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2023年12月

2023/12/31

レトロというよりルーツ・リスペクト

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(2 min read)

 

といったほうが正確なんじゃないかと思える音楽家たちがいます。これは以前妹尾みえさんとおしゃべりしていて気がついたこと。妹尾さんは主に日本の若いミュージシャンたちに言及していたんですが、同じことがUSアメリカの若手についてもいえるはず。

 

つまり1970年前後ごろのブルーズ、ロック、ソウル、カントリーなど一連のルーツ志向の音楽家群に対するストレートな愛を持ち、それをみずからの音楽で現代に表現しているような音楽家がここ数年目立って増えてきているようにみえるんです。

 

あのころからちょうど50年ほどが経って、ああした音楽の滋養分とまかれた種が、若手のなかで芽吹き成長つつあるのではないでしょうか。定着するのにそれくらい時間がかかったのかもしれません。

 

これは近年のアメリカーナの動きとも連動していることで、カントリーのみならずアメリカン・ミュージック・ルーツを志向する流れがあきらかに上昇してきているでしょう。

 

そもそも1970年前後ごろのごたまぜルーツ・ロック、特にLAスワンプとかが元来アメリカン・ルーツ志向だったわけですけれども、時代を経て同傾向な志向を持つ若手ミュージシャンが出てきているよねえと、そんなふうにみえているんですよね。

 

スワンプ・ロック、ブラック・ミュージックなど1970年前後ごろの音楽を下敷きにしてというか踏み台、バネにして20世紀初頭ごろのルーツへさかのぼり、それを現代的に表現している若手が増えているのは間違いありません。

 

そうした動きをなんでもレトロとくくるより、やはりルーツ・リスペクトな音楽だとみなしたほうが適切じゃないでしょうか。

 

(written 2023.12.23)

2023/12/28

ベスト・アルバム 2023

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My Best Songs 2023

https://open.spotify.com/playlist/2x0WiShL9KgF5KtuNJXKqd?si=bb4f588533e14451

 

旧作やリイシューでも、よく聴いたものは選ぶことにしました。こんな愛聴しているのに過去作というだけで入れられないなんて理不尽ですし、一年の音楽ライフを反映しないセレクションになってしまいますから。

 

1 LioLan / Unbox(日本)

J-POP最先鋭といえる二人組ユニット。作編曲と演奏力の高さが目立つ。

 

2 Simon Moullier / Inception(US)

ハード・バップの伝統を受け継ぎながら新時代のシャープなスタイルで。

 

3 Donald Fagen / The Nightfly Live(US、2021)

『ザ・ナイトフライ』をそのままライヴ再現しただけなのに、妙に心地いい。

 

4 江玲 / Hong Kong Presents Off-Beat-Cha-Cha(香港、1960)

アジアン・ラテン。コミカルな味もあるのが楽しい。

 

5 中村海斗 / Blaque Dawn(日本、2022)

Z世代最強ドラマーのデビュー作。バンド・メンバーも新世代のあざやかさ。

 

6 渡辺貞夫 / meets 新日本フィルハーモニー交響楽団(日本)

こっちは超ベテランの充実作。哀切バラードは特にいい。

 

7 Dudu Tassa, Jonny Greenwood / Jarak Qaribak(イスラエル、UK)

アラブ各地に散らばる歌を集めて現代的に再現したもの。

 

8 Emma Smith / Snowboud(UK、2022)

ビートの効いたグルーヴ・チューンが聴きごたえ満点。バンドの演奏もすばらしい。

 

9 Ruby Pan潘子爵 / 沒問題少女(台湾)

1980年代的フュージョンをコンテンポラリーに演奏したもの。かなり快感で大の好み。

 

(written 2023.12.10)

2023/12/27

しんどいとき助けになる音楽(62)〜 演歌スタンダーズ

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My Favorite 演歌スタンダーズ

https://open.spotify.com/playlist/70noNUpuIMBpidBrXoSTLX?si=6fb7d43193d147f9

 

そういえば以前「演歌と民謡以外なんでも聴きます」というかたにTwitterでフォローされたことがありましたけど、こっちは演歌や民謡こそ好きなんだけどな〜って思っちゃいました。それも新世代的なものもいいけど従来の古典的なやつがぼくは大好き。

 

なんでそんな好きなのかって、たぶんこれは幼少体験からくるものでしょうね。1960〜70年代のテレビ歌番組とかには演歌歌手がたくさん出ていて自分の曲を歌っていました。そういうのを聴いて育ったこどもだったんですよ。

 

三つ子の魂百までっていうか、いまだにあのころの歌を聴くと(べつになつかしいとかではなく)気分いいんですもんねえ。でも長年忘れていた快感です。17歳でジャズにハマって以後はむしろ積極的に否定するようになっていた分野ですから。

 

そうした偏見がずっと続いていて、演歌(や歌謡曲)はかなり遠ざけていたものでした。復活したのは2017年に岩佐美咲が大好きになって以後のこと。この話なんどもしていますけどね、ホントそう。

 

美咲のヴォーカル・スタイルは第七世代的なあっさりしたもので、およそ古典的な演歌唱法じゃないんですけど、古い演歌スタンダードをたぁ〜っくさんカヴァーしてくれているんです。それで、オリジナルはどんなだっけなあと思ってさがして聴きなおすようになって、こどものころのフィーリングがよみがえったっていう。

 

そうなってみると今度はジャズやブラジル音楽などと演歌がなんの問題もなく並存するようにぼくになかではなってきました。同じようにならべて同一次元で楽しめます。音楽の種類としてはかなり違いますけど、いまのぼくのなかでは聴いて感じる気持ちよさが同じなんです。

 

(written 2023.12.9)

2023/12/26

しんどいとき助けになる音楽(61)〜 プリザヴェイション・ホール・ジャズ・バンド

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(1 min read)

 

Preservaton Hall Jazz Band / Do You Know What It Means to Miss New Orleans

https://open.spotify.com/track/0r30GST2u2FRXH8qdO4fm8?si=1d42aa680a714922

 

アルバム『Our New Orleans (Expanded Edition)』(2005)には「Do You Know What It Means to Miss New Orleans」という曲が3ヴァージョン収録されています。ハリケーン・カトリーナで壊滅的な被害を受けたニュー・オーリンズのために制作されたアルバムですから、いはばテーマ・ソングのようにして複数回出てくるのでしょう。

 

三ついずれも美しくノスタルジックですが、個人的にいちばんしんみりと胸にしみるのが12曲目に入っているプリザヴェイション・ホール・ジャズ・バンドのヴァージョン。といってもヴォーカルとバンジョーとベースだけ。

 

そのシンプルさがまたいいんですよね。だれが歌っているのか情報がありませんがヴォーカルもいい味。ひょっとしてこれはバンジョー弾き語りなのかなあ、ちょっと素人くさい街角的な素朴さが、それこそいっそうハリケーンによる故郷喪失感をきわだたせていて、最高に訴えかけてくる演唱になっていると思います。

 

(written 2023.12.5)

2023/12/25

Spotifyはときどきイヤなことを言う

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(2 min read)

 

こないだ12月4日にSpotifyから来たメールをキャプチャしたのが上掲画像。ちょっとやっぱりおかしいんじゃないですかね。コラボ・プレイリストって。「友達と一緒にプレイリストを作ってみよう」なんてやりたくもないです。

 

ぼく個人はもうだいぶたくさんのプレイリストをつくっていて、現在の総数は515。たしかにこれほどプレイリストをどんどんつくっている個人ユーザーって少ないかもですが、すべてはぼく一人でやっていることですよ。だからいいんですから。

 

音楽の好みなんてそれこそ千差万別百人十色。それが人間っていうもんであって、サブスクなら実に容易に作成できるプレイリストもそれぞれの個人的嗜好を反映しているんです、だれのどんなであれ。

 

だからいくら仲のいい友だちであっても、いっしょにプレイリストをつくるなんていうことは考えないほうがいいと思います。もめるだけです。

 

それにですね、ここがいちばんつらいところですがぼくには友だちが一人もいないんですね。発達障害者だから。ASDは友だちできないんです。コミュニケーションに大問題をかかえている種類で、友だちなんてできっこないっていう障害なんですから。

 

そんな障害者の心情を、Spotifyのメールは傷つけていると思いますね。どうしてそんなにいじめるのか。世のなかには一定数ASDがいて、ASDは自分の好きな領域はとことん追求するもんなんで、だから音楽、つまりSpotifyもヘヴィ・ユーザーなだけなんですから。

 

勘違いしないで。いじめないで。

 

(written 2023.12.20)

2023/12/24

サマーラ・ジョイでジョイフル・クリスマス

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(2 min read)

 

Samara Joy / A Joyful Holiday

https://open.spotify.com/album/2VEsXkmIycyL3VL2vvbneU?si=6z6_Ae9yR1CYngqPE8c9sg

 

サマーラ・ジョイのクリスマスEP『A Joyful Holiday』(2023)もやわらかく楽しい音楽で、やはり無視できなかったので、書いておくことにしました。アルバム題はもちろん本人の名前にひっかけてもあるのでしょう。

 

それにしても米英などキリスト教圏では年末が近づくと毎年クリスマス・アルバムが競うようにどんどん出て、シーズン向けにとりあげる話題には事欠かないです。今年は特に豊作だったような印象があって。

 

だからクリスマスは一回だけとはいえ、やまほど出るシーズン・ミュージックも毎年一作しか書かないっていうんじゃもったいないです。去年も二つ書きましたし、今年はこれで三つめ。あきらめたものもいくつかあるんですよ。

 

サマーラの本作はわりとよく知られたクリスマス・ソングを中心に六曲。いずれも本人のお気に入りナンバーだということです。伴奏はいつものようにギター+ピアノ・トリオ。リッチでゴージャスな声がクリスマス・シーズンにはぴったりだと思います。

 

なかにはスティーヴィ・ワンダーの歌った「Twinkle Twinkle Little Me」があったり、また4「Have Yourself A Merry Little Christmas」はノラ・ジョーンズ&レイヴェイのコラボ・シングルでも歌われていましたので、聴き比べるのも一興でしょう。

 

温かくてステキな雰囲気にあふれた一作、フィジカルもあるようですし、ぼくはサブスクでじっくりなんども楽しんでいますけれど、かなり秀逸なクリスマス・アルバムになっているといえます。静かで落ち着いたジャズ・ヴォーカルでかざるクリスマスもいいもんです。

 

(written 2023.12.19)

2023/12/21

とうとうノラ・ジョーンズとレイヴェイが共演 〜「クリスマス・ウィズ・ユー」

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(2 min read)

 

Norah Jones, Laufey / Christmas with You

https://open.spotify.com/album/2cWrkknTj4squbs2aANuHp?si=nzEww7HgTsq-WIdz7GXGfA

 

ノラ・ジョーンズと共演することが夢みたいなもんだったレイヴェイにとっては、まさに念願かなってのシングルがリリースされました。それがクリスマス・シーズン向けの「Christmas with You」(2023)。レイヴェイ、うれしいでしょうねえ。

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シングルに収録された二曲は1「Have Yourself A Merry Little Christmas」がスタンダード、2「Better Than Snow」のほうはノラ&レイヴェイの共作による新曲です。後者は、あなたといっしょにすごすクリスマスは雪が降るよりもいいという内容の歌。いうまでもなくどちらも二名のコラボ演唱。

 

ヴォーカルは二名で交互に分け合い、楽器はノラがピアノ、レイヴェイは1曲目でチェロ・ピチカート(ソロもあり)、2曲目でギター。二名以外に参加ミュージシャンはまったくおらず、完璧100%のデュオです。

 

ノラのラフでルーズなヴォーカル・スタイルとレイヴェイのエレガンスが好対照で、絶妙なコラボ効果を生んでいますよね。聴き分けはだれにとっても容易なはず。いまのぼくはどっちかというとレイヴェイのファンなので、その声が流れてきただけでハッピーな気分です。

 

コラボは親密さを大切にするためにスタジオで二人きりで実施されたそう。むろん圧倒的なキャリアの差がありますから、二曲ともノラが主導権をにぎっているように進み、そこにレイヴェイが客演しているといった感じ。

 

クリスマスを静かにおだやかにすごしたいという向きには、やはりレイヴェイの声のクラシカルな優雅さがもってこいだと思えます。それがノラとのコラボで聴こえてくるんですから、例年にないうれしいクリスマス・プレゼントになりました。

 

(written 2023.11.18)

2023/12/20

しんどいとき助けになる音楽(60)〜 ザッパのドゥー・ワップ

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(2 min read)

 

Frank Zappa / Doo-Wops

https://open.spotify.com/playlist/5oOeMafPaKU5MzxPQsGclq?si=945d1703c12e4864

 

けっこうsaveされていますね、この自作フランク・ザッパのドゥー・ワップ・プレイリスト。ドゥー・ワップに特化した『クルージング・ウィズ・ルーベン・アンド・ザ・ジェッツ』(1968)みたいなアルバムもあるし、そのほか一般的にザッパの作品にふくまれているのを集めたものです。

 

やっぱりね、心身の状態が悪く苦しくつらいときにシリアスな音楽は聴けません。ドゥー・ワップみたいなちょっとチープで楽しくスウィートなものがいいわけです。それをザッパの音源で聴こうっていうのはぼくらしいところではあるんですが。

 

とにかくドゥー・ワップは楽しいし、ザッパはその熱狂的な7インチ・コレクターだったということで、その偏愛ぶりが自分の音楽作品にもこうして反映されているというわけです。

 

USアメリカン・ポップ・ミュージックにおけるヴォーカル・コーラス・スタイルであるドゥー・ワップ。どんなものか説明しておかなくてもいいでしょう。主旋律を歌うリード・ヴォーカリストの背後で「どぅ~わっ、どぅ~わっ」とかそんな感じで反復コーラスが入っていればそれがドゥー・ワップ。

 

ちょうどロックンロール登場の興奮と同時期の1950年代半ばから末、せいぜい60年代初頭までで流行は終わってしまったものです。だけどその後イタリア系が模倣してリヴァイヴァル・ブームがあったので、ザッパもその流れのなかにいるのかもしれませんね。

 

(written 2023.12.3)

2023/12/19

しんどいとき助けになる音楽(59)〜 ソニー・ロリンズ『サクソフォン・コロッサス』

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(2 min read)

 

Sonny Rollins / Saxophone Colossus

https://open.spotify.com/album/0yodD8uAkAT5UmrlF2xy97?si=yK9w65tvRwm9QDhJK-0URQ

 

しんどいときには聴き慣れた定番の超名作がいいってことで選び出したのがソニー・ロリンズの『サクソフォン・コロッサス』(1957)。こんなのいまさら言うことないんですけど、心身の状態が悪いときにはこういうのが慰めになるんですよね。

 

朗々と吹くロリンズもいいし、ピアノのトミー・フラナガンのリリカルさも聴きやすくてステキ。そしてなんたってこのアルバムではマックス・ローチのドラミングですね、目立ってすばらしいのは。ある意味主役級です。

 

カリビアンなリズムが楽しいA1「セント・トーマス」とロリンズのインプロヴィゼイションがみごとなB1「モリタート」が作品の軸になっているのは間違いありませんが、個人的にあんがい好きなのがB2のブルーズ「ブルー 7」。

 

ブルーズのコード進行を理解するようになる時期までは、これ聴いてもブルーズだってことに気づいていなかったですからね。ブルージーな味がまったくないですから。ただひとりそれを表現しているのがトミー・フラナガンのソロとバッキング。そしてここでもやはりローチがかなりいいです。

 

(written 2023.12.2)

2023/12/18

しんどいとき助けになる音楽(58)〜 ノナリア

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NonaRia / Sampul Surat Nonaria (Sebuah Persembahan Untuk Ismail Marsuki)

https://open.spotify.com/album/4DcPdTthhYWoRbAwA5Mj88?si=jASx4UbFTQi4pKq9e_D8Ow

 

インドネシアの三人組、ノナリアの2020年作『Sampul Surat Nonaria (Sebuah Persembahan Untuk Ismail Marsuki)』がこれっぽっちも話題にならなかったのは、ひとえにフィジカルがないからでしょう。こんなにも楽しい音楽なのに、なんということでしょう。もったいない。

 

もちろんノナリアを話題にしそうな界隈は、サブスクなんて…っていうことでしょうけど、一作目(はCDが日本にも入ってきていた)よりもさらに楽しさを増した音楽なんですからねえ。ここまでぼく以外全員がガン無視っていうのはちょっとおかしい。

 

SP時代のレトロなスウィング・ジャズ・ポップスをそのままコンテンポラリーに継承したみたいなノナリアは、本人たちの自覚いかんにかかわらず、間違いなく2020年代的ワールド・ポップスのムーヴメントと完璧にシンクロしています。

 

それは国際都市ジャカルタの持つ余裕と洗練といえます。同地における1950年代ごろのジャズ歌謡センスがいまに生き続けていることを実感させるもので、こうした音楽がジャカルタではとだえることなく命脈を保っているのでしょうね。

 

だから、一回消えて懐古的に復活したということではないので、レトロというよりヴィンテージということばのほうがふさわしいかもしれません。適度なラテン・ビートの活用も楽しくて、それだってむかしからジャズが持っていた要素をそのまま維持しているっていうことです。

 

ノナリアのばあい、ちょっぴりのイモくささというかのんびりのどかなフィーリングが聴きとれるのも特色ですね。決して性急だったり激しかったりとんがっていたりなんてことがないのは、いまのぼくの気分にピッタリ。

 

(written 2023.11.29)

2023/12/17

ぼくは大のフュージョン好きですよ

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(3 min read)

 

「私の中では、レイボーンはフュージョン・ミュージックの範疇です」というコメントがブログにこないだつきました。ブルーズ・ロック・ギターの記事でスティーヴィ・レイ・ヴォーンに言及したからだと思います。そのかたのなかではフュージョンをくだらない、つまらない音楽の代名詞として使っていることが文脈から読みとれました。

 

どの音楽家が好きかどうか、評価できるかどうかは個人差が大きくて、他人の考えはぼくには関係のないことですから、レイ・ヴォーンをどう思うかはどっちでもいいと思います。問題はそこではありません。

 

ぼくの考えでは二点、問題があると思います。(1)否定的なコメントを、それが好きだと書いてある文章にわざわざ向ける必要があるのか(2)フュージョンというタームを否定の代名詞として使うこと。

 

なにかが好きだと発言している主に向けて、いやそれは自分はあんまり好きじゃないといきなり言う必要などぜんぜんないと思うんですよね。こちらは気分を害するだけで、建設的要素がなにもないです。

 

自分はこれが好きじゃない、嫌いだ、評価できないとかいった種類のことは、自分のアカウントなり場所で一人で勝手に発すればいいだけのことで、他人のブログであれなんであれ、それが好きで聴いているという人物に向けることはないと思うんですよね。

 

こういったことは、ひょっとして10年くらい前に世間の常識として定着したんじゃないかと思っていたのですが、Twitterとか見ていてもやっぱり相手にわざわざ向けて見えるように発言するかたがまだまだいるようです。ちょっとね、もうそういうことはやめてほしいわけです。

 

フュージョンという音楽はくだらない、つまらないものなんかじゃ決してなく、むしろとっても楽しいし評価できるものなんだというテーマはやや大きなことで、きょうのぼくの手に負えるものではありません。

 

個人的には1979年にジャズやその関連領域にハマるようになったので、当時全盛期だったフュージョンをリアルタイムで聴いていて、いいな楽しいなと当時から実感していましたし、いまでもその気持ちは変わりません。

 

この大きなテーマを展開するパワーがいまはありませんが、2020年代のコンテンポラリー・ジャズの源流の一つでもあるし、少なくともぼくのなかの気持ちとしてはフュージョン大好き、いい音楽だという認識があることだけはみなさんに知っておいていただきたいと考える次第であります。

 

(written 2023.12.17)

2023/12/14

韓国系レトロ・ジャズ・ヴォーカル 〜 ミヒャン・ムーン

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(2 min read)

 

Mihyang Moon / I Wished on the Moon

https://open.spotify.com/album/5ZdhKqmiyAHWMTKxljrK8d?si=WR0079lcSnGibZEMqBIoTQ

 

なんか、どうもですね、ここ数年台湾とか韓国とか中国とか東アジア系の歌手、ミュージシャンがめだって活躍しているように思うんですけども。ぼくの気のせいじゃないですよね。チェンチェン・ルー、9m88、サラ・カンなど数が多いし、USアメリカのシーンでやっているし。

 

そのように音楽が真にインターナショナルになってきた背景には、間違いなくソーシャル・メディアとサブスクの普及があると思います。これら二つを駆使している典型がアイスランド人でいまや世界的大スターになったレイヴェイで、これまた母親が中国出身。

 

こないだ出会ったミヒャン・ムーンはべつにUSアメリカでやっているわけじゃなさそうですが、趣味のいい上品でおだやかなジャズ・ヴォーカルを聴かせる韓国人。アルバム『I Wished on the Moon』(2023)はほんとうにお気に入りのヘヴィロテになりました。

 

これいいなあってInstagramで投稿していたら、どうさがしたのかご本人に見つかってしまい、いいねとコメントもついて、しかもご自身のストーリーでシェアしてくれたっていう。うれしかったですね。よくあることです。

 

アルバムは月(moon)をテーマにしているということなんでしょう、そういう曲が並んでいますが、アルバム全編よく知られたジャズ・スタンダードばかり。それを英語で歌うミヒャンのヴォーカルに韓国人だと思わせる部分はまったくなく、このまま世界に出しても通用しそうです。

 

伴奏バンドはギター+ピアノ・トリオ。全員韓国人のよう。よくこなれた演奏ぶりで、ミヒャンのチャーミングでしっとりしたヴォーカルをしっかり支え、間奏など楽器ソロ・パートでも達者です。

 

(written 2023.11.15)

2023/12/13

レトロ・ブームな時代に映えるビリー・ジョエル『アン・イノセント・マン』の40周年

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(3 min read)

 

Billy Joel / An Innocent Man

https://open.spotify.com/album/3R3x4zIabsvpD3yxqLaUpc?si=r2H8PgzSSlaZvMN6rUFVIQ

 

今年夏ごろだったか、どれかの音楽メディアがビリー・ジョエル『アン・イノセント・マン』50周年であるというようなことを書いていて、あれっ?1983年の作品だから50じゃなくて40周年でしょ、と思いました。するとまもなくその記事は削除されましたけどね。

 

でも40周年であるには違いなく、アニヴァーサリー・イヤーであります。個人的にいちばん好きなビリー・ジョエルのアルバムでもあるしで、思い入れが強いんですよね。1950〜60年代のUSアメリカン・ポップス黄金時代へのノスタルジアがテーマになっています。

 

じっさいそういう曲ばかりで埋められているわけですが、ビリーの世代なら幼少時代に聴いて育った音楽だったということでしょうね。83年のアルバムですが、2020年代はレトロ・ブームでそのへんのアメリカン・ポップスが再興している時代ですから、40周年の23年に聴きなおす意義はあると思います。

 

ぼく的には2曲目までそうでもなく、3「ザ・ロンゲスト・タイム」からが大好きなパート。と思って見たら、これSpotifyで1億回以上再生されているじゃないですか。道理でねえ、さもありなん。楽しいドゥー・ワップですからね。

 

4「ディス・ナイト」も大好き。ってかこっちのほうがぼくの好みです。切ない歌詞にも共感できるし、それよりなによりこのきれいなメロディ・ラインですよ。メロディ・メイカーとしての本領発揮。といってもサビはベートーヴェン「月光」からの借用です(クレジットあり)。

 

全体では6「アップタウン・ガール」の人気が当時から高く、あのころMTVでくりかえし見た記憶がハッキリ残っています。いまSpotifyで見たら、なんと7億回以上の再生!Spotifyだけで7億回ですからねえ。いまでも聴かれているんですねえ。ぼくとしてはそうでもない曲ですが。

 

これよりもB面ならラスト二曲「リーヴ・ア・テンダー・モーメント・アローン」「キーピング・ザ・フェイス」がずっと好き。これは最高の二曲です。前者はトゥーツ・シールマンスのハーモニカをフィーチャーした美しいバラード、後者はクラーベ・リズムを活用したハネる楽しいラテン・ポップス。

 

(written 2023.12.13)

2023/12/12

しんどいとき助けになる音楽(57)〜 レイチェル&ヴィルリー

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(2 min read)

 

Rachael & Vilray /  I Love A Love Song!

https://open.spotify.com/album/0j551HTufOYW6EJ9CQwNrD?si=zqqKTiwcQr-gS29fjBEmQQ

 

2023年1月にレイチェル&ヴィルリーの新作『I Love A Love Song!』(2023)に出会ったときはうれしかったなあ。完璧にぼく好みのレトロなスウィング・ジャズ志向な音楽で、こういうのこそこたえられないぼくみたいな人間にはこれ以上ない内容でした。

 

音楽は基本的にヴィルリーのものだと思うんですが、歌うレイチェル・プライスのアダルトなセクシー・ヴォイスもすてき。生演奏のジャズ・オーケストラがバックをつとめているのもいいですね。

 

このアルバムこそ、レイヴェイとともにぼくのなかでのレトロ愛を決定的なものにした一作。いっとき、うん10年くらい前だったらば、こういうのが新作としてリリースされることなんて考えられなかったと思いますから、時代が変わったんですね。

 

要するに「ロック前」ってことがキーで、1930〜50年代前半までのジャズ・ポップ黄金時代へのまなざしってことです。プリ・ロックってことこそ近年のレトロ・ムーヴメントの基底にある志向。『I Love A Love Song!』だって、まるでティン・パン・アリーの曲をベニー・グッドマン楽団が演奏しているみたいですよ。

 

そう、そういう音楽こそ、ぼくは好きなんです。大学生のころから。

 

(written 2023.11.23)

2023/12/11

しんどいとき助けになる音楽(56)〜 マイルズ『セヴン・ステップス・トゥ・ヘヴン』

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(3 min read)

 

Miles Davis / Seven Steps to Heaven

https://open.spotify.com/album/5ufqOq0QvMNnlexELRazNO?si=qkLcGORlRnelq8vmGL3TLg

 

マイルズ・デイヴィスの『Seven Steps to Heaven』(1963)ではLA録音の三曲(1、3、5)が大好きという話をなんどもしています。ですからくりかえす必要もないとは思うんですが、古いバラードばかりとりあげてカヴァーしたもの。

 

それら三曲は基本的にロス・アンジェルスのセッション・ミュージシャンが伴奏をつとめていて(ベースだけロン・カーター)、サックスなしマイルズのワン・ホーンです。ワン・ホーンっていうのがまたよくて、この天性のバラディアーの特質を存分に活かしたできあがりになっています。

 

おだやかだしまろやかで、リリカルなことこの上ない演奏ぶりに心身とろけちゃうんですが、こうしたものはマイルズの生涯でこのセッションがラストになったように思います(81年復帰後を除く)。50年代にはあれほどあったんですが、この後は新主流派な方向を強めていきますから。

 

そして本作で残りの三曲(NYC録音)がそうした新主流派方向への端緒だったわけですが、今回アルバム全体をもう一回聴いてみたらそれらもあんがい聴きやすいよね、なかなかいいじゃんと思えました。ぼく自身どんな心境の変化なのかわかりません。

 

ハービー・ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウィリアムズという新しいリズム・セクションとの初録音で、みずみずしさがあふれていてとってもいじゃんと思えましたね。

 

正直いってLA録音の三曲とはあまりにもおもむきが違いすぎて、アルバム全体としてはちょっとどうかな?と思わないでもないです。それに個人的な嗜好としては熟れた退廃が好きっていうのもありますから、そのせいでますますLAでの三曲がいいんですが。

 

ですからアルバム・トータルではイマイチかもしれません。水と油で溶け合っていないんですが、若々しいニュー・ヨーク録音の三曲もなかなかいいぞ、うん、アルバム全体が退廃バラードじゃなくてかえってよかったのかも、とすら思えてくる今日このごろであります。

 

(written 2023.11.22)

2023/12/10

ルー・ドナルドスン『ミッドナイト・クリーパー』もかなりいい

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(2 min read)

 

Lou Donaldson / Midnight Creeper

https://open.spotify.com/album/34ATM9F3xEyKpRngzzes5A?si=8O1VMvA9T--26_qSfKRH8g

 

ルー・ドナルドスン『アリゲイター・ブーガルー』のへんはシリーズだという話をこないだはじめて読んで、えっ、そうなのかとあわててその前後を聴いてみました。そうしたらけっこういいのがあるじゃないですか。

 

その一つが『ミッドナイト・クリーパー』(1968)。これも『アリゲイター・ブーガルー』路線の音楽で、同じロニー・スミス・トリオが伴奏。トランペットがこっちではブルー・ミッチェルです。本作もかなりいい。

 

なにがいいって、キューバン・ボレーロがあるもんね。3「エリザベス」。いやもちろんボレーロじゃないんですけど、それふうってことで。このリズムの感じとか、ほぼそうじゃないですか。なぜこのアルバムには突然こんなのがあるのか。うれしい。

 

聴いていて気持ちいいったらありゃしない。このボレーロは例外で、そのほかはブーガルー・ジャズ路線っていうかソウル・ジャズなんですけど、それもカッコよくていいですよ。ロニー・スミスのオルガンもジョージ・ベンスンのギターも活躍しています。

 

(written 2023.11.20)

2023/12/07

コンテンポラリー・フュージョン 〜 ルビー・パン

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(3 min read)

 

Ruby Pan 潘子爵 / 沒問題少女

https://open.spotify.com/album/4Y4FZCpKHRC5kU0dhml3Bj?si=YjmIawDJTY6gTsd6tKsjiA

 

台湾のジャズ・サックス奏者、ルビー・パンの最新作『沒問題少女』(2023)がめちゃめちゃよくて、ぼく好み。いままで知らなかった音楽家なんですが、演奏だけでなく作編曲プロデュースもぜんぶ自分でやっているそう。台湾ではすでにいろんな歌手のライヴなどで欠かせないキー・パーソンみたいです。

 

アルバムがいいねえと思ってインスタで投稿していたらご本人が見つけてくださって、イイねとコメント(in 日本語)もらうっていううれしいこともありました。最近こういうことが増えています。

 

本作は簡単にいえば1980年代的なフュージョンなんですけど、個人的な気分としてはこうしたいまどきの音楽を従来の枠組みやタームのなかで理解してしまうのをもうやめたほうがいいかなぁって。

 

あくまでコンテンポラリーなジャズの流れのなかに位置付けたいと思うんですよね。それがたまたま聴いた感じ80年代フュージョン的であっても、古い考えの枠内に入れてしまわないほうがいいと思います。『沒問題少女』もコンテンポラリー・ジャズの新傾向ですよ。

 

曲によっては著しく快感なというか心地いいものがあって、ぼくとしては特にホーン・アンサンブルによるリフにそれを感じます。それらもルビーが自分で書いているってことで、なかなかの才能じゃないでしょうか。

 

アレンジされたあいまを縫うように走るサックス・ソロはまずまず無難かなといった内容。特筆すべきものはないように思うんですが、本作の聴きどころはインプロ・ソロ・ブロウではありません。作編曲の冴えやそれを演奏するバンドのパフォーマンスの高さにみごとさがあります。

 

そうした点(アレンジ/ソロのバランス感)においてもコンテンポラリー・ジャズのなかに位置付けられますし、そもそもフュージョンの流行から40年ほどが経過して、あのころのああした音楽が若手のなかで血肉化してきたのかもなあという気がします。

 

それくらい定着するには時間がかかったのかもしれませんね。かなり都会的な音楽であるところも近年の台湾ジャズの流れに沿うもの。

 

(written 2023.12.4)

2023/12/06

しんどいとき助けになる音楽(55)〜 ルー・ドナルドスン

Alligator_bogaloo

(2 min read)

 

Lou Donaldson / Alligator Bogaloo

https://open.spotify.com/album/4XBcW9JiDXOxXb9sfI1CiX?si=7LoY-q1FSrerpToNWpF_tQ

 

ルー・ドナルドスンの『アリゲイター・ブーガルー』(1967)は “Boogaloo” じゃなくて “Bogaloo” なんですね。たったいま気づいたような気がします。長年勘違いしていたかも。どっちのつづりもあるってことなんでしょうか。

 

ともあれ、このアルバムは大好物。やっぱり幕開けのタイトル・ナンバーですよね。カッコいい。特にこのリズム。まさしくブーガルーとのことばにピッタリで、ルーってビ・バップ時代から活動しているミュージシャンなんですけど、ちゃんと時代に対応しています。

 

1960年代後半のジャズ・シーン in the USA って、こうしたジャズ・ロックっぽいものとか、ソウル、ファンクなどと合体し、新しい時代の音楽を生み出そうとする動きが顕著でした。

 

本作もそうした流れのなかにある傑作。オルガン・トリオを伴奏に据えるという点からしてもソウル・ジャズ的ですし、ラテンなファンキー・フィールも濃厚で、またレア・グルーヴ的な聴きかたもできるっていう。

 

リー・モーガンなんかも同じようなことを60年代にやっていたし、主にブルー・ノート・レコーズを舞台にラテンなブーガルー・ジャズ、ソウル・ジャズ的な動きがはっきりありました。

 

そういうのって、いままた復権しつつあるっていうか、ふたたびよく聴かれるようになってきているし、流れとして現在のクロス・ジャンルなコンテンポラリー・ジャズの祖先だという考えかたもできると思います。

 

(written 2023.11.19)

2023/12/05

しんどいとき助けになる音楽(54)〜 ブルーズ・ロック・ギターをちょっと

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(2 min read)

 

Some Blues Rock Guitars

https://open.spotify.com/playlist/4C3lknWolY212BM93KqBKU?si=d15df294146b4284

 

ジャズ・ブルーズが好き(それもハード・バップで聴けるようなごくありきたりの典型的なやつ)なように、ブルーズ・ロックも大好き。エレキ・ギターのソロがたっぷりあるようなのが特に。ブルーズ要素が好きなんですよね、要するに。

 

個人的にはブルーズ・ミュージックそのものもいいけどそれ以上にジャズやロックその他USアメリカン・ミュージックにブルーズが活かされているのが大好きで、なんでしょうねこれは。でも好きなものは好きなんで、これはだれがなんと言おうともゆずれません。

 

そんなわけでブルーズ・ロックでエレキ・ギターがたっぷり味わえるやつをならべておいてたっぷり楽しめるようにしておいたのが上のプレイリスト。こういう音楽が好物だっていうこと。だって気持ちいいもんね。

 

プレイリストは2018年に作成したものですが、そこからずっと忘れずときどき聴いては癒されているっていう。けっこうエモーショナルで(クールなやつもあるけどザッパとか)激しく燃え上がるのが多いですが、いま体調が悪い時期にも聴けば楽しくて、痛みをいっとき忘れるんですから、心底好きなんですねぇ。

 

1 The Allman Brothers Band / Statesboro Blues
2 Mike Bloomfield / Albert’s Shuffle
3 Fleetwood Mac / Shake Your Moneymaker
4 Jeff Beck / I Ain’t Superstitious
5 Derek & The Dominos / Have You Ever Loved A Woman
6 Frank Zappa / Cosmik Debris
7 Led Zeppelin / I Can't Quit You Baby
8 The Rolling Stones / Stop Breaking Down
9 Van Morrison / Bring It On Home To Me
10 Stevie Ray Vaughan / The Sky Is Crying
11 Jimi Hendrix / Red House
12 Prince / The Ride
13 Paul McCartney / Matchbox

 

(written 2023.11.12)

2023/12/04

しんどいとき助けになる音楽(53)〜 ビートルズ『アンソロジー』

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(3 min read)

 

The Beatles / Best from Anthologies

https://open.spotify.com/playlist/5PSewTdqkZP678KqaZlhH3?si=beaee78bbdf44707

 

ビートルズの『アンソロジー』CD全三巻(1995、96)から自分好みの曲やテイクを抜き出していい感じに並べておいたのが上記リンク。『アンソロジー』シリーズがなんであるか説明の必要はないと思います。なんだかんだいってけっこう熱心に聴いたというのが事実。

 

当時の新曲二つ「フリー・アズ・ア・バード」「リアル・ラヴ」も大好きだったし、いまでも聴けばいいなぁって思います。特に前者。さらに本編たる未発表テイク集についても、さがせばかなりいいものがあるぞと思うんですよね。

 

そのへん、発売から時間が経ってみんなが冷静に考えることができるようになったと思いますから、当時は賛否両論でしたけど、実は中身にすばらしいものも相当数まじっていたと言えるはず。ほとんどが1960年代に発売されていたオリジナル・ソングの別ヴァージョンとかですけれど。

 

『レット・イット・ビー』にようやく収録された「ワン・アフター・909」は、当時から言われていたようにバンドのキャリア初期にできあがっていた曲。その初期ヴァージョンが収録されているのも出来がよくて、特にノリの深いビート感なんか聴きごたえがあります。

 

さらに「ワン・アフター・909」はトレイン・ピースであるということで、ブルーズの伝統にのっとったものだということもわかりますし、慎重に検討すればロバート・ジョンスン「ラヴ・イン・ヴェイン・ブルーズ」の血を引くものだとはっきりしていますし、その点ではローリンズ・ストーンズとの関連も見えてきます。

 

アクースティック・ヴァージョンというか、お化粧をほどこす前、電気楽器もオーケストラも入っていない素朴なデモみたいなもののなかにもかなりいいものがあります。

 

たとえば「ワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」「マザー・ネイチャーズ・サン」「サムシング」など。けっこう聴きものですよ。

 

「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」だって「レット・イット・ビー」だってポールの意図したとおりの簡素なサウンドでのテイクがあるし、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(リプリーズ)」のラフでワイルドな魅力もステキです。

 

ライヴ収録のものもふくめスタジオ演奏でも、四人の演奏力の高さだって、あるいはポールのワーカホリックぶりがバンドのキャリアを支えていたんだということだって、よくわかります。

 

(written 2023.11.8)

2023/12/03

ぼくのSpotifyまとめ 2023

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(2 min read)

 

Your Top Songs 2023

https://open.spotify.com/playlist/37i9dQZF1Fa1IIVtEpGUcU?si=21248dd38feb47d4

 

今年もふりかえりの時期になったということで、リリースされました「Spotifyまとめ 2023」。ぼくのそれによれば、今年最も聴いた音楽家は、去年同様原田知世だったみたい。

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そこまでの実感はないんですけども、聴いたんでしょうね、データで出ていますから。そしてぼくはSpotify上で知世リスナーの上位0.01%にいるってことで、これは実質ほぼNo.1といえるんじゃないでしょうか。

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そういえば、今年一年で聴いた総時間も世界の上位0.05%に入っているそうです。合計時間にして310,898分。換算すると一日平均約14時間は聴いていたということになり、ほぼ一日中音楽を聴いていることになります。

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トップ・アーティストの上位五人はこんな感じ ↓。これはこんなもんかなと思います。

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同じく実感があるのが、今年いちばん聴いた曲。ドナルド・フェイゲン『ザ・ナイトフライ・ライヴ』の「I.G.Y.」。これはまとめが公開される前から間違いないと思っていました。

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上位五曲はこう ↓

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ジャンル分けで最も聴いたのが以下 ↓。これも思っていたとおりです。

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ちょっと意外でもあったのは、ぼくにとっては台湾の台北市がいちばんピッタリの場所だったこと。でも意外っていうより、たしかにリニオン、9m88、チェンチェン・ルーなど好みの音楽家がたくさんそろっているともいえますね。

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(written 2023.12.1)

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