カタルーニャのアレグリア 〜 ジュディット・ネッデルマン
(1 min read)
Judit Neddermann / Lar
https://open.spotify.com/album/7Mc6kIwQW9UMgqImj5oFYC?si=vo9OKPpTRdaDXQ4nGzgLPg
カタルーニャの歌手、ジュディット・ネッデルマンのことは以前一度書きましたが、それ以来の新作『Lar』(2023)が出ましたので聴いてみたら、これもたいへんいいですね。21年の前作とはだいぶ雰囲気が変わり、今回は地中海〜ブラジリアンな方向性も強く意識したような多幸感のある音楽。
リズムの躍動がアルバムの重要ファクターになっていることは1曲目からはっきりしていて、それがさらに一段ときわだっているのがサンバ・チューンの5「Celebrar」。祝祭感に満ちたカラフルな曲で、いいなあこれ。こういうのはいままでジュディットの音楽になかったものですね。
続く6曲目も、おとなしめの曲調ながらややブラジル・テイストが香ります。特に曲後半ではファンキーさすらただようコーラスとビートのにぎやかさがあって、ダニ・ブラッキ(ブラジル)がゲスト参加している8曲目とか、このへんアルバム中盤がブラジル音楽パートでしょう。
いっぽうもとから美しいジュディットの声を最大限に活かしたバラード調やピースフルな曲の出来もすばらしく、4、7、9、10曲目あたりがきれいに輝いています。緑と花と蝶や小鳥に囲まれたおだやかで淡々とした平和な日常のなかに人生の真のよろこびを見出しているような曲とヴォーカルは、心から共感できるもの。
(written 2023.6.7)
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