ジャズ入門ガイドにもいい最高のブルー・ノート・アルバム 50
(4 min read)
https://www.udiscovermusic.jp/stories/the-50-greatest-blue-note-albums?amp=1
「最高のブルーノート・アルバム50枚」というのを数日前にuDiscovermusicが発表していました。なぜなら1月6日はブルー・ノート・レコーズの創立記念日でしたから。今年で社史84年目。最もアイコニックなジャズ・レーベルなのはもはやだれも疑わないでしょう。
記事文は短いもので、本体は下位から順に50作を紹介しSpotifyリンクを貼ってある部分にあります。しかもリストは音楽家名とアルバム題だけシンプルに書いてあって、一言の解説もなし。立派な見識と思います。
ジャズ好きなら見たこともないなんていう作品は一つもないはず。ですからみなさんごらんになって、納得するなり異論を持つなりすればいいことで、リンクされてあるSpotifyリンクを踏んで聴いたりCDでさがしてもいいし、めいめいのやりかたで楽しんでいただきたいと思います。
21世紀的新世代ジャズといえるものはロバート・グラスパーが選ばれているだけで、かろうじてカサンドラ・ウィルスンもその先駆けかといったこの二つだけ。ほとんどが1950〜60年代に録音発売されたレコードなのは、やっぱりこの会社、アルフレッド・ライオンが現役だった時代こそっていうことなのかもしれません。
50作のセレクション、上位に来ているものとちょっと気になるものはちょこちょこ聴きなおしましたが、めっちゃひさしぶりだったものもあります。たとえば一位の『サムシン・エルス』(キャノンボール・アダリー&マイルズ・デイヴィス)も15年ぶりくらい。Spotifyにあるのはオリジナルのモノラル版ですね。
これをふくめ、三位までがマイルズ関連であるというのもなんだか興味深いような。このトランペッターとアルフレッドは個人的親交があったものの、作品をたくさんレーベルに残したというほどでもないのに、それでもこうなるっていうのは存在感ゆえでしょうか。
こうしたブルー・ノート・ジャズの傑作群に大学〜大学院生のころはそりゃあもう胸を躍らせていたもんでした。夢中でレコード買いまくっていたなあ。そのうちCDで買いなおしたのは七割くらいで、そんでもってサブスク時代になって以後はなんでもあるので(ブルー・ノートは例外なくぜんぶある)おおいに助かります。
ちょっと気になれば所有していなくともパパッと聴けて楽しいし、今回のuDiscovermusicの50作セレクションでだってそうです。それでちょっとした感想も浮かぶし、現在未来の私的音楽ライフ形成に役立つので、マジでありがたいこと。
それに約10年前ごろからのソーシャル・メディア時代に、この老舗ジャズ・レーベルは完璧対応しているというのもすばらしいところ。個人的にいつも見ているのはTwitterとInstagramだけですが、その他のプラットフォームにもアカウントがあるはず。ニュー・リリースや発掘ものなど、そのほか折に触れて投稿があってハッと思い出したり発見したり。
ソーシャル・メディアとサブスクへの対応、この二点は2020年代においてレコード会社が展開してほしい必須のことがらなんで、長い歴史を持つブルー・ノートもそこへきっちり寄せてきているのはみごとですね。ベテランばかりでなく若い新規ファンも獲得しやすいですし。
ぼく的にイマイチ好みじゃないとかさほど熱心には聴いてこなかったっていうものもセレクションのなかに多少ありますが、これを契機にまたふたたびチャレンジしていますし、それでいままでにない自分へと変貌することもできるかもしれません。みなさんもぜひ。
(written 2023.1.8)
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