ワン・グルーヴで一体化 〜 プリンス『ジ・アフターショウ』
(3 min read)
Prince / One Nite Alone…The Aftershow: It Ain’t Over!
https://open.spotify.com/album/4cnxxYwMvBQN4LGEq2nKVq?si=jyEAF2NeQp2FUjoWSKzogQ
ときどきはこうしたごりごりのハード・コアなディープ・ファンクも聴きたいプリンスの『ワン・ナイト・アローン…ジ・アフターショウ:イット・エイント・オーヴァー』(2002)。聴けばじっさい楽しいもんね。
CD二枚組のライヴ・アルバム・セット『ワン・ナイト・アローン…ライヴ!』ボックスを買うとおまけみたいに付属していた三枚目のこの『アフターショウ』のことは、このブログでも2016年に一度書いたことがあります。
https://hisashitoshima.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-8323.html
そのほかWikipediaページをはじめネットで検索すればくわしい情報や解説文のたぐいがどんどん見つかるんじゃないかと思うので、ぼくは再度個人的な感想だけ手短に記しておきます。プリンスの全アルバム中いちばん好きかもなあ。
そこまで好きっていうのは、やっぱりディープ・ファンク一色で染められたハード・コアなアルバムだから。特にグッとくるのは5曲目「アルファベット・ストリート」がはじまる瞬間からです。あのエレキ・ギター・カッティングはなんど聴いてもいまだシビれますね。
それもふくめ、いちおう既存の曲をやっているという体裁ではあるんですが、それはモチーフというかリフというかきっかけ、土台みたいなものに過ぎず、演奏の実態はバンドによるワン・タイム・インプロヴィゼイション。ボスの指示というかその場のインスタントな思いつきでどんどん展開変化していく生き物のようなグルーヴこそこのアルバムの中身。
実際、ヴォーカル・パートより楽器演奏時間のほうがはるかに長いので、メロディのある「歌」を聴きたいっていう一般的な?音楽ファンには決して推薦できないものではありますね。しかしグルーヴ一発、それに身を任せてからだを揺すっていれば快感だという向きには最高の音楽でしょう。
6「ピーチ」なんて、もはやここにはグルーヴ以外なにもなく、これで踊れるか否かが分かれ目ですよ。プリンスは声やギターでどんどんバンドに指示を出していて、バックもそれに即応、観客にも参加をうながしています。ステージ上もふくめその場の全員がワン・グルーヴで一体化する楽しさがここにはあり、CDや配信で聴いているぼくらだってそれは同じ。
7「ドロシー・パーカー」なんてオリジナルとはがらり様変わりしてハードでディープなフィーリングに満たされているし、しかもサルサっぽいラテン・テイストすらただようっていう(プリンスはラテン好きでつとに有名)。あぁ気持ちいい〜。
(written 2022.10.14)
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