味わい深いサンバ 〜 トイーニョ・メロジア
(2 min read)
Toinho Melodia / Paulibucano
https://open.spotify.com/album/09A1zs4HooSsiUMsCgbf3J?si=qubdRHtbTem876HJUEgynQ
Astralさんに教えていただきました。
https://astral-clave.blog.ss-blog.jp/2023-05-07
ブラジルのサンビスタ、トイーニョ・メロジア68歳のデビュー・アルバムだったらしい『Paulibucano』(2018)。だれなのかちっともわかりませんが、音を聴けばですね、これに惹かれないサンバ好きもいないのではと思うくらい。ジャケ一瞥で雰囲気はわかります。
基本、アルバム全編がオーソドックスなサンバで満たされていますが、ところどころオッと思わせる驚きも。日常やストリートの生活音がサンプリングされて挿入されている部分も複数あって、伝統サンバのアルバムではややめずらしい趣向かも。
アコーディオンがブエノス・アイレスを香らせる曲や(3)、あるいはサンバというより完全にバイヨンのリズムになっている曲もあったりします(4)。それでもカヴァキーニョの乾いたカッティング・サウンドはサンバ・スタイル。
本人のヴォーカルはもちろん朴訥としていて、しかし枯れているかというとあんがいそうでもなく、若さやみずみずしさを感じさせる面もあるようにぼくには聴こえました。現役感っていうか、そういうのがあってこその音楽でしょう。
ラスト13「Vida da Sambista」はナイロン弦ギターの伴奏だけで淡々とつづる曲題どおりサンバ歌手の人生。派手さのない小品ですが、締めくくりにふさわしい味わい深さで、聴き手の胸にも沁み入ります。
(written 2023.5.20)
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