その俳優や音楽家などの人間性清廉潔白を見たいんじゃなくて、芸能芸術の力や技を楽しみたいだけですから
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前も同じこと言いました。俳優とか音楽家などのやることは、演技や演奏歌唱といった芸能芸術の魅力がすべてだとぼくは思っていて、そこから離れたふだんの生活とか人間性とか清廉潔白であるかどうかなど、正直いってド〜〜でもいいわけです、基本。
チャーリー・パーカーみたいなドロドロの違法薬物中毒者や、フィル・スペクターのように殺人犯として刑務所内で人生を終えたとか、でもそのことでこうした音楽家のつくりだした作品の価値が下がったとか販売停止になったとか世間がソッポ向いたとか、そんな話ぜんぜん聞かないでしょ。
日本の芸能界だけが世界基準からしたら特殊なのか、すぐ店頭から回収したり配信停止にしたり放送上映を中止したりなど、ぜ〜ったいにおかしいです。そうすることでいったいだれが得をするのか。自粛しろとクレームするカスタマーも一部にいるでしょうが、なにか勘違いしているとしか思えないです。
レコード会社、放送局、映画会社、マスコミ、芸能関係者や事務所などは、妙な意見をぶつけてくる一部の世間をはねのけ、むしろ世論をリードしていかなくちゃなんない立場ですよ。芸能芸術の普及拡散をたすけ引っ張っていこうっていう組織なはずが、迎合してやめちゃってどうすんですか。
古今東西、芸力と私生活のスキャンダルやだらしなさは無関係。いや、もういまはそんな時代じゃない、ちゃんとした人間であることがそういう世界にも求められているのだということかもしれませんが、そういうもんじゃないと強く思っているぼくの発想が古いのかなあ。
不祥事、スキャンダルなどはいはゆる芸の肥やしだから、なんて古めかしいことを言いたいわけじゃなくて、こんなやつはけしからんもう観ない聴かないっていうかたがたは勝手にそうすればいいだけで、販売配信そのものをやめてしまうのは大問題だと思いますよ。
そこは視聴者が自分の意思や判断で自主選択できるようにしておいてほしい。そのために会社がわは販売配信を続けたほうがいいです。芸能芸術のためということはちっとも考えられていない事態が(日本では)進みつつあるような気がして、たいへん残念。
(written 2023.7.2)
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