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2023/05/11

ジャンプもジャズなのだ(其の弍)〜 レオ・パーカー

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(4 min read)

 

Leo Parker / Rollin’ wth Leo
https://open.spotify.com/album/4iuVTKizRNoo1GqETTVHRH?si=LcUJ3_y_Sy6EewEzGMOqYA

 

bunboniさんのブログで知りました。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2023-05-02

 

ブルー・ノートはブギ・ウギ・ピアノを録音しようと設立されましたが、実際にはモダン・ジャズ以降の歴史がレーベル史とピッタリ重なっている会社なので、プリ・モダン・スタイルというかこうしたジャンプ系のアルバムがあるなんて、ぼくも知りませんでしたレオ・パーカー(バリトン・サックス)の『Rollin’ wth Leo』(1961年録音80年発売)。

 

リズム+バリサク+テナー+トランペットの編成で、やっぱり特にバリバリ吹くレオのブルーズ・バリサクが超快感です。コテコテ(原田和典の発案ではなく、濃厚ソース系の味を表現する関西では古くからあることば)そのもので大好物。薄味好みになったけど、ときには濃い味も。

 

個人的にはやっぱりアップ・ビートの効いたスウィング/ジャンプ・ナンバーが好み。1「The Lion’s Roar」、4「Music Hall Beat」、5「Jumpin’ Leo」、8「Mad Lad Returns」あたり。アップ・ビートじゃないけど、まさにド直球ジャンプな3「Rollin’ with Leo」もいいね。

 

この手のものは主に1940年代に隆盛だった音楽で、当時はビッグ・バンドでやることが多かったんですが、コンボ編成もときおりありました。レオらはそれをそのまま1961年録音の本作で再現しているんですよね。そんなのまったくお呼びじゃなかった時代。

 

ジャンプとはジャズ本流からちょっぴりハミ出て、といっても境目なんかなく連続しているものなんで双方やったミュージシャンも多く、じっさい中村とうようさんと出会う前の時代にジャンプを知ったぼくなんかはメインストリーム・ジャズ、つまり黒人スウィング・バンドからの流れで自然に聴くようになりました(ジャイヴもそう)。

 

ぼくがジャズからジャンプやジャイヴをスムースに知った1980年前後ごろ、松山のレコード・ショップではジャズの棚にふつうにジャンプ系(とその後分類されるようになったもの)のレコードも仲良く並んでいて、ジャズ棚をあさっていておもしろそうなものは次々買っていましたから、自覚も区別もなしに同じように聴いていました。

 

もちろんあのころのジャズ喫茶といえば(ぼくが常連だったビ・バップ前ばかりかける一店舗を除き)シリアスなハード・バップとかモードとかフリーとか、お店によってはクロスオーヴァー/フュージョンも、そんなのをむずかしい顔をして黙って無言で聴くところばかりでした。

 

だからその例外的一店舗 “ケリー” のマスター荒井さんに教えてもらうとか、自分でレコード買って自宅で聴くとかで、それでぼくは古いジャズに夢中になっていったんです。そんななかに(ニュー・オーリンズ、ディキシー、スウィングだけでなく)ジャンプやジャイヴもありました。

 

ってかだからジャンプもジャイヴ(というタームはあのころ知らなかった)もジャズです。でもってリズム&ブルーズやロックの誕生へと間断なくつながった母親なんだってことは、その後とうようさんに教えてもらいましたけど。

 

(written 2023.5.11)

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