哀歓センバ 〜 パウロ・フローレス&ユーリ・ダ・クーニャ
(2 min read)
Paulo Flores, Yuri da Cunha / No Tempo das Bessanganas
https://open.spotify.com/album/7v5tR4gWCYoZRPmyQMiv5D?si=p4VdR1NuSvSN_lCamGi1IQ
Astralさんのブログで知りました。
https://astral-clave.blog.ss-blog.jp/2022-10-19
アンゴラのパウロ・フローレスとユーリ・ダ・クーニャが組んだ新作EP『No Tempo das Bessanganas』(2022)が全編王道センバ路線まっしぐらで、とっても気持ちよくツボを刺激され、くりかえし聴いています。
どの曲もいいし、特に2曲目のアルバム・タイトル・ナンバーが大の好み。マイナー・キーに設定された曲調もグッド。これだけじゃなくアルバム全体で、細かく刻みながらゆったり大きくノるっていうクレオール・ミュージックのグルーヴが健在なのはうれしいところです。
ヴォーカルは二名で分けあっているものの、ほとんどがパウロ主導で用意された曲みたいですしプロデュースもパウロなので、パウロが主役の作品とみていいんでしょう。なによりいままでの作品傾向からしてそうに違いないと判断できるカラーがあります。
そんなパウロ・フローレスといえば、ぼくにはこれが衝撃の出会いだった2013年作『O País Que Nasceu Meu Pai』のことがやっぱり忘れられなくて、大傑作でしたし、くりかえし聴いていまだに新鮮なんですけど、今回のEPはそれを彷彿させるものがあるというか、完璧同一路線な内容で、そこもポイント高いんですよね。
あのあと最近までパウロはいろんな傾向の音楽をやってきましたが、個人的にはこうした哀歓センバにつらぬかれたものをやるときに琴線に触れるものがある音楽家なんです。今回はたった六曲27分で、そこもかえってコンテンポラリーに聴きやすく、それでいて不足ない充実の聴きごたえがあります。
(written 2022.10.30)
« バンドが自分の楽器だ 〜 マイルズ | トップページ | 演歌の定型イメージはいつごろ成立したのか »
「カーボ・ヴェルデ、アンゴラなど旧ポルトガル語圏アフリカ」カテゴリの記事
- アップデートしなくていい音楽 〜 ネウザ新作(2023.06.04)
- 王道路線のカーボ・ヴェルデ音楽 〜 ネウザ(2023.05.31)
- ルゾフォニア・グルーヴの美点がつまったサウンド 〜 マイラ・アンドラーデのライヴ・バンド(2023.04.10)
- ナイト・クラブでカクテルを 〜 アンドレ・ミンガス(2022.11.24)
- 哀歓センバ 〜 パウロ・フローレス&ユーリ・ダ・クーニャ(2022.11.17)
コメント