うねうね「ウン・ポコ・ロコ」をビッグ・バンドで 〜 ショーティ・ロジャーズ
(2 min read)
Shorty Rogers / Afro-Cuban Influence
https://open.spotify.com/album/6eTeF2FhtgBmKn6ya2RWn5?si=amueJF3aSjyqsdKqUtItdw
ジャズ・ファン人生でそんな熱心に聴いた記憶がないトランペッター、ショーティ・ロジャーズ。でもこないだふとなにかのプレイリストで一曲流れてきたアルバム『Afro-Cuban Influence』(1958)は楽しいと思えました。
アルバム題が示すとおり、この時代らしいアフロ・キューバン・ジャズにとりくんだ作品。アレンジの才もあったミュージシャンなので、本作でもこのビッグ・バンド・アンサンブルをおそらく本人が手がけているんじゃないかと。
全42分48秒のうち1曲目「Wuayacanjanga」が22分以上を占めていて、これが聴かせどころ、目玉に違いありません。完璧大上段に構えた組曲形式の本格アフロ・キューバンで、多数の打楽器奏者が派手に打ち鳴らし叫び、まことに絢爛華やか濃厚。いまのぼくの気分からしたらちょっぴりトゥー・マッチかも。
これよりむしろ2「Manteca」(ディジー・ガレスピー)、5「Un Poco Loco」(バド・パウエル)とかのほうが聴きやすく楽しく感じます。3「Moon Over Cuba」はデューク・エリントン作ですが、わりとなんでもないジャズ・ビートですよねこっちは。
特に「ウン・ポコ・ロコ」ですぼくには。これは曲がもとから好きだったというのが大きいと思います。バドのオリジナル・ヴァージョンは、高評価のわりに一般リスナーの受けが悪く、ず〜っと前、mixi日記でボロカス書いていた当時の友人がいました。でもぼくは大好き。
だからピアノ・トリオでやっていたあれをこうして大編成ホーンズのビッグ・バンドに応用してやってくれているというだけで楽しいし、カヴァーしてくれているだけでうれしいのです。バドの書いたウネウネするラインが気持ちよく、あの蛇行をホーン・アンサンブルで聴けて快感です。
(written 2023.4.14)
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