アデデジの肉感アフロ・ファンク
(2 min read)
Adédèjì / Yoruba Odyssey
https://open.spotify.com/album/6YBfiq0YiRY4l4UaieAYRx?si=HlUTtemRRSqoCPlzTDtszQ
bunboniさんに教わりました。感謝ですね〜。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2022-10-30
ナイジェリアのアデデジ。いままでの作品は洗練されたジャジーな感じでしたが、最新作『Yoruba Odyssey』(2022)では豪快で野生的なぶっといアフロ・ファンク寄りの音楽になっていて、これも最高ですよね。
しょっぱなからおしまいまでアッパー。アクセル全開でつんのめり気味に疾走するさまに、初老のぼくなんかタジタジになってしまうんですが、ちょっぴり聴きづらいかもと感じないでもないのはそのため。豪速球ばかりのピッチャーみたいで緩急がなく、ややのっぺりしているというか。
だけどこの野太いファンク・グルーヴの快感にはひれ伏すしかありません。ストレートな勢いを感じさせる内容で、リズムもホーン・セクションも絶好調に疾走します。そのなかを、これだけはいままでと同じアデデジのクリア・トーンなエレキ・ギターが縫っていくという構成。
実はちょっとエフェクト足したほうがこの手のサウンドには合うのでは?という気もしますが、これがジャズ・ギターリストたるアデデジの本領でしょう。
ヴォーカルのほうは乱暴に投げつけるようなスタイルで迫力があります。あくまでギターのほうが本分なんでしょうね。ギターといえばアデデジはそのみずから弾くリフを土台に音楽を組み立てているのが聴いているとよくわかって、今作はあまり装飾しないゴツゴツした骨組があらわになっている音楽ですから、こうしたことは利点ですよね。
(written 2022.11.19)
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