CDで買った最後のポール・マッカートニー 〜『エジプト・ステイション』
(3 min read)
Paul McCartney / Egypt Station
https://open.spotify.com/album/3uLrSFrNqa8CULSIU7e9v5?si=vg9TKAPdSoasJmFxVhC07w
ポール・マッカートニー2018年のアルバム『エジプト・ステイション』。ぼくがCDで買った最後のポールで、この後現在までに『マッカートニー III』(20)の一作あるだけなんですけど、そっちはサブスクで楽しみました。
(基本的に)物体を買わずサブスクで音楽を楽しみ愛するようになったのは2019年の晩夏ごろから。17年にSpotifyプレミアム(有料)を契約していましたが、同時にCDも買っていたんです。移行に二年かかりました。
その移行期間、ぼくはちょっとおかしなサブスクの使いかたをしていて、CD買って聴いてこりゃいいねと思ったアルバムを、次いでサブスクでさがし、見つかったのをリンク貼ってソーシャル・メディアやブログで紹介していたっていう。
逆ですよね。サブスクを試聴機代わりに使って、いいねと思ったらディスク買うっていうやりかたをなさっているみなさんが圧倒的多数のはず。そこいくとぼくはいったいなにをやっていたんでしょう。さすがにいまはもう違っています。
ポール・マッカートニーの『エジプト・ステイション』も、まずネットでジャケットを見て、あっいいじゃんと思ってCDを買い、届いたもののそっちはあまり聴かず、物体見つめながらサブスクでなんども聴いたんだったと記憶しています。
2018年だからブログをやっていたんですけど、なぜかこの作品のことをとりあげなかったですね、当時は。音楽はいいぞと思ったのに、チャンスを逃してそのままになっています。こういうことって毎日書いているとわりとあるんですよね。
そいで、いまごろ不意に思い出し、その後二度の引っ越しでディスクはもう山のどこにあるかわからないけどサブスクなら検索すればパッと出てくるので、数年ぶりにまた聴きました。今度はちょっぴり感想を書き残しておこうかなって。
『III』とあわせたポール近年の二作はまったく傾向の異なる音楽で、個人的な好みでいえばもう断然『エジプト・ステイション』を選びたいということになります。ビートルズ〜ウィングズ時代から続くポールらしさ満開。
つまりポップなロックで聴きやすいってこと。むかしからのポールのファンだったなら「これだよこれ、これこそポールらしいメロディ・ラインとサウンドだ」ってヒザを打ちそうな曲が満載で、聴いていて心地いい。
また一人多重録音ではないバンド演奏のグルーヴがしっかりあることも気に入っている理由の一つ。イキイキした音楽の躍動感が聴きとれるというのがですね、むかしながらの楽器演奏スタイルに生命が宿るという考えというか嗜好の古くさいファンであるぼくにはいいんです。
(written 2023.3.4)
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