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2022/11/10

ゴスペル新世代?〜 サラ・ブラウン

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(3 min read)

 

Sarah Brown Sings Mahalia Jackson
https://open.spotify.com/album/1sBIYJA6QJMbcV8aGPHspJ?si=l9L4hnZpRs24JRld8FbXKQ

 

ロンドン出身の歌手、サラ・ブラウン。ソロ・デビュー作じゃないかと思うんですがアルバム『シングズ・マヘイリア・ジャクスン』(2022)はそこそこ充実の内容で、しかもコンテンポラリーなさっぱり感もあるっていう。

 

こうしたブルーズとかゴスペルなどの世界は、ここ10年くらいかな、だんだん敬遠されるようになってきていて、注目の新作が出てもあまり話題にならないし、ましてやレヴューなんて書かれないという現状になってしまっていますよね。

 

アルバム題どおり偉大なマヘイリア・ジャクスンのレパートリーをカヴァーした企画もので、だからスピリチュアルズやゴスペル中心の内容。世俗曲もまじっていますが、それらだって解釈は教会寄りのものです。伴奏はジャジーなピアノ・トリオが中心。

 

サラはべつにゴスペル歌手だとかその世界で活動してきたとかってわけじゃなさそうですけど、同じ歴史を背負う黒人としてその大きな先輩歌手にリスペクトを示したい、作品として残したいという思いがあったんじゃないかと想像します。それもまたBLMエラ的アティテュードでしょう。歌手としての資質はジャジーなポップさが特質なんじゃないかと。

 

本作でもわりと自由に歌っているし、それにいくつかの定番有名ナンバーで別な曲をくっつけて大胆に展開したりなど、かっちりした曲の枠組にとらわれすぎないでこなしています。1曲目だってそうですし、4「サマータイム」だってわりとすぐ「マザーレス・チャイルド」になっているし(メロは「サマータイム」のままで)。

 

バンドの演奏する内容というか特にビート感がジャズ・ミュージックのそれで、典型的なゴスペル色は感じさせませんが、サラのヴォーカルだって重さや深刻さがなく、コブシもヴィブラートもなしであっさりすっと歌っているのは、やはり新世代らしいといえるでしょうか。ラテン・ビートを使った曲もあります。

 

歴史をひもとけば、ブラインド・ウィリー・ジョンスンとかシスター・ロゼッタ・サープみたいにゴスペルを世俗的に楽しく自由にこなす存在はずっと前からいたので、サラ・ブラウンの本作もそうした流れのなかにおけば、ポジション的にはことさら新世代ということではないのかも。

 

(written 2022.10.17)

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