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2022/12/11

これまたレトロ・ジャズ・シンガーの新星 〜 ヘイリー・ブリネル

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(3 min read)

 

Top Tracks for Hailey Brinnel
https://open.spotify.com/playlist/5pxcmYsW6Xn1SmQsx1WmMo?si=1f59c442a4cb4290

 

ビートルズの「アイル・フォロー・ザ・サン」をコントラバス一本で歌っているのに偶然出会い、それがチャーミングなので好きになり、検索してどんどん聴くようになったヘイリー・ブリネル。米フィラデルフィアを中心に活動している音楽家みたいです。

 

Spotifyで聴けるものをすべて聴いてみたら、ヘイリーは1920年代ディキシーランド・ジャズのスタイルを(いまどき)フルに実現していて、自身はトロンボーンとヴォーカル。アルバムはまだ一つしかないんですが、シングル単位でサブスクにそこそこあります。

 

公式ホームページがあって、それの「Music」の項で見えた『Top Tracks for Hailey Brinnel』というSpotifyプレイリストがとってもいいんですが、でもそのHP専用ということか自分でさがしても見つけられなかったので、同じになるようにサービス内で作成しなおしたのがいちばん上のリンク。

 

ぜひこれで聴いてみてほしいんですが、いかにヘイリーがレトロ・スタイルの持ち主かってことを。それを2020年代に再現しているからストレートに100年さかのぼった感じですよね。

 

レパートリーも、ビートルズは例外的に新しいほうで、ほかはティン・パン・アリー系のスタンダードや似たような知られざる古い曲ばかり。バック・バンドの演奏だって完璧オールド・スタイルで、ヘイリーの指向を汲んでいるんでしょうね。

 

トロンボーンのほうが本分なのか歌の音程はややあいまい気味だったりするケースも散見されますが、「I’m Forever Blowing Bubbles」(これは唯一のアルバム題にもなっている)後半での展開とか、なんたって「Show Me the Way to Go Home」のオールド・スタイルなすばらしさとか、いずれもダヴィーナ&ザ・ヴァガボンズが出てきた約10年前を連想させる古風なサウンド。

 

ダヴィーナはいま考えたら登場がちょっと早かったというか、こんなにもレトロ・ジャズが時代の潮流になってくる前にシーンに出現したもんだから、あのころは一部好事家のあいだでしか話題になりませんでしたよね。

 

そこいくとヘイリー・ブリネルは時代の流れに乗ってノスタルジーをふりまきながら現れたので、もちろんまだほとんど知られていないという存在ではありますが、このまま順調に活動を続けてほしいと思っています。今後を見守りたい存在。

 

レトロレトロといったって、ポップ・ヴォーカル、歌ものの世界はむかしからそんな大きく変わっているわけじゃなく、ジャジーな生演奏でやるかぎりはずっとこんなスタイルがエヴァーグリーンで来たんだとみることもできますし、いまでも生きる不変の楽しさをヘイリーだって表現しているだけかもしれませんしね。

 

(written 2022.12.6)

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