラス・バンドのゴージャスでカリビアンなアンサンブル・サウンドには、思わずのけぞりそうになる迫力があります。

 

ドナルド・ハリスンのサックスをフィーチャーした二枚目のジャズ・ナンバー二曲もカッコいい。特にサックス・ソロ吹きまくりな9「サンド・キャッスル・ヘッドハンターズ」なんかビート感だって21世紀の革新的なものですし。新しくないトラディショナルなセカンド・ライン・ビートで演奏する11「聖者の行進」だってぼくは好きですね。

 

いっぽうに、しっとりとしんみりメロウに歌い込むバラード系がいくつもあって、いまのぼくの気分だとそっちのほうに耳を引き寄せられます。たとえば1-4「アイ・ウィッシュ・サムワン・ウッド・ケア」(エリック・クラズノのギターも最高)とか、あるいは1-11「ウィ・シャル・ギャザー・バイ・ザ・リヴァー」、2-4「ワン・モア・タイム」でのダヴェル・クロフォード。2-7でドクター・ジョンもパーシー・メイフィールドの「サムワン・トゥ・ラヴ」をやっています。

 

(written 2022.9.26)

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