ファンク・ブルーズ五題(1) 〜 スタン・モズリー
(2 min read)
Stan Mosley / No Soul, No Blues
https://open.spotify.com/album/2h7BgA3IliA1QQmvFo37d1?si=TzHBZDwiTZSWPVzZDqZ-cA
Pヴァインなどが全面展開しているからですが、2022年暮れ以来日本におけるブルーズやアメリカン・ブラック・ミュージック・ファンの話題をさらっている感もあるスタン・モズリーの新作アルバム『No Soul, No Blues』(2022)。ぼくもシビレています。妹尾みえさん経由で知ったんでした。日本企画作。
かつてマラコでも活躍したスタンはブルーズも歌えるソウル歌手といったところでしょうか。本新作はファンク・ブルーズのアルバムみたいに仕上がっていて、そんなところもたいそう好み。タイトなリズムとホーンズがめっちゃカッコいい。
スタンのヴォーカルはソウル歌手らしいふくらみを感じさせるもので、シャウト型で鋭角的にガンガンくるというよりはふわっとした印象が(本作では)あります。ちょっぴりニュー・ソウルっぽい?ここは日本人ブラック・ミュージック・リスナーのみなさんと意見が違うところでしょう。
それにこのアルバムで個人的にいちばん好きなのは、やわらかくジャジーな6「Undisputed Love」なんですもんねえ。グリッサンドするホーン・アンサンブルもレイド・バックしているし、こういうのが気持ちいい人間ですから、いまは。それでもファンキーな感覚は濃厚に漂っています。
アルバム全体のサウンドはゴツゴツしていて迫力があるし、ヴォーカルは「気合」と呼ぶしかないようなフィーリングに満ちているし、ストレートなブルーズらしいものはほとんどありませんが、ソウルフルなファンキーさが横溢していて、ガッツのある(従来的な意味で)ホンモノのブラック・ミュージックをこそ求めているという向きには歓迎されるはず。
(written 2023.1.1)
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