これぞトルコ古典歌謡っていうエレガンス 〜 エフルゼ
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Efruze / ASSOLİST Ⅱ MEŞK-İ MÜREN
https://open.spotify.com/album/2V9wSFcqVGq3V2Ef7PNfkX?si=lpzpcDSCTQGT2hPID7Sv4A
トルコ古典歌謡の若手歌手、エフルゼの最新作『ASSOLİST Ⅱ MEŞK-İ MÜREN』(2022)は、タイトルで察せられるとおりゼキ・ミュレンのレパートリーを歌ったもの。オスマン〜トルコ初期時代の曲たちが中心ですね。
個人的に特にグッとくるのが2、4、5、6、8、9曲目あたり。華麗だけどくどさのない典雅な少人数編成の演奏に乗せて、エフルゼがさっぱりとあとくちのいいさわやかなヴォーカルを聴かせているのがとってもステキです。いかにも古典的表現といったおもむき。
ゼキ・ミュレンのレパートリーを歌っていても、いっときのゼキが発していたアクの強いいやらしさはなく、こねくらないストレートで素直で淡々とした歌唱をつらぬいているのが好印象なんですよね。かねてよりこうした歌手が好きできて、近年ますます薄味好みに傾いている身には、まさにピッタリ。
伴奏の充実も本作では特筆すべき点です。ウード、カーヌーン、クラリネット、打楽器の響きを生かしたエレガントで抜けのいいサウンドは、まさにトルコ古典歌謡にぼくが求めているもの。なかでもカーヌーンの響きがひときわすばらしく印象に残りました。
(written 2023.2.12)
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