心落ち着ける音楽を持っているのがいい
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ルーマー、孙露、徳永英明、坂本冬美(どっちも坂本昌之がアレンジしたものにかぎり)、アラトゥルカ・レコーズのトルコ古典歌謡、エラ・フィッツジェラルド&サッチモの『エラ&ルイ』シリーズ、伊藤ゴローがプロデュースする原田知世など、静かでおだやかな、心落ち着ける音楽が世にはたくさんあります。
なんだか最近同じようなことばかりくりかえし書いているよねって自分でもわかっていますが、こんな気分がいまのぼくのなかで最大のトレンドなんですからしょうがないんです。なるべくスリルやどきどきがなく胸も躍らず、じっとなだらかな気分でいられるっていう、そんな音楽がいまは好き。
もちろんエッジのとがったファンク・ミュージックとかぎんぎんハードな感じのサイケなロックとか躍動的なものなど、べつにきらいになったわけなんかじゃぜんぜんなくて、いまでも聴けば楽しいねって感じるんですけど、どうも聴く回数がここんとこ減ってきているんですよね。
マイルズ・デイヴィスみたいにさまざまな種類の音楽を残してきた音楽家なら、比較的おだやかでクールな感触のするアルバムを選ぶようになってきているし、ってかマイルズって本来は静的な音楽性の持ち主で、淡々と内省的にそっとつぶやくといった演奏で真価を発揮しました。1969〜75年は狂っていただけで。
こうした(気分的に張り詰めていないような)おだやかで平穏でサイレントでピースフルな音楽群をこそ、常日頃から好んで聴くようになっているし、同様傾向のものをさがしては見つけ聴いて喜ぶという音楽リスナー生活を今年に入るちょっと前くらいからずっと送っているんです。
睡眠をとても大切にしていて、ベッドに入りすべての活動をやめ照明も消すのは毎日0:05前後なんですけど、そこへいたるまでの準備に念入りな時間と手間を惜しまないというライフ・スタイルで、そのためにせめて音楽ぐらいストレスや緊張を感じないものにしているわけです。
お風呂タイムが20:30〜22:00ごろで、そのあいだ(は防水Bluetoothスピーカーで)までは翌日の執筆準備で聴くものを選んでいますが、お風呂からあがって髪も乾かし肌ケアも終えた22:30ごろからは、落ち着けるおなじみのおだやかな音楽ばかり流すようにしています。
つまりそこからベッドに入るまで約一時間半がぼくにとっての毎曜日のプライム・タイム。そこで聴く音楽はこのごろだいたい決まっているということです。といっても同じものばかりじゃ飽きちゃうので、たくさんあるなかからローテイションしているわけです。
どんな音楽を聴くかによって自分の機嫌をとっているというか気持ちを整えているわけですね(これは朝も昼間もだけど)。お風呂あがり〜入眠までは特に大切に、リラックスできるように、気持ちにトゲがささらないように、ひたすらの癒しになるような音楽を、すなわちいちばん上で書いたようなものを、聴いてくつろいで心を溶かし裏ごしし、スムースに睡眠へ入っていけるようにしています。
そんなナイト・タイム・ミュージックが、結局のところ最近では一日のぼくの音楽愛好フィーリンを支配するようになったなあと、そう思いますね。2021年8月にいまの居所に引っ越してきて、2022年に入るちょっと前あたりから。
(written 2022.10.1)
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